凄腕暗殺者は1回目の人生で殺し合った王子様に「どうして私を殺しにこないんだ？」と詰められています

逆転の呪い

むかしむかしあるところに
賢く純粋な心を持つ王子様と同じく賢く純粋な心を持つ公爵家の少女がいました。
2人は一目惚れし、出会ったパーティーを抜け出して庭で話し込むうちにますます互いを好きになりました。
美男美女、将来を約束されたかのようなカップルに周りの人々の心にはひっそりと嫉妬の芽が生えていきました。
純粋な2人は裏切られるなんて思っていません。
2人の結婚式の日、事は起こりました。

叛乱です。

賢かったにも関わらず、純粋さが仇となって追い詰められました。
全てを悟った2人はもう一度人生をやり直したいと、そして今度は必ず貴族達を上手く操り幸せな人生を歩みたいと、そう強く願いながら追っ手にやられる前に互いの心臓にナイフを突き刺しました。

2人の強い想いはその命と引き換えられ呪いとなって叶えられました。

そして誓った通り、賢いだけでなく聡明さを持って生き、時には厳しい判断をしながら歴史に残る素晴らしい国王と王妃となりました。

2人きりになれる時だけ、あの頃のような純粋な気持ちで過ごします。

子供が3人でき、全員心臓の部分に薔薇の花びらの形をしたアザがありました。そして王の胸にもまた、1度目の人生にはなかったアザがありました。

2人は気付きました。

これは逆転の呪いの印であると。

2人はこれまでに起こったことを詳らかに記載し王族のみが観覧できる書庫に入れたのです。その後何百年もの間、何度か王族が好奇心で自らを使った実験をし、その詳細も加えられ現在では発動条件がほとんど明らかになっています。

1:2人のうち1人は胸に薔薇の花びらの形をしたアザがある王族であること

2:相手は王族でなくても良いこと

3:互いに殺し合うこと

4:ナイフを心臓に刺すこと

5:王族が相手を心の底から愛していること

6:どちらかに強い後悔があること



これが逆転の呪い、
人生の逆転を狙う呪いだった