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決着の刻③

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 「復讐が、成功している……?」

 剛の言葉に、眉をひそめるアンドロマリウス。

 そんな彼に、剛は朗らかに笑ってみせた。

 「うん。俺、復讐ってさ?2つの方法があると思うんだよね。1つは、おじさんがしたみたいな……命を取ったり、やり返したりする復讐。で、もう1つは……嫌なことをしてきた奴より、うんと幸せになる復讐!」

 剛の言葉に、意味が分からないといった様子でアンドロマリウスは首を傾げる。

 「口裂け女ってさ?星川芳美に人生を目茶苦茶にされてから……怪人になってさ?凄く不幸だったじゃん?けど、今……切夜とマルバスに救われて元の姿になれた……つまり、幸せになれたんだよ。これってさ?最大の復讐になると思わない?」

 悪戯っぽくウインクをしながらそう語る剛に、それでもアンドロマリウスは――まだ納得出来ない表情を浮かべていた。

 「……星川芳美のせいで、あの娘は長い時間を無駄にしたんだぞ?人間であることすら、辞めてしまったんだ」

 「でも、だからこそ、俺達は口裂け女と逢えたんだよ」

 優しい口調で、剛はそう語りだした。
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