コウカイ列車に乗って

凛子③

「ここに、私の後悔がある。……私は、変わらなくちゃ！」

そう告げると同時に、勢いよく屋上の扉を開ける凛子。

そこに広がっていたのはーーとても不思議な光景だった。

というのも、何故か屋上だけは雪が降り積もり、真っ白になっているのである。

その真っ白に染まった屋上で、複数の子供達が何やら言い争いの様なことをしているのだ。

5人の男女のグループと、2人の男女、それにそんな2つのグループをオロオロしながら見つめている1人の女子、に分かれている合計8人の子供達。

5人のグループは2人の男女を激しく罵りながら、彼らを屋上の端へと追い詰めている。

それを止めようとはしながらも、5人から怒鳴りつけられ、直ぐに動く事が出来なくなる気の弱そうな1人の少女。

僕にはーーその光景に、見覚えがあった。

記憶がないから絶対とは言えないけれどーーそれでも、わかるのだ。

漠然とした予感であり、直感。

（ああ……あの2人組、男子の方は、きっと『僕』だ）