8 / 43
始まりは突然に(レオside)
しおりを挟む
何の変哲もない昼休み、
突如テリトリーに入ってきた彼によってそんな穏やかな時間は終わりを告げた。
とりあえず、
情報の整理も兼ねて一つずつ本人に聞くしかない。
「まず、どうして僕には魅了が効かないって知ってるの?」
ユキルは主人公だ。
彼がこのようにフラットにレオのところに来るシナリオはアニメには無かった気がして、皇室の影もいる事だし流れに任されてみたが一体この状況を誰が予想できようか????
魅了のこと、僕に言っちゃっていいの??
皇室の一員となる為に訓練を受けているから魅了は効かないけどどうして知っているんだろう?
そういうものなのか?
「え?う、う~ん。なんとなく??」
歯切れが悪いな。
戸惑って目がキョロキョロしているユキの様子が可愛くてガン見してしまう。
アニメの世界だと気付いてから一番警戒してきた存在なのに、なんでこんなに可愛いと思ってしまうんだろう?
「じゃあ、ユキは『ハーレムを作ったり人の婚約者を奪ったり』するような予定があるのかな?」
内容が随分具体的だったからね。
魅了の力を悪用、という点では他にも『先生を魅了して成績を上げる』とか『生徒を奴隷のようにこき使う』とか、色々あるのに。
「ないよ!!ないけど、万が一の為。。。
魅了の力を無意識に使っていたら怖いんだ。」
そんなの主人公特性なんだから遠慮なく使っとけばいいのに。
使われたら困るんだけど、断罪に対する準備は進めているから自身の心配より彼の不思議な行動を心配してしまう。
「なるほど。
最後に、ユキの第一人称、本当は“僕”なんでしょ?
別にそのままでいいのにどうして“俺”って言ってるの?」
これは何度も僕、、、って言いかけていたから気づいた。
それにユキルの第一人称は僕だった筈。
「え~...なんか、“僕”ってか弱そうなイメ、、、
あ!違う!!別にレオのことを言ったんじゃないから!!!
ただ、僕のこの見た目に“僕“だとかわい子ぶりすぎだなって思っただけ!!」
僕の第一人称を思い出して慌て始めたのが面白くてつい笑ってしまった。
「分かった、分かったって笑
じゃあ、クラスは違うけど具体的にはどう監視すればいいのかな?」
これはBLアニメには無かった展開だ。
用心しないと、これまで準備してきたものが水の泡になって悪役令息になる可能性だってある。
「普通に友達として仲良くしてほしいだけ。
それで、普段とは違う事をしたり理性を失って明らかにやばかったら殴るなり監禁するなりして止めて欲しい。」
理性を失うって獣じゃあるまいし。。。と笑いそうになったがユキの顔を見て真剣な話なんだと悟った。
「いいよ、分かった。
ユキ、次は食事に専念しよう。
もうすぐ昼休みが終わる。」
驚きの連続な話に夢中で食事の方が疎かになってしまった。
冷め切ったスープを飲みきってまだ食事中のユキの髪の毛を触ってみる。
「髪型、似合ってる」
フワフワ綿飴のような髪型だったアニメのユキルよりこっちの方が何倍も好感が持てるなあ。
「へへ、そう?ありがとう」
あぁ、ちょっと照れながらパンにかぶりついた君を見て確信したよ。
本当のユキルはそんな表情をしない。
ユキも転生者なんだね。
でも君は、何を恐れているの???
___________________
こんがらがりやすくてすみません。
BLアニメ<BLゲーム<この世界です。
ユキルが主人公のBLアニメの世界に入り込んだと思っているレオ。
アニメの世界だと思って奮闘するレオが主人公のゲームに入り込んだと思っているユキル。
舞台は一緒(学園)なんですけど、それぞれの生きていると思い込んでいるストーリーは違うって感じです。
“思い込んでいる”っていうのは、ユキルやレオの世界観のすれ違いも全部ひっくるめてこの一つのストーリーになっているからです。(む、難しい........)
突如テリトリーに入ってきた彼によってそんな穏やかな時間は終わりを告げた。
とりあえず、
情報の整理も兼ねて一つずつ本人に聞くしかない。
「まず、どうして僕には魅了が効かないって知ってるの?」
ユキルは主人公だ。
彼がこのようにフラットにレオのところに来るシナリオはアニメには無かった気がして、皇室の影もいる事だし流れに任されてみたが一体この状況を誰が予想できようか????
魅了のこと、僕に言っちゃっていいの??
皇室の一員となる為に訓練を受けているから魅了は効かないけどどうして知っているんだろう?
そういうものなのか?
「え?う、う~ん。なんとなく??」
歯切れが悪いな。
戸惑って目がキョロキョロしているユキの様子が可愛くてガン見してしまう。
アニメの世界だと気付いてから一番警戒してきた存在なのに、なんでこんなに可愛いと思ってしまうんだろう?
「じゃあ、ユキは『ハーレムを作ったり人の婚約者を奪ったり』するような予定があるのかな?」
内容が随分具体的だったからね。
魅了の力を悪用、という点では他にも『先生を魅了して成績を上げる』とか『生徒を奴隷のようにこき使う』とか、色々あるのに。
「ないよ!!ないけど、万が一の為。。。
魅了の力を無意識に使っていたら怖いんだ。」
そんなの主人公特性なんだから遠慮なく使っとけばいいのに。
使われたら困るんだけど、断罪に対する準備は進めているから自身の心配より彼の不思議な行動を心配してしまう。
「なるほど。
最後に、ユキの第一人称、本当は“僕”なんでしょ?
別にそのままでいいのにどうして“俺”って言ってるの?」
これは何度も僕、、、って言いかけていたから気づいた。
それにユキルの第一人称は僕だった筈。
「え~...なんか、“僕”ってか弱そうなイメ、、、
あ!違う!!別にレオのことを言ったんじゃないから!!!
ただ、僕のこの見た目に“僕“だとかわい子ぶりすぎだなって思っただけ!!」
僕の第一人称を思い出して慌て始めたのが面白くてつい笑ってしまった。
「分かった、分かったって笑
じゃあ、クラスは違うけど具体的にはどう監視すればいいのかな?」
これはBLアニメには無かった展開だ。
用心しないと、これまで準備してきたものが水の泡になって悪役令息になる可能性だってある。
「普通に友達として仲良くしてほしいだけ。
それで、普段とは違う事をしたり理性を失って明らかにやばかったら殴るなり監禁するなりして止めて欲しい。」
理性を失うって獣じゃあるまいし。。。と笑いそうになったがユキの顔を見て真剣な話なんだと悟った。
「いいよ、分かった。
ユキ、次は食事に専念しよう。
もうすぐ昼休みが終わる。」
驚きの連続な話に夢中で食事の方が疎かになってしまった。
冷め切ったスープを飲みきってまだ食事中のユキの髪の毛を触ってみる。
「髪型、似合ってる」
フワフワ綿飴のような髪型だったアニメのユキルよりこっちの方が何倍も好感が持てるなあ。
「へへ、そう?ありがとう」
あぁ、ちょっと照れながらパンにかぶりついた君を見て確信したよ。
本当のユキルはそんな表情をしない。
ユキも転生者なんだね。
でも君は、何を恐れているの???
___________________
こんがらがりやすくてすみません。
BLアニメ<BLゲーム<この世界です。
ユキルが主人公のBLアニメの世界に入り込んだと思っているレオ。
アニメの世界だと思って奮闘するレオが主人公のゲームに入り込んだと思っているユキル。
舞台は一緒(学園)なんですけど、それぞれの生きていると思い込んでいるストーリーは違うって感じです。
“思い込んでいる”っていうのは、ユキルやレオの世界観のすれ違いも全部ひっくるめてこの一つのストーリーになっているからです。(む、難しい........)
17
お気に入りに追加
546
あなたにおすすめの小説
攻略対象5の俺が攻略対象1の婚約者になってました
白兪
BL
前世で妹がプレイしていた乙女ゲーム「君とユニバース」に転生してしまったアース。
攻略対象者ってことはイケメンだし将来も安泰じゃん!と喜ぶが、アースは人気最下位キャラ。あんまりパッとするところがないアースだが、気がついたら王太子の婚約者になっていた…。
なんとか友達に戻ろうとする主人公と離そうとしない激甘王太子の攻防はいかに!?
ゆっくり書き進めていこうと思います。拙い文章ですが最後まで読んでいただけると嬉しいです。
期待外れの後妻だったはずですが、なぜか溺愛されています
ぽんちゃん
BL
病弱な義弟がいじめられている現場を目撃したフラヴィオは、カッとなって手を出していた。
謹慎することになったが、なぜかそれから調子が悪くなり、ベッドの住人に……。
五年ほどで体調が回復したものの、その間にとんでもない噂を流されていた。
剣の腕を磨いていた異母弟ミゲルが、学園の剣術大会で優勝。
加えて筋肉隆々のマッチョになっていたことにより、フラヴィオはさらに屈強な大男だと勘違いされていたのだ。
そしてフラヴィオが殴った相手は、ミゲルが一度も勝てたことのない相手。
次期騎士団長として注目を浴びているため、そんな強者を倒したフラヴィオは、手に負えない野蛮な男だと思われていた。
一方、偽りの噂を耳にした強面公爵の母親。
妻に強さを求める息子にぴったりの相手だと、後妻にならないかと持ちかけていた。
我が子に爵位を継いで欲しいフラヴィオの義母は快諾し、冷遇確定の地へと前妻の子を送り出す。
こうして青春を謳歌することもできず、引きこもりになっていたフラヴィオは、国民から恐れられている戦場の鬼神の後妻として嫁ぐことになるのだが――。
同性婚が当たり前の世界。
女性も登場しますが、恋愛には発展しません。
BLゲームのお助けキャラに転生し壁を満喫していましたが、今回は俺も狙われています。
mana.
BL
目が覚めたらやり込んでいたゲームの世界だった。
…と、いうのが流行っているのは知っていた。
うんうん、俺もハマっていたからね。
でもまさか自分もそうなるとは思わなかったよ。
リーマン腐男子がBLゲームの異世界に転生し、何度も人生をやり直しながら主人公の幼馴染兼お助けキャラとして腐男子の壁生活を漫喫していたが、前回のバッドエンドをきっかけで今回の人生に異変が起きる。
*****************
一気に書き上げた作品なのでツッコミどころ満載ですが、目を瞑ってやって下さいませ。
今回もR18シーンは☆を入れております。
写真は前に撮った写真です。
悪役側のモブになっても推しを拝みたい。【完結】
瑳来
BL
大学生でホストでオタクの如月杏樹はホストの仕事をした帰り道、自分のお客に刺されてしまう。
そして、気がついたら自分の夢中になっていたBLゲームのモブキャラになっていた!
……ま、推しを拝めるからいっか! てな感じで、ほのぼのと生きていこうと心に決めたのであった。
ウィル様のおまけにて完結致しました。
長い間お付き合い頂きありがとうございました!
悪役王子の取り巻きに転生したようですが、破滅は嫌なので全力で足掻いていたら、王子は思いのほか優秀だったようです
魚谷
BL
ジェレミーは自分が転生者であることを思い出す。
ここは、BLマンガ『誓いは星の如くきらめく』の中。
そしてジェレミーは物語の主人公カップルに手を出そうとして破滅する、悪役王子の取り巻き。
このままいけば、王子ともども断罪の未来が待っている。
前世の知識を活かし、破滅確定の未来を回避するため、奮闘する。
※微BL(手を握ったりするくらいで、キス描写はありません)
俺は北国の王子の失脚を狙う悪の側近に転生したらしいが、寒いのは苦手なのでトンズラします
椿谷あずる
BL
ここはとある北の国。綺麗な金髪碧眼のイケメン王子様の側近に転生した俺は、どうやら彼を失脚させようと陰謀を張り巡らせていたらしい……。いやいや一切興味がないし!寒いところ嫌いだし!よし、やめよう!
こうして俺は逃亡することに決めた。
ヘタレな師団長様は麗しの花をひっそり愛でる
野犬 猫兄
BL
本編完結しました。
お読みくださりありがとうございます!
番外編は本編よりも文字数が多くなっていたため、取り下げ中です。
番外編へ戻すか別の話でたてるか検討中。こちらで、また改めてご連絡いたします。
第9回BL小説大賞では、ポイントを入れてくださった皆様、またお読みくださった皆様、どうもありがとうございました_(._.)_
【本編】
ある男を麗しの花と呼び、ひっそりと想いを育てていた。ある時は愛しいあまり心の中で悶え、ある時は不甲斐なさに葛藤したり、愛しい男の姿を見ては明日も頑張ろうと思う、ヘタレ男の牛のような歩み寄りと天然を炸裂させる男に相手も満更でもない様子で進むほのぼの?コメディ話。
ヘタレ真面目タイプの師団長×ツンデレタイプの師団長
2022.10.28ご連絡:2022.10.30に番外編を修正するため下げさせていただきますm(_ _;)m
2022.10.30ご連絡:番外編を引き下げました。
【取り下げ中】
【番外編】は、視点が基本ルーゼウスになります。ジーク×ルーゼ
ルーゼウス・バロル7歳。剣と魔法のある世界、アンシェント王国という小さな国に住んでいた。しかし、ある時召喚という形で、日本の大学生をしていた頃の記憶を思い出してしまう。精霊の愛し子というチートな恩恵も隠していたのに『精霊司令局』という機械音声や、残念なイケメンたちに囲まれながら、アンシェント王国や、隣国のゼネラ帝国も巻き込んで一大騒動に発展していくコメディ?なお話。
※誤字脱字は気づいたらちょこちょこ修正してます。“(. .*)
モフモフになった魔術師はエリート騎士の愛に困惑中
risashy
BL
魔術師団の落ちこぼれ魔術師、ローランド。
任務中にひょんなことからモフモフに変幻し、人間に戻れなくなってしまう。そんなところを騎士団の有望株アルヴィンに拾われ、命拾いしていた。
快適なペット生活を満喫する中、実はアルヴィンが自分を好きだと知る。
アルヴィンから語られる自分への愛に、ローランドは戸惑うものの——?
24000字程度の短編です。
※BL(ボーイズラブ)作品です。
この作品は小説家になろうさんでも公開します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる