コウカイ列車に乗って

天咲 琴葉

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凛子②

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その場所に着き、凛子の言葉を聞いた瞬間、明らかに動揺する岬。

心なしか、岬の体は小さく震えている様だ。

すると、凛子がそっと優しく岬のことを抱き締めた。

そうして、そのまま凛子は岬の手を握る。

「大丈夫。今の私はもう、昔の私と違うから」

岬の言葉に、こくりと頷く岬。

僕には全く凛子の言葉の意味は分からないが、どうやら岬は理解しているらしい。

と、そんな岬に、凛子は大きく頷いて見せる。

そして彼女は、岬と繋いでいない方の片手を、真っ直ぐに僕の方へ伸ばして来た。

「かっこいいこと言ってるけどさ。結局、私も怖いんだ。だから、岬っち?開斗っち?私に勇気をくれない?」

僕は無言で彼女の言葉に頷くと、その小さな手をそっと握り返す。

3人で手を繋ぎ、3階建ての学校の階段を上へ上へと上っていく僕達。

僕達が辿り着いたのは、校舎の屋上だった。
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