異世界大使館はじめます

あかべこ

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6.5:大使館の小さい秋

6.5-後

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なんとなく庭に出たらデカいのがもぞもぞしている。
1.5メートルはありそうなデカいのが庭先をもぞもぞしているのでしばらく動けずにいたら、ふいに視線がかみ合った。これは嘉神の飼ってるジョンだ。
「お前デカくなったな」
「ぬー?」
本当にこいつはアルマジロなんだろうかと真剣に悩む大きさである。アルマジロってこんなに大きいのか?
そう言えば夏に出した検査の回答がまだ来ていないがあれはいつ来るのだろうか。
「何してるんですか」
「嘉神、本当にジョンはアルマジロなのか?」
「今月届いた中間報告書お渡ししてないですもんね」
嘉神が口にしたその書類には身に覚えがない、恐らく運搬係になってる納村が飼い主である嘉神に直接得渡したのだろう。
しかしその様子だと本当にジョンはアルマジロでなく別の生き物だったんだろうか?
「あくまで中間報告で確定ではないんですけど、ジョンはアルマジロよりもグリプトドンに近い生き物じゃないかって報告がありました」
「グリプトドン」
全く知らない生き物の名前が出てきたのでおうむ返しで答える。
「地球上ではすでに絶滅してるそうです」
「こいつ絶滅種だったのか」
「推定ですけどね。それで相談なんですけど、ジョンは最悪の場合4メートルを超える可能性があるのでジョンを飼育するスペースを別で用意したいんですが」
「もっとデカくなるのかこいつ……」
4メートルのアルマジロがのしのしと大使館の庭を歩くのを想像すると若干の恐怖すら感じるので、人間と同じぐらいの大きさにして欲しいところである。
「飼育スペースに土地を買うとかするのか?」
「それも検討してます」
一体4メートルの生き物を買うにはどれぐらいの土地がいるのか、想像もつかない。
しかしジョンが雑草や野菜の皮などを食べてくれるので生ごみ処理もだいぶ楽をしてるのも事実なので、定期的に来てもらって雑草駆除をして貰ってもいいかもしれない。
「大使館での飼育が無理だと判断したら個人で土地を買う事になりそうだな、それと帰国後の事も考えたほうがいいぞ」
「わかりました」
ジョンとのんびり散歩する嘉神と別れて自分の部屋に戻る。
……出来るならジョンはもうこれ以上大きくならないで欲しいところである。
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