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コウカイ列車
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おかしい。
慌てて飛び乗った電車――その行き先が、なんと僕の名前になっているのだ。
しかも、
「次の停車駅は、キタミマサカズ駅?!」
次の停車駅名も、どう考えても人名なのである。
(な、なんなんだ、この電車は?!)
僕は、一体何に乗ってしまったんだ――?!
と、丁度車内に次の停車駅を知らせるアナウンスが響き渡る。
「この電車はコウカイ線クサカベカイト行きです。次はキタミマサカズ駅です。お出口は左側です。乗客の皆様、コウカイの発見にどうぞご協力くださいませ」
淡々と告げられる、どう考えてもおかしい駅名や最後の部分を除けば、普通の降車アナウンスだ。
と、アナウンスが響き渡るや、座っていた乗客達がすっくと立ちあがる。
そうして、皆一様に左側のドアの方に集まって来た。
先頭には、ややくたびれた印象の中年の男性がいる。
「いやぁ、私なんかの為に、皆さん済みませんね~」
周囲の乗客達にぺこぺこと頭を下げながらそう告げる、やや薄くなった頭で小太りの中年男性。
あの口ぶりから察するに、彼が『キタミマサカズ』なのだろうか。
慌てて飛び乗った電車――その行き先が、なんと僕の名前になっているのだ。
しかも、
「次の停車駅は、キタミマサカズ駅?!」
次の停車駅名も、どう考えても人名なのである。
(な、なんなんだ、この電車は?!)
僕は、一体何に乗ってしまったんだ――?!
と、丁度車内に次の停車駅を知らせるアナウンスが響き渡る。
「この電車はコウカイ線クサカベカイト行きです。次はキタミマサカズ駅です。お出口は左側です。乗客の皆様、コウカイの発見にどうぞご協力くださいませ」
淡々と告げられる、どう考えてもおかしい駅名や最後の部分を除けば、普通の降車アナウンスだ。
と、アナウンスが響き渡るや、座っていた乗客達がすっくと立ちあがる。
そうして、皆一様に左側のドアの方に集まって来た。
先頭には、ややくたびれた印象の中年の男性がいる。
「いやぁ、私なんかの為に、皆さん済みませんね~」
周囲の乗客達にぺこぺこと頭を下げながらそう告げる、やや薄くなった頭で小太りの中年男性。
あの口ぶりから察するに、彼が『キタミマサカズ』なのだろうか。
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