コウカイ列車に乗って

天咲 琴葉

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過去③

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ーーもう、2度と僕達は幼馴染に戻れないのか?

そう、幼馴染に戻れなくなってしまうことがーー今までみたいに一緒に笑い合うことが出来なくなってしまうことが怖くて、臆病な僕は、凛子の一世一代の告白を断ってしまったのだ。

「……本当にごめん。僕にとって、凛子は茉里と同じくらい大切な幼馴染なんだ。だから、恋人にはなれない」

どうしても、この関係を壊すのが怖くて、僕は凛子にそう告げた。

瞬間、凛子の瞳から止めどなく溢れる涙。

彼女はそれを拭うこともせず、それでも明るく笑って見せた。

「……そっか!ん、そうだよね!変なこと言ってごめん!忘れて!」

鈍感でバカな僕にだってわかる、明らかに無理をした凛子の笑顔。

けれど僕は、凛子が傷ついているのに気付いていないふりをした。

そのまま、泣きながら屋上から立ち去る凛子。

ーーただ、この時の僕は、まだ知る由もなかった。

凛子との会話を、他のクラスメイト達に聞かれていたなんて。
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