コウカイ列車に乗って

過去②

けれど、僕達のーーいや、『僕』の幸せだった時間は、唐突に終わりを迎える。

あれは、僕達が小学5年生になった年の春。

僕は突然、バレンタインに学校の屋上に呼び出され、凛子から告白されたのだ。

「開斗。ずっと好きだったんだよ？きっと、気付いてなかったよね。でも、私……ずっとずっと昔から、開斗が好きだったんだ。もう、ただの幼馴染じゃ嫌なんだよ」

大きな瞳に涙を溜め、精一杯の勇気を出して、僕にそう告白してくれた凛子。

その頬は極度の緊張により、薔薇の様に真っ赤に染まっていた。

正直、嬉しくなかったと言えば嘘になる。

でも、この時の僕はーー。

（あれ……？これは……この告白に応えてしまったら……僕達3人の関係は、一体どうなるんだろう？）

そんな考えに、すっかりと頭を支配されていたのだ。