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過去⑥
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最初は、理科の授業で育てていた姫林檎の植木鉢の破壊から始まった。
僕達は理科の授業の一環で、一人一人が姫林檎の木を育て、観察日記をつけていたのだがーーある日、朝学校に着いてみると、茉里の姫林檎の植木鉢が床に叩きつけられ、無残に割られていたのである。
勿論、やった奴らに想像はついた。
だが、証拠はない。
(それに、これは巻き込んでしまった僕の責任だ)
僕は、自ら申し出て、先生に許可を貰い、僕の姫林檎の観察日記を茉里と共につけることにした。
「植物はね、名前を呼んであげたり、音楽を聴かせてあげると良いんだって」
自分の植木鉢はダメにされてしまったというのに、辛い表情は全く見せず、僕に微笑みながらそう話しかける茉里。
それからの茉里は、僕の姫林檎に「姫ちゃん」という名前をつけ、とても可愛がってくれた。
家庭科の授業でぬいぐるみを作る際には、茉里が用意した布地が全てズタズタに切り裂かれていたこともある。
けれど、その時は僕が持ってきた布で一緒にぬいぐるみを作った。
茉里が作ったのは、茶トラの可愛らしい猫のぬいぐるみで、茉里は『にゃん太』と名前をつけ、可愛がっていた。
僕達は理科の授業の一環で、一人一人が姫林檎の木を育て、観察日記をつけていたのだがーーある日、朝学校に着いてみると、茉里の姫林檎の植木鉢が床に叩きつけられ、無残に割られていたのである。
勿論、やった奴らに想像はついた。
だが、証拠はない。
(それに、これは巻き込んでしまった僕の責任だ)
僕は、自ら申し出て、先生に許可を貰い、僕の姫林檎の観察日記を茉里と共につけることにした。
「植物はね、名前を呼んであげたり、音楽を聴かせてあげると良いんだって」
自分の植木鉢はダメにされてしまったというのに、辛い表情は全く見せず、僕に微笑みながらそう話しかける茉里。
それからの茉里は、僕の姫林檎に「姫ちゃん」という名前をつけ、とても可愛がってくれた。
家庭科の授業でぬいぐるみを作る際には、茉里が用意した布地が全てズタズタに切り裂かれていたこともある。
けれど、その時は僕が持ってきた布で一緒にぬいぐるみを作った。
茉里が作ったのは、茶トラの可愛らしい猫のぬいぐるみで、茉里は『にゃん太』と名前をつけ、可愛がっていた。
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