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吸血鬼さんin学校⑥

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  この様子からすると……ひょっとしたら、リルゼイの時代には学校という物がなかったのかもしれない。五百年振りに目が覚めたのだと言っていたから、もっと昔の事になるし。

  私は如何伝えたものか悩みながら、何とか彼に言葉をかける。

 「学校に入って良いのは、私達みたいな生徒か、教師か、生徒の家族だけなの。リルゼイは部外者中の部外者でしょう」

 「いいや、レディ? それは違うな。私は部外者ではない。君の婚約者フィアンセだ」

 「フィアンセっ!? 違うから! 私はそんなの提案された覚えもなければ受け入れた覚えもないからね!」

 「ふむ、確かにそうだな。では、早速、今此処で……」

  そう告げるや、本当に校舎裏の駐輪場のど真ん中で片膝をつき、私にプロポーズしようとするリルゼイ。

  私はそんな彼の顔面に、首に巻いていたロングタオルをぶつけると、全力でそれを回避する。

 「駐輪場でプロポーズなんて嫌! あなた、ゴシックの代名詞みたいな生き物でしょ! もうちょっと情緒とかシチュエーションとかそういうものを考えなさいよね!」
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