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コウカイ②
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すると、何をしても女の子を傷つけられなかった腹いせかーーリーダー格の男子が、真ん中でオロオロしている女子にある『命令』を下す。
「おい、凛子!お前、あいつらの友達をやめて俺達のグループに入りたいんだろ?!だったら、今この場であいつらを一発ずつ殴れ!そうしたらしたら仲間に入れてやるよ!」
「ぇっ?!」
リーダー格の男子の言葉に、怯えた様な表情を見せる「凛子」と呼ばれた少女。
その名前に、僕は思わず目の前にいる女子高生――もう一人の凛子に目を向ける。
すると、女子高生の方の凛子が、こう告げた。
「ここからだよ。私はここから、道を間違えてしまったんだ」
女子高生の凛子がそう告げると同時、少女の方の凛子が意を決した様な表情で顔をあげる。
そうして、幼い凛子は、同じく幼い「僕」の目の前に立つと、覚悟を決めた様に小さな手を振り上げた。
「やめて、凛子ちゃん!」
同時に屋上に響き渡る悲壮な少女の声。
気付くと、「僕」の背後にいた筈の少女が、小さな凛子と「僕」の間に入り――精一杯大きく両手を広げて立ち塞がっていた。
「おい、凛子!お前、あいつらの友達をやめて俺達のグループに入りたいんだろ?!だったら、今この場であいつらを一発ずつ殴れ!そうしたらしたら仲間に入れてやるよ!」
「ぇっ?!」
リーダー格の男子の言葉に、怯えた様な表情を見せる「凛子」と呼ばれた少女。
その名前に、僕は思わず目の前にいる女子高生――もう一人の凛子に目を向ける。
すると、女子高生の方の凛子が、こう告げた。
「ここからだよ。私はここから、道を間違えてしまったんだ」
女子高生の凛子がそう告げると同時、少女の方の凛子が意を決した様な表情で顔をあげる。
そうして、幼い凛子は、同じく幼い「僕」の目の前に立つと、覚悟を決めた様に小さな手を振り上げた。
「やめて、凛子ちゃん!」
同時に屋上に響き渡る悲壮な少女の声。
気付くと、「僕」の背後にいた筈の少女が、小さな凛子と「僕」の間に入り――精一杯大きく両手を広げて立ち塞がっていた。
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