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人間×小人
波乱なバレンタイン
しおりを挟む「優榴~!!!今日もあの本の続き読もう~!」
僕たちが出会ってから2年が経った。
最近は優榴が取り寄せてくれた色々な国の観光ガイドブックを見て、旅行に行った気分になりながら妄想するがブームだ。
世界はとっても広くていろんなものがあって面白い。
「良いけどその前にはい、これ」
ニコニコと迎えてくれた彼が小人サイズの小さな箱をくれた。
「何これ?
珍しいね、小人サイズだ。」
「開けてみて」
崩すのが勿体無いけど、茶色のリボンを解いて箱を開けてみる。
中には茶色い塊が3つ入っていた。
「チョコレートだ!!!」
「そう、2月14日はバレンタインっていって親しい人にチョコレートを渡す日なんだよ」
「え、そうなの?僕何も用意してない。。。」
そんな日があるなんて初耳なんだけど。
2年も一緒にいたのに!!!
チョコは前に一回だけ優榴からもらったことがあった。
美味しすぎて
“また食べたい!”
と頼んだら
“また来年ね”
って返されたっけ。
なるほど、その日はきっと2月14日でバレンタインだったんだ。
うわ~!僕のポンコツ!!
「そんなにショックなの?
あとで別の形でこのチョコのお返ししてもらうから大丈夫だよ」
「チョコじゃなくて良いの?」
「甘ければなんでも良いんだよ。
それよりなぎさ、食べてみてよ」
そう言われて3つあるうちの一つを手に取った。
ハート型で表面がピカピカしてて可愛いなぁ
パクッッ
「おいし~!!」
喉にくる甘さ!!!
去年より甘い気がする!!
美味しい!!!
そうしてチョコレートの方に夢中になっていると、なんだか胃がムカムカしてくる感じがした。
朝食食べずにいきなりお菓子を食べたから胃をびっくりさせちゃったのかな?
段々体全体がむずむずしてきて思わず咳き込んでしまう。
「ゲホッゲホッ!はぁ、、、」
ようやく落ち着いて顔を上げる。
まだクラクラしていて上手く焦点を合わせられない。
ん~?なんか優榴小さくなってない?
立っている僕よりも頬杖つきながら椅子に座っている優榴の方が小さい。
頭の中がハテナでいっぱいになっていると、優榴が立ち上がって僕のところにきた。
「なんで目の前に優榴が???」
いつも見上げなければ見えないキラキラ輝く顔が今は僕とほぼ同じ位置にある。
ちょっと優榴の方が高いけど。
かっこいいな。。。
口角がいつもより上がっていて機嫌が良いみたいだ。
そのままボーと見つめていると
段々顔が近づいてきて
気が付いたら唇に柔らかい感触が。
ちゅっと軽い音が鳴って彼にキスされたんだと気付いた。
そう、気付いた。
ん????
きす.......???
「甘いね。チョコの味だ」
...........えぇぇぇぇぇぇぇぇぇッッ!?!?!?!?
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