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第6章<巨大スライム>
7、分裂
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ラルフ隊長は、騎士達の前に立つと、雄々しく声を上げた。
「皆、遅れてすまない。これより巨大スライム討伐に赴く。敵は攻撃してこないが、くれぐれも油断しないように。各々為すべきことをせよ。それでは出発」
ラルフ隊長を先頭に、騎士達は移動する。
ルシウスも同じく移動しようと横を向いた瞬間、私は、ルシウスの左頬が赤く晴れ上がっていることに気づいた。
もしかして、私の現状を知ったラルフ隊長がルシウスを殴ったのだろうか⋯⋯。
ルシウスが、私を嫌がらせをしたという確たる証拠は何もないけれど、やはりルシウスだったのだろうか。
私がじっとルシウスを見つめていると、それを遮るようにセイフィード様が私の前に立った。
「アンナ、行くぞ」
「はっ、はい」
今度はセイフィード様が私の手を取り、一緒に外まで歩いた。
でも、すぐ横には、ゾフィー兄様がいる。
なんとなく、気まずい雰囲気。
私はその雰囲気を変えようと、セイフィード様に話しかけた。
「あの、巨大スライムを倒す作戦って、どんなのですか?」
「あぁ、蒸発させるんだよ。巨大な魔法を使ってな。そういえば、アンナ、ウー様のお守りはちゃんと持ってきたか?」
「はい。セイフィード様。ちゃんと持ってきました、大丈夫です」
「それで、今日で終わりそうですか?」
「あぁ、終わらせる」
外に出て、私は馬車に乗り、セイフィード様とゾフィー兄様は馬にそれぞれ乗る。
昨日と同じように、私達は城壁を潜り、巨大スライムに近づいた。
相変わらず、巨大スライムは、“スミレ~、スミレ~” と叫んでいる。
セイフィード様と魔法騎士達は、巨大スライムをぐるりと取り囲み、等間隔の位置につく。
ラルフ隊長やゾフィー兄様は、セイフィード様の近くにいて、騎士達に何か指示を出している。
私も馬車から降り、討伐部隊の後方に待機した。
そして、私のポケットの中にある、ウー様から頂いたお守りを強く握りしめる。
しかし、なぜかルシウスも、私と同じ後方にいる。
どうやら前衛部隊から外されたようだ。
後方にはルシウス以外にも騎士が数名いるので、不安はない。
それでも、ルシウスが私の視界に入る度に、私の心がざわついた。
騎士達の動きが止まり、ラルフ隊長へと視線が集まった。
それを確認したラルフ隊長は、手を掲げる。
同時に大きな声で号令をかけた。
「始め!」
号令とともに、セイフィード様と魔法騎士は地面に手を起き、呪文を唱える。
魔法騎士各々、手を中心に魔法陣が浮かび上がり、その円の中心から一直線にセイフィード様が作り出した魔法陣へと線が繋がる。
それを受け、セイフィード様が作り出した魔法陣は、段々と大きくなり、他の魔法騎士達が作り出した魔法陣を飲み込む。
最後には、その魔法陣は巨大スライムと同じ大きさになった。
またその魔法陣は巨大スライムの下の面に接している。
そしてその魔法陣が赤く光ると、巨大な炎が吹き出した。
炎の勢いは凄まじかったが、私はその熱さを全く感じなかった。
私より近くにいる騎士達も同様、熱さを感じていないようだ。
また、その炎はお湯を沸かすように、巨大スライムを煮立たせる。
巨大スライムは苦しそうに、雄叫びを上げた。
どうやら巨大スライムは自身の重みで、身動きが全く取れず、もがき苦しんでいる。
私は、それが、まるで火あぶりの刑のように思えた。
あの変人は、火あぶりの刑に処されている。
私を殺し、多くの人を悲しみの底に突き落とした変人⋯⋯、火あぶりの刑に処されて当然の報いだ。
しばらくすると、巨大スライムから、蒸発した湯気が大量に吹き出した。
それに伴い、巨大スライムは徐々に小さく萎んでいく。
萎んでいくスピードは思いのほか早く、2時間程で10分の1の大きさになった。
また、蒸発した湯気は、後方にいる魔法騎士が風魔法で吹き飛ばしている。
何もしていないのは、私とルシウスだけ。
私の視線を感じたのか、ルシウスは私を横目で睨んできた。
最悪なことに、ルシウスは騎士に気付かれないようにジリジリと私に近づき、声を発した。
「パン、うまかっただろう? お前のために、ふさわしいパンを選んでやったんだ。感謝しろ」
こんな時に、こんなくだらないこと言うルシウスって、馬鹿なんじゃないだろうか。
でも、やっぱり私に嫌がらせしていたのは、ルシウスだったんだ。
私はルシウスの言葉を無視し、巨大スライムの方を見つめた。
「無視すんなよ。お前、御神託を受けたらしいが、そんなの嘘だろ。魔力がないお前なんかに、誰が御神託するもんか」
だから、どうして御神託を受けたことになっているんだろう。
私は、そもそも、そんなこと言ってないのに、話が大げさになっている。
⋯⋯まぁ、酔っててあまり覚えてないけど。
私は顔を背け、無視し続けた。
「おい、なんか言い返したらどうだ? 俺が怖いか?」
「もう、ほんと煩い。なんなの、なんでそこまで私に付きまとうわけ? いい加減にして」
最後まで無視出来ず、ついルシウスに対抗して言い返してしまった。
それもタメ口で⋯⋯。
私もやっぱり馬鹿だ。
「魔力がないくせに、偉そうなのが許せないんだよ」
「私が、いつ偉そうにしたのよっ。それに、私に魔力がないことは、あんたに関係ないじゃない」
「関係あるさ。魔力がないくせに、俺に楯突いたりしたじゃないか」
「あんたが、突っかかってくるからじゃない。私のことは、もう、本当にほっといて」
「俺だって、お前なんかと関わりたくないさ。それなのに、いつもお前は俺の癇に障る」
私とルシウスの言い争いがヒートアップした時、騎士の1人が近づいてきた。
それを察知したルシウスは私と騎士を避け離れた。
「大丈夫ですか? アンナ様」
騎士が気遣い、私に声をかけてくれた。
「はい。大丈夫です。気遣って頂き、ありがとうございます」
私は再度、巨大スライムの方を見た。
すると、巨大スライムは、かなり小さくなり、私の5倍くらいの大きさになっていた。
あと、もう少しで、あの変人はこの世界から姿を消す。
早く消えてなくなれっと、私が強く願った時、突如、スライムが2つに分裂し、その分裂した1つが私のいる後方へ飛んできた。
そしてその分裂したスライムが、大きな円を描きながら飛んでくる瞬間、なぜか、私の頭の中を物理と数学の数式が巡った。
角度、速度、風速、風向き、重量などを勘で計測し、落下地点を導き出す。
その導き出された答えは、ルシウスがいる場所だ。
このままスライムが落下すれば、ルシウスにぶつかる。
しかしルシウスはそっぽを向き、それに全然気づいていない。
今なら、ルシウスを横に押し出せば、スライムを避けられる。
もちろん、私も同時に横へ逃げる。
咄嗟のことで私は深く考えず、体を動かした。
だが⋯⋯、私は、私が運動不足、尚且つ、運動音痴だということを、すっかり計算に入れていなかった。
私が、思っ切り両手でルシウスを押し出した際、私の足がもつれ、その勢いのまま、私は倒れ込む。
顔が地面にぶつかるっと思った時、私の腕輪が光り輝き、私の体をバリアが囲んだ。
そのおかげで、私は、怪我をせず、倒れ込んだ衝撃も受けず、無事だった。
ルシウスは、突然のことに驚きつつも、すぐにスライムの飛来に気づき、さらに横へと逃げる。
倒れた私を助けずに⋯⋯。
私も急いで立ち上がり、逃げようとしたが、遅かった。
「アンナーー!」
セイフィード様が私の名前を叫び、それが私の耳に届くと同時に、スライムが私の上に落ちてきた。
スライムが私に覆い被さり、目の前が真っ暗になる。
私はそのショックで気を失ってしまった。
「皆、遅れてすまない。これより巨大スライム討伐に赴く。敵は攻撃してこないが、くれぐれも油断しないように。各々為すべきことをせよ。それでは出発」
ラルフ隊長を先頭に、騎士達は移動する。
ルシウスも同じく移動しようと横を向いた瞬間、私は、ルシウスの左頬が赤く晴れ上がっていることに気づいた。
もしかして、私の現状を知ったラルフ隊長がルシウスを殴ったのだろうか⋯⋯。
ルシウスが、私を嫌がらせをしたという確たる証拠は何もないけれど、やはりルシウスだったのだろうか。
私がじっとルシウスを見つめていると、それを遮るようにセイフィード様が私の前に立った。
「アンナ、行くぞ」
「はっ、はい」
今度はセイフィード様が私の手を取り、一緒に外まで歩いた。
でも、すぐ横には、ゾフィー兄様がいる。
なんとなく、気まずい雰囲気。
私はその雰囲気を変えようと、セイフィード様に話しかけた。
「あの、巨大スライムを倒す作戦って、どんなのですか?」
「あぁ、蒸発させるんだよ。巨大な魔法を使ってな。そういえば、アンナ、ウー様のお守りはちゃんと持ってきたか?」
「はい。セイフィード様。ちゃんと持ってきました、大丈夫です」
「それで、今日で終わりそうですか?」
「あぁ、終わらせる」
外に出て、私は馬車に乗り、セイフィード様とゾフィー兄様は馬にそれぞれ乗る。
昨日と同じように、私達は城壁を潜り、巨大スライムに近づいた。
相変わらず、巨大スライムは、“スミレ~、スミレ~” と叫んでいる。
セイフィード様と魔法騎士達は、巨大スライムをぐるりと取り囲み、等間隔の位置につく。
ラルフ隊長やゾフィー兄様は、セイフィード様の近くにいて、騎士達に何か指示を出している。
私も馬車から降り、討伐部隊の後方に待機した。
そして、私のポケットの中にある、ウー様から頂いたお守りを強く握りしめる。
しかし、なぜかルシウスも、私と同じ後方にいる。
どうやら前衛部隊から外されたようだ。
後方にはルシウス以外にも騎士が数名いるので、不安はない。
それでも、ルシウスが私の視界に入る度に、私の心がざわついた。
騎士達の動きが止まり、ラルフ隊長へと視線が集まった。
それを確認したラルフ隊長は、手を掲げる。
同時に大きな声で号令をかけた。
「始め!」
号令とともに、セイフィード様と魔法騎士は地面に手を起き、呪文を唱える。
魔法騎士各々、手を中心に魔法陣が浮かび上がり、その円の中心から一直線にセイフィード様が作り出した魔法陣へと線が繋がる。
それを受け、セイフィード様が作り出した魔法陣は、段々と大きくなり、他の魔法騎士達が作り出した魔法陣を飲み込む。
最後には、その魔法陣は巨大スライムと同じ大きさになった。
またその魔法陣は巨大スライムの下の面に接している。
そしてその魔法陣が赤く光ると、巨大な炎が吹き出した。
炎の勢いは凄まじかったが、私はその熱さを全く感じなかった。
私より近くにいる騎士達も同様、熱さを感じていないようだ。
また、その炎はお湯を沸かすように、巨大スライムを煮立たせる。
巨大スライムは苦しそうに、雄叫びを上げた。
どうやら巨大スライムは自身の重みで、身動きが全く取れず、もがき苦しんでいる。
私は、それが、まるで火あぶりの刑のように思えた。
あの変人は、火あぶりの刑に処されている。
私を殺し、多くの人を悲しみの底に突き落とした変人⋯⋯、火あぶりの刑に処されて当然の報いだ。
しばらくすると、巨大スライムから、蒸発した湯気が大量に吹き出した。
それに伴い、巨大スライムは徐々に小さく萎んでいく。
萎んでいくスピードは思いのほか早く、2時間程で10分の1の大きさになった。
また、蒸発した湯気は、後方にいる魔法騎士が風魔法で吹き飛ばしている。
何もしていないのは、私とルシウスだけ。
私の視線を感じたのか、ルシウスは私を横目で睨んできた。
最悪なことに、ルシウスは騎士に気付かれないようにジリジリと私に近づき、声を発した。
「パン、うまかっただろう? お前のために、ふさわしいパンを選んでやったんだ。感謝しろ」
こんな時に、こんなくだらないこと言うルシウスって、馬鹿なんじゃないだろうか。
でも、やっぱり私に嫌がらせしていたのは、ルシウスだったんだ。
私はルシウスの言葉を無視し、巨大スライムの方を見つめた。
「無視すんなよ。お前、御神託を受けたらしいが、そんなの嘘だろ。魔力がないお前なんかに、誰が御神託するもんか」
だから、どうして御神託を受けたことになっているんだろう。
私は、そもそも、そんなこと言ってないのに、話が大げさになっている。
⋯⋯まぁ、酔っててあまり覚えてないけど。
私は顔を背け、無視し続けた。
「おい、なんか言い返したらどうだ? 俺が怖いか?」
「もう、ほんと煩い。なんなの、なんでそこまで私に付きまとうわけ? いい加減にして」
最後まで無視出来ず、ついルシウスに対抗して言い返してしまった。
それもタメ口で⋯⋯。
私もやっぱり馬鹿だ。
「魔力がないくせに、偉そうなのが許せないんだよ」
「私が、いつ偉そうにしたのよっ。それに、私に魔力がないことは、あんたに関係ないじゃない」
「関係あるさ。魔力がないくせに、俺に楯突いたりしたじゃないか」
「あんたが、突っかかってくるからじゃない。私のことは、もう、本当にほっといて」
「俺だって、お前なんかと関わりたくないさ。それなのに、いつもお前は俺の癇に障る」
私とルシウスの言い争いがヒートアップした時、騎士の1人が近づいてきた。
それを察知したルシウスは私と騎士を避け離れた。
「大丈夫ですか? アンナ様」
騎士が気遣い、私に声をかけてくれた。
「はい。大丈夫です。気遣って頂き、ありがとうございます」
私は再度、巨大スライムの方を見た。
すると、巨大スライムは、かなり小さくなり、私の5倍くらいの大きさになっていた。
あと、もう少しで、あの変人はこの世界から姿を消す。
早く消えてなくなれっと、私が強く願った時、突如、スライムが2つに分裂し、その分裂した1つが私のいる後方へ飛んできた。
そしてその分裂したスライムが、大きな円を描きながら飛んでくる瞬間、なぜか、私の頭の中を物理と数学の数式が巡った。
角度、速度、風速、風向き、重量などを勘で計測し、落下地点を導き出す。
その導き出された答えは、ルシウスがいる場所だ。
このままスライムが落下すれば、ルシウスにぶつかる。
しかしルシウスはそっぽを向き、それに全然気づいていない。
今なら、ルシウスを横に押し出せば、スライムを避けられる。
もちろん、私も同時に横へ逃げる。
咄嗟のことで私は深く考えず、体を動かした。
だが⋯⋯、私は、私が運動不足、尚且つ、運動音痴だということを、すっかり計算に入れていなかった。
私が、思っ切り両手でルシウスを押し出した際、私の足がもつれ、その勢いのまま、私は倒れ込む。
顔が地面にぶつかるっと思った時、私の腕輪が光り輝き、私の体をバリアが囲んだ。
そのおかげで、私は、怪我をせず、倒れ込んだ衝撃も受けず、無事だった。
ルシウスは、突然のことに驚きつつも、すぐにスライムの飛来に気づき、さらに横へと逃げる。
倒れた私を助けずに⋯⋯。
私も急いで立ち上がり、逃げようとしたが、遅かった。
「アンナーー!」
セイフィード様が私の名前を叫び、それが私の耳に届くと同時に、スライムが私の上に落ちてきた。
スライムが私に覆い被さり、目の前が真っ暗になる。
私はそのショックで気を失ってしまった。
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