上 下
4 / 4

白と黒 4

しおりを挟む
「だって、あの海斗っていう奴が無理矢理、抱きしめたんだよ!」
すると、ちょうど先生が入って来た
「ほら、みんな席につけ」
授業が終わると、彼氏が教室の入り口の所で誰かと話している
よく見ると、海斗だ…

戻って来たから、私は何を話していたか聞いた
「ねぇ、海斗と何を話してたの?」
「…別れてって…俺から、離れないよね…?」
「うん!離れないよ?」
「良かった…」

休み時間
私のクラスに圭人が来た
「凛!今ちょっと良い?」
「あ、圭人…良いよ!」
海斗も私に用事があったらしく、私が圭人の元に行く様子を見ていた

「どうしたの?圭人…」
「凛は、彼氏の事が好きだよね?」
「勿論だよ…」
「分かった…じゃあ、もう会わない事にしよう…」
「何で⁉︎」
「だって、一緒に居ると凛の事諦められないから…」
そう言って、微笑むとどこかへ歩いて行ってしまった…

そして、私は泣いた…
分からないけど、気がついたら泣いていた…

目の前には、海斗が居る
「海斗…?何…?」
「バカみたい…それぐらいで泣いて…」
「それぐらいって…」
「…俺が居るじゃん…」
「え?」
「なんかあったら、俺に言えよ…圭人じゃなくても、俺が居るから…」
そう言って、抱きしめてくれた…
私は、ずっと泣いていた…
授業なんて出れるわけ無い

海斗は今日、優しかった
帰りも今日は海斗と帰った

「凛、何でも言えよ…」
私の家の前でそう言って、帰って行った…

次の日の朝
学校に着くといきなり、彼氏が
「ちょっと来て…」
と言って、手を引っ張った…

着くと、そこは海斗のクラスだ
「海斗君…ちょっと良い?」
「あぁ…」

そして私達は体育館倉庫に行った
「海斗君…凛ちゃんは、俺の彼女だから…邪魔しないでください…」
「はぁ、でもさ、俺の幼馴染でもあるし、しょうがないと思うよ」
そう言って、笑う
私は、何も言えない
「でも、凛ちゃんに何かあったら俺が守るから…大丈夫です!」
そう言って、私の手を引き倉庫を出た

でも、その時私は聞いた…
「俺の凛なのに…」という海斗の声を…

その日は、海斗と目が何回か合ったが、海斗も私も悲しそうな顔をするだけで、言葉を交わさなかった…

次の日の朝も圭人も海斗も迎えには来てくれず、一人で行った…
私と海斗が話さなくなって、満足なのだろうか、昨日から彼氏の機嫌が良いのだ…

私は、彼氏も好きだし…
圭人も海斗も好きだし…
とても、複雑な気持ちでその日は過ごした…

でも、私は彼氏も圭人も海斗もみんなで仲良く、話したいのに…

どうして、こうなったのだろうか…
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

ただ今、元彼出現中〜合コン編〜

瀬那
恋愛
美希が合コンに行くと元彼の広樹が居た… 忘れたくても忘れられない日に…

願わくば一輪の花束を

雨宮 瑞樹
恋愛
 影山紅羽(くれは)は、自由のない裕福な暮らしを強いられていた。大学生になると、紅羽は、母の反対を押し切り、塚の自由を求めて海外旅行へ。後藤という男と出会い、プロポーズされる。紅羽は家を出ることを決意した。  家に帰り母へ告げようとするが、拒否。しかし、会食に付き添いいうことを聞いてくれれば、話を聞くという。  その日さえ乗り切れればいいのだと、希望を持つが、その会食は政略結婚の場だった。  紅羽は、耐え切れずその場を飛び出し、そのまま後藤の元へ走ろうとしたのだが、連絡がつかない。騙されたことに気付く。それでも、紅羽は着の身着のままに飛び出す。  お金の持ち合わせはほとんどない中、一人暮らしを始める。カフェのバイトも始めて不自由か暮らしではあるが、心が解放され生き生きとしていく。  そんな中、バイトをしていると怪しい女が現れた。不審に思った紅羽は、その女に声をかけると手には刃物。狙っている相手は、客としてきていた俳優の天野湊。そんな彼の立場など知るよしもない紅羽だが、身を呈して彼を助ける。湊は、そんな紅羽に一目惚れ。恋に奥手で鈍感な紅羽は、そんな彼の思いになかなか気付くことはなく……

〖完結〗幼馴染みの王女様の方が大切な婚約者は要らない。愛してる? もう興味ありません。

藍川みいな
恋愛
婚約者のカイン様は、婚約者の私よりも幼馴染みのクリスティ王女殿下ばかりを優先する。 何度も約束を破られ、彼と過ごせる時間は全くなかった。約束を破る理由はいつだって、「クリスティが……」だ。 同じ学園に通っているのに、私はまるで他人のよう。毎日毎日、二人の仲のいい姿を見せられ、苦しんでいることさえ彼は気付かない。 もうやめる。 カイン様との婚約は解消する。 でもなぜか、別れを告げたのに彼が付きまとってくる。 愛してる? 私はもう、あなたに興味はありません! 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 沢山の感想ありがとうございます。返信出来ず、申し訳ありません。

長い片思い

詩織
恋愛
大好きな上司が結婚。 もう私の想いは届かない。 だから私は…

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

私が愛する王子様は、幼馴染を側妃に迎えるそうです

こことっと
恋愛
それは奇跡のような告白でした。 まさか王子様が、社交会から逃げ出した私を探しだし妃に選んでくれたのです。 幸せな結婚生活を迎え3年、私は幸せなのに不安から逃れられずにいました。 「子供が欲しいの」 「ごめんね。 もう少しだけ待って。 今は仕事が凄く楽しいんだ」 それから間もなく……彼は、彼の幼馴染を側妃に迎えると告げたのです。

皇帝陛下は身ごもった寵姫を再愛する

真木
恋愛
燐砂宮が雪景色に覆われる頃、佳南は紫貴帝の御子を身ごもった。子の未来に不安を抱く佳南だったが、皇帝の溺愛は日に日に増して……。※「燐砂宮の秘めごと」のエピローグですが、単体でも読めます。

【完結】美しい人。

❄️冬は つとめて
恋愛
「あなたが、ウイリアム兄様の婚約者? 」 「わたくし、カミーユと言いますの。ねえ、あなたがウイリアム兄様の婚約者で、間違いないかしら。」 「ねえ、返事は。」 「はい。私、ウイリアム様と婚約しています ナンシー。ナンシー・ヘルシンキ伯爵令嬢です。」 彼女の前に現れたのは、とても美しい人でした。

処理中です...