コウカイ列車に乗って

天咲 琴葉

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いつも見る夢

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それは、寒い寒い冬の日の夕暮れの光景。

地面や樹木にうっすらと積もった白い雪が、夕陽を反射してきらきらと煌めいている――そんな美しい空間で、僕は誰か……女の子と話をしていた。

「私のせいね……」

悲し気に、そう呟く女の子。

しかし、まるで靄がかかったかの様に女の子の顔を見ることが出来ない。

その、白い霧に覆われた顔のまま、少女は泣きそうな声で告げる。

「私が、全部壊したんだわ」

彼女の言葉には、悲壮さと同時に、強い確信めいたものが含まれていた。

「開斗……私のせいで、本当にごめんなさい」

深々と此方に向かって頭を下げる少女――その胸に抱かれているのは、先程見つけたあの猫のぬいぐるみだ。

「にゃん太……」

その瞬間、まるで閃いた様に脳内に猫のぬいぐるみの名前が浮かぶ。

気付くと、その名前を口にしていた僕。

同時に、僕はコウカイ列車の座席で目を覚ました。

どうやら僕は、猫のぬいぐるみを見た直後、何故か倒れ――ソロウにより車内に運び込まれたらしい。

(一体、僕の身に何が起きてるんだ……?)

――もしや、僕には僕自身も知らない何か大きな秘密があるのか?
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