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【秋の詩アンソロジー②】紅葉が泣いている~古都の秋に想ふ~ フォトダイアリー
日本の時代劇を愛するラビ村が韓国時代劇にハマった理由~情感たっぷりorノリの良いスピード展開か?
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☆ 「紅葉が泣いている~古都の秋に想ふ~」
赤児の手のひらのようなもみじが
宙(くう)を舞っている
はらはら はらはら
音もなく静かに土に降り積もる小さな葉たちは
鮮やかに色づき 永久(とこしえ)の眠りにつく
いつだったか
もみじが真っ赤に紅葉するのは
血の涙を流しているからだと聞いたことがある
調べてみたら 本当に血液型があるとか何とか
嘘か本当かは知れない
まだ大学に通うためにに京都にいた時代
誰かが話していた
その話を聞いて数日後
清水寺まで出掛けた
折しも季節は紅葉(こうよう)たけなわの季節
色づいたもみじの葉が空も見えないほどびっしりと重なり合い
涯(はて)のない秋の蒼穹に映えていた
壮絶なまでの美しさに
一瞬 心がふるえた
ー紅葉(もみじ)が泣いている
ひそやかな秋の大気に耳を澄ませば
紅葉の慟哭が確かに聞こえる
血の涙を流してまで
紅葉よ
あなたは何故そんなに哀しげに身を揉んで泣くのか
何があなたをそこまで哀しませるのかー
その日は観光シーズン真っただ中の秋の盛りで
あまたの観光客で広い御寺の境内はごった返していた
もみじの慟哭を聞いたひと刹那
周りの騒音はふつりとかき消え
私はただ彼女たちの泣き声だけを聞いた
ぼんやりと立ち尽くしていた私の肩に
通りすがりの誰かがぶつかっていった
謝ろうと慌てて振り返っても
カメラを担いだ中年男性はとっくに遠ざかっていた
図らずも 止まっていた周囲の刻(とき)が再びゆっくりと動き出す
何故か その日は境内をあちこち見て回る気にもなれず
入り口のもみじを見たきりで引き返した
御寺から続く三年坂と呼ばれる長い坂道を辿りながら
考え込む
「彼女」らの嘆きの理由は何なのだろう
古都で過ごした想い出多き青春時代は遠く過ぎ去り
あれから気の遠くなるような幾年月を重ねた今でも
応えは見つかっていない
我が家の庭のもみじは今
かつてないほど美しく染め上がっている
はらはら はらはら
今日も 小さな葉たちが宙を舞う
ただ ひととき燃えるような情熱の色に我が身を染め
潔く散ってゆくもみじ
己れの運命(さだめ)の儚さに自ら涙しているのか
はらはら はらり
ひとひらの色づいた葉が眼の前をよぎって
地面に舞い降りた
画像はイメージです。作者の撮影したものではありません。
赤児の手のひらのようなもみじが
宙(くう)を舞っている
はらはら はらはら
音もなく静かに土に降り積もる小さな葉たちは
鮮やかに色づき 永久(とこしえ)の眠りにつく
いつだったか
もみじが真っ赤に紅葉するのは
血の涙を流しているからだと聞いたことがある
調べてみたら 本当に血液型があるとか何とか
嘘か本当かは知れない
まだ大学に通うためにに京都にいた時代
誰かが話していた
その話を聞いて数日後
清水寺まで出掛けた
折しも季節は紅葉(こうよう)たけなわの季節
色づいたもみじの葉が空も見えないほどびっしりと重なり合い
涯(はて)のない秋の蒼穹に映えていた
壮絶なまでの美しさに
一瞬 心がふるえた
ー紅葉(もみじ)が泣いている
ひそやかな秋の大気に耳を澄ませば
紅葉の慟哭が確かに聞こえる
血の涙を流してまで
紅葉よ
あなたは何故そんなに哀しげに身を揉んで泣くのか
何があなたをそこまで哀しませるのかー
その日は観光シーズン真っただ中の秋の盛りで
あまたの観光客で広い御寺の境内はごった返していた
もみじの慟哭を聞いたひと刹那
周りの騒音はふつりとかき消え
私はただ彼女たちの泣き声だけを聞いた
ぼんやりと立ち尽くしていた私の肩に
通りすがりの誰かがぶつかっていった
謝ろうと慌てて振り返っても
カメラを担いだ中年男性はとっくに遠ざかっていた
図らずも 止まっていた周囲の刻(とき)が再びゆっくりと動き出す
何故か その日は境内をあちこち見て回る気にもなれず
入り口のもみじを見たきりで引き返した
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考え込む
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はらはら はらはら
今日も 小さな葉たちが宙を舞う
ただ ひととき燃えるような情熱の色に我が身を染め
潔く散ってゆくもみじ
己れの運命(さだめ)の儚さに自ら涙しているのか
はらはら はらり
ひとひらの色づいた葉が眼の前をよぎって
地面に舞い降りた
画像はイメージです。作者の撮影したものではありません。
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