コウカイ列車に乗って

天咲 琴葉

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過去⑧

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僕の記憶している通りなら、この後ーーリーダー格の男子に脅された幼い凛子によって、茉里は僕の代わりにぶたれてしまうのである。

それに激昂した幼かった僕はリーダー格の男子を思い切り殴った。

そこから、激しい取っ組み合いの喧嘩になる僕とリーダー格の男子。

組み合いながらも転がっていた僕らは、屋上のフェンスに激突する。

その時、リーダー格の男子がーーフェンスにぶつかり目を回していた僕の胸ぐらを掴んできた。

そして、そのまま……僕を屋上から落とそうとしてきたのである。

が、あわや!というその瞬間、僕の体をあたたかくて柔らかいものが包み込む。

「危ない!開斗!」

駆け寄ってきた茉里が、落下する僕を、まるで庇う様に抱きしめてくれたのだ。

こうして、そのまま――共に屋上から落下してしまった僕と茉里。

幸い、僕達が落下したのは2階の突き出した部分ーーバルコニー部分にある、ミニ菜園だった為、命に別状はなかったけれど。

頭を強く打ってしまった僕は、昏睡状態となり、そこまでの記憶を失ってしまったのである。
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