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本編
しおりを挟む「はる、卒業旅行に温泉に行こう!!」
大学受験も無事終わり
卒業式練習のために登校している途中、顔の整った自慢の幼馴染の侑が僕の顔を覗き込む。
「温泉?行きたい!」
卒業旅行の計画を立てている同級生達を“旅行に行けるくらい仲良い友達なんて侑くらいだしなぁ”と羨ましく思っていたところなので、提案してくれてとてもテンションが上がってしまった。
しかも片想い相手の侑とのお泊まり!!
幼馴染の侑とは家も隣、幼稚園から高校まで同じ。
カッコよくて優しくて賢くて引っ張ってくれるキラキラ王子様と生まれた時から一緒なのに惚れないなんてあり得なくない!?!?
侑はモテモテだけど彼女が出来たとかそういう話は聞いたことない。
だからいつも思わせぶりな態度をされると期待してしまうんだ、今日みたいにね。
とにかく、旅行が楽しみ!!!
しかも高校卒業したら大人扱いらしく、2人きりでのお泊まりもお互いの親は既に了承しているらしい!!
そしてすっかり浮かれてしまった僕は裸を見られては困る事情があることをすっかり忘れていたのだった.....
_________________
「うわ~すごいモクモクしてるな。
温泉の香りがする!」
有名な温泉街に旅行に来た僕たちは圧巻の光景に見惚れている。
「あ、あそこの宿だよ」
「え!?」
侑が指差す先にあるのは映画に出てきそうな程立派な旅館。
「任せて」と言われていたので旅行の計画は侑に任せっぱなしだったんだけど、こんなすごいところの予約を取ってたなんて!!
チェックインをして部屋に向かう。
どこの部屋からでも絶景が楽しめるのが売りだと部屋まで案内してくれた仲居さんが教えてくれた。
昔懐かしの部屋番号が彫られた細長いプラスチックが付いた鍵で部屋を開ける。
「「すごい!!!」」
2人で大興奮!!
だって目の前には山と川と綺麗な街並みがドドーーンと広がっていたのだから!
「はる、夕食まで時間もあるし早速お風呂に入らない?」
「入ろう!!」
部屋についている檜風呂がホカホカ湯気を出してるのを見て急いで裸になる、いや、なろうとした
“やってしまった。。。!!”
どうしてこんな重大なことを忘れていたんだろう。
実は、僕は性器を2つ持っている。
男性器と女性器。
所謂両性具有というものらしいが、他の人の下半身なんて見る機会もないし生理がくるまでは気が付かなかったんだけどね。
男性器の付いている部分が細く三角形になっていてパッと見ても侑は違和感に気づくだろう。
修学旅行の時は個別の小さなお風呂にしてもらったのに...
侑に気持ち悪いって思われたら生きていける気がしない。。。
「はる?どうしたの?」
既に裸になっている侑がこちらを不思議そうに見ている。
線は細いのに程よく筋肉の付いている侑の身体は色気があって男らしくて思わず見惚れてしまったがすぐに自分の状況を思い出す。
「いや、なんでもない」
そうだ、タオルを巻けば良いだけじゃないか!
パパッとタオルを巻きながらパンツを脱いでベランダに向かうと侑が首を傾げた。
「どうしてタオルなんか巻き付けてるの?
ずっと一緒にいるのに今更恥ずかしいことなんてないじゃん」
笑いながら近づいてきて、バッと僕の腰に巻いてあったタオルを取られる。
普段ならこんな強引なことしないのに!!
きっと侑もテンションが上がっていたに違いない。
気付かないでくれ...と願いながら
「じゃ、じゃあ身体洗ってくる!」と背を向けようとしたら、ガッと肩を掴まれた。
.............バレた?
「はる、ちょっといい?」
そういうや否や侑は僕の下半身...女性器に手を這わせてきた。
「ひゃぁ!?」
「なぁにこれ?」
確実にバレてる。
いきなり手を突っ込まれて変な声も出るしバレるしで醜態晒しまくりじゃん...
はる?と名前を呼ばれる。
いっそのこと振り切ってしまえ!
侑なら軽蔑とかしないはず!
「僕、生まれつき女性器男性器も両方付いてるんだ。
でもちゃんとれっきとした男だよ?
両性具有ってやつらしいけどちょっと穴が多いだけ。
僕のこと気持ち悪い?」
一気に言ってからふうっと息を吸って幼馴染の反応を確かめる。
「そうだったんだね。
はるのことなのに気が付かなかったよ」
真顔だ。
真顔の幼馴染はなんだか落胆したような雰囲気醸し出しながら僕の手を握って部屋に戻る。
とりあえず疎遠になるのは回避したようだ。
「気持ち悪いなんて思わない。
むしろ嬉しい」
「そうなのか?」
「うん。因みに生理はくるの?」
「きてる。
本当にちゃんと性器なんだよ。」
「それじゃあお腹痛い日もあっただろうに...
気付かなくてごめんね」
謝ってくるが侑は誤解している。
生理1日目2日目の辛い日に学校が被って一緒に登校すると侑はすぐに「具合悪いの?」って歩く速度を落としてくれるんだ。
生理っていうのは知らなかったかもしれないけどちゃんと気付いてくれてたんだぞ。
「ねぇ、本当にここが女性器なのか確かめてみてもいい?」
「えー???」
さっきまでの暗い雰囲気はどこに行ったのか、爛々と目を輝かせてこっちを見てくる。
最初は拒否したんだけど、どうしてもって食い下がってくるから、渋々シャワーで綺麗にしてから見せることにした。
_______________
「触るね」
壊れ物に触れるかのようにゆっくりと侑の綺麗な指が僕の秘部に添っていきクパァっと開かれる。
「恥ずかしいよ...」
シャワーを浴びている間に侑は布団を広げていたらしい。
その布団の上でM字開脚をして片想いしている幼馴染に性器を触らせているってどんな状況だよっとなんだか虚しくなってきて心を無にしているとふと顔を上げた侑が僕の名前を呼んだ。
「はるはここで自慰するの?」
「ふぁ♡♡」
クチャっと急に指を突っ込まれて思わず声が出てしまった。
「ね、もう濡れ始めてるけど一人でよく弄ったりしてたんだ?」
「しない♡してないもん♡♡」
「本当~?」
トントンとクリトリスを軽く刺激されながらナカを掻き混ぜられて腰が震え始める。
「あッッあぁ...♡♡」
「気持ちいい?
Gスポットもちゃんとあるんだね...」
ある一点を集中的に擦られて足のガクガクが止まらなくなる。
「ねぇはる、見て?
はるがえっちだから僕も我慢できないんだけど」
見て、という言葉が辛うじて聞こえたのでその通りにすると侑の下半身がこれでもかと主張していた。
え、勃起してるの??
自分に欲情したんじゃなくて女性器に反応したんだろうけれどそれでも嬉しくなってしまった。
「ゆう、ぼくのおまんこにゆうのちんちん挿れて...?」
好きな人とセックスできる機会を逃してたまるかと思い切って強請るとゴクリと侑の喉が鳴った。
男で処女って珍しいから好きな人に処女を捧げるとか夢のまた夢だと思っていたけれどまさか叶うなんて...
「痛かったら言ってね」
バッキバキに勃ち上がっている赤黒いソレがゆっくりと秘部の中に沈んでいく。
「んん....ッッ!」
ゆっくりと奥が開かれていく。
ちょっと痛くて涙が滲んできたけれど、それに気付いた侑がチュッチュと目元にキスをたくさん落としてくれた。
ズチュン♡グチュン♡
耳を塞ぎたくなるような淫らな水音を部屋に響かせながら侑はだんだん腰を打ち付けるスピードを早めていく。
「あ゛っ♡♡お゛っ、ん゛んっ!!ひっ♡♡♡ひっ♡♡らめぇええ゛っ♡きっ♡あァ♡き、ち゛ゃうぅ゛う゛ッ!!!!!♡♡♡♡」
「ん....沢山イきな?」
「ゆー♡♡すき、すきぃッ♡♡あッ…イ…くぅうう♡♡イ゛っちゃ゛ッッ~~!?!?」
パァっと快感で目の前が白くなってつま先がピンっと伸びたまま腰を思いっきり反らせて絶頂を迎えた。
「イ、くッッ」
ハクハク息をしているとズルっと昂が抜けて色っぽい掠れた侑の声と共にお腹に熱いものを感じる。
僕たちはほぼ同時にイったらしい。
「ハァーー...♡ハァ....♡」
侑がゴロっと布団に倒れてきて2人で荒い息を整える。
ギュムッと侑に抱かれたまま横になっているのでとても顔が近い。
乱れている侑の色気が直で当たるせいで息は整っても心臓のバクバクはしばらく収まりそうにないな。
「はるのことずっと好きだった。
付き合ってください」
......それ、僕にキスしながら言うこと??
距離感ゼロの告白は生まれてからずっと一緒にいた僕たちらしいな、なんて。
セックスしたら既に付き合ってる気分になって今更告白感も否めないかもしれないけど夢にまで見た侑からの告白に嬉しくて気が付いたら目から涙が。
「嬉しいぃぃ゛
僕もゆうのことずっと好きだったッッ」
「ふふ、泣いてるの?
僕結構普段からアタックしてるつもりだったんだけど、はるは変なところで鈍感だからなぁ。」
どうやら侑は僕の女性器に魅了されたのではなくずっと好いてくれていたらしいその言葉は僕の心を嬉死させた。
でもちゃんと聞き逃さなかったぞ!?
さりげなく侑に“鈍感”だと笑われたのが悔しくて何か言い返そうと口を開いた瞬間、コンコンっとノックがなった。
「夕食をお持ちしました」
あ、ご飯!!
すっかり存在を忘れていた。
広げられた布団を見るだけでお楽しみ中だったのがバレバレに違いない。
アタフタしているとサッと侑がドアまで行って仲居さんに何か話し始めたので今のうちにと適当に布団を部屋の端に追いやる。
「仲居さんが全部セッティングしてくれるって」
侑がいうや否や入ってきた仲居さんが慣れた手つきで端にやっていたテーブルを中央に置き準備が始まった。
ぐちゃぐちゃでごめんなさい....
ぐぅぅ
準備が終わって一人鍋をはじめとする豪勢な料理が所狭しと並べられたテーブルを見ていると思わずお腹が鳴ってしまい侑に笑われる。
仲居さんが部屋から出た後で良かったぁ
「ははっじゃあ食べよっか。
沢山運動もしたしね」
一言余計なんだよ!!!!と突っ込みたかったが美味しそうな匂いに釣られて怒ることも忘れてしまった!
育ち盛りだから仕方ない!
「「いただきます!」」
この日は豪華な和食を美味しく食べて、檜風呂のリベンジをしてからまたセックスして泥のように眠った。
まさかこの旅行で両性具有がバレるとか好きな人とセックスしてしかも両思いだったとか想像もしてなかったよね。
翌日、温泉で疲労回復の湯にいそいそと浸かりにいったのは言うまでもない。
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