転生悪役令嬢は双子執事を護りたい～フィギュア原型師は推しの為なら異世界生活も苦じゃありません！～

私のスキル②

驚いている私や両親の目の前で、まるで繭の様に少年の肉体と魂をすっぽりと包み込んでしまう眩く輝くリボン。

すると、リボンが完全に包み込むと同時、今までにない程の眩さで輝き始める。

その輝きに、思わず目を閉じる私や家族。

そうして、光が漸くおさまった頃、私が目を開けてみるとーーそこには、すっかりと回復し、傷ひとつない体に戻った少年が横たわっていた。

彼の肉体の上で輝く魂の方も、すっかり欠けはなくなり、あのリボンの様に眩くキラキラと輝いている。

（これは……一体、何が起きたの……？）

私は、自分でしてしまったことの意味がわからず、自分の手と少年を何度も見比べた。

と、不意に目の前の景色がーー人々が動きを止める。

（な、何が起こっているの……？！）

私が慌てて周囲を見回してみると……空から、輝く美しい羽を持った人間が目の前に舞い降りてきた。

太陽の様に輝く長い金髪と、空の様に澄んだ青い瞳の美しい青年だ。

彼は私をじっと見つめると、柔らかく微笑みながらこう告げる。

「異世界より来たりし者よ……。私は、君が現れるのをずっと待っていた。百年、ずっと……」