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マリーのお城⑨
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「その英霊は、どんな手を使ってでも人間を殺したい訳でしょ?だから、彼の出身がどんな時代だろうと関係ない」
拠点の説明をしてくれるマリーの表情は固く、真剣そのものだ。
「拠点の主が超古代出身の英霊だったとする。人間の殺戮に特化した、現代兵器も大量に搭載した拠点か……現代兵器でも太刀打ち出来ない古代兵器が出来上がるわ」
例えば、マリーの時代で言えば、大砲。
もしマリーが「殺戮」に重きを置いて拠点に設置するとしたら、その球は遥か上空を高速で飛ぶ戦闘機にだって命中し大破するだろう……とのことだ。
俺は反射的に息を飲み込む。
マリーはそんな俺の様子を見ながら、大砲なんて無粋なものはわたしの城には要らないけどね、と笑った。
大砲の話をするマリーの表情は、少しだけ悲しそうで、怯えが含まれているように見えた。
「でもね?だからこそ。人間を殺す為の拠点では、人間を癒す装備を搭載することは出来ないの。例え、あんたとあたしみたいに人間と英霊が手を結んで……英霊が、人間側を癒すための設備を作りたいと願ったとしても、「殺戮を行うのみの拠点」と制約を立ててしまった以上はその反対である「癒す」設備はおけないのよ」
「そうなのか。厳しいのだな……」
俺の言葉に、重々しく頷くマリー。
彼女は、ゆっくりとその薔薇色の唇を開いた。
「そうよ。制約は約束……謂わば、拠点と自分の魂とが結ぶ誓いなの」
拠点の説明をしてくれるマリーの表情は固く、真剣そのものだ。
「拠点の主が超古代出身の英霊だったとする。人間の殺戮に特化した、現代兵器も大量に搭載した拠点か……現代兵器でも太刀打ち出来ない古代兵器が出来上がるわ」
例えば、マリーの時代で言えば、大砲。
もしマリーが「殺戮」に重きを置いて拠点に設置するとしたら、その球は遥か上空を高速で飛ぶ戦闘機にだって命中し大破するだろう……とのことだ。
俺は反射的に息を飲み込む。
マリーはそんな俺の様子を見ながら、大砲なんて無粋なものはわたしの城には要らないけどね、と笑った。
大砲の話をするマリーの表情は、少しだけ悲しそうで、怯えが含まれているように見えた。
「でもね?だからこそ。人間を殺す為の拠点では、人間を癒す装備を搭載することは出来ないの。例え、あんたとあたしみたいに人間と英霊が手を結んで……英霊が、人間側を癒すための設備を作りたいと願ったとしても、「殺戮を行うのみの拠点」と制約を立ててしまった以上はその反対である「癒す」設備はおけないのよ」
「そうなのか。厳しいのだな……」
俺の言葉に、重々しく頷くマリー。
彼女は、ゆっくりとその薔薇色の唇を開いた。
「そうよ。制約は約束……謂わば、拠点と自分の魂とが結ぶ誓いなの」
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