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決戦⑥

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 「マルバス!!彼女が負った傷を全て癒せ!!!」

 「承った!!」

 マルバスは勢いよくそう叫ぶや、人間の――若い、眼鏡をかけた男性医師の姿に変身する。

 そうして、懐から淡い金色に輝くメスを取り出した。

 長い白衣を靡かせ、そのメスで口裂け女の全身をなぞるマルバス。

 次の瞬間――彼女の顔や体等至る所にピシッとひびが入るや、内側から金色の光が漏れだした。

 そうして、光が溢れだすのと同時に、メスを入れられた部分がポロポロと零れ落ちていく。

 徐々に溢れだしていく光の強さに、思わず目を閉じる切夜と口裂け女。

 そうして、完全に光が収まった頃――目を開けてみると、切夜の目の前にはとても可憐な美しい女性が佇んでいた。

 「……私……どうなったの……?」

 不安そうに切夜に尋ねる元口裂け女こと目の前の女性。

 切夜は慌てて鏡になりそうなものを探す。

 そして、磨き抜かれた日本科学未来館のガラスの壁を指差した。

 「見てみなよ。きっと、自分の目で見た方が早いぜ」

 切夜の言葉に頷き、女性は自らの姿をガラスに映し出してみる。

 「っ……!!」

 ガラスに映った自分の姿に歓喜の涙を流す女性。

 彼女は切夜の手を握ると、涙に濡れた顔で微笑んだ。

 「……助けてくれて、本当にありがとう……!」

 
 
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