73 / 117
復讐の悪魔アンドロマリウス③
しおりを挟む
切夜のそんな思いを読み取ったのか、シーレ王子が彼に声をかけてきた。
「おい、小僧?お前、まさか……復讐を遂げさせてやりたい等とは思っていないだろうな?」
少々棘すら感じさせるシーレ王子の強い声音に、切夜は思わずビクリと身をすくませ、俯いた。
そんな切夜の様子に、深々と溜め息をつくシーレ王子。
彼は、切夜や剛達を見回しながら、こう語りかける。
「復讐を遂げさせたいと感情移入をするのは勝手だが……もし、復讐が成功したら……救われないのはあの口裂け女の方なのだぞ?」
「えっ?」
シーレ王子の言葉に、切夜は思わず顔を上げる。
「復讐を遂げても救われないって、どういうこと?」
意味深過ぎるシーレ王子の台詞に、剛も直ぐに聞き返した。
と、シーレ王子は2人に向けて呆れた顔をみせる。
「なんだ、やはりこんな基本的なことも知らなかったのか。悪魔が手伝う……つまり悪魔との契約にはな?代償が必要になるんだ。そうして、代償は……魂なんだよ」
「「た、魂?!」」
シーレ王子の言葉に、声を揃えて驚く切夜と剛。
そうして、切夜はそこではっとする。
「俺、シーレ王子とマルバスと契約しちゃってるじゃん!」
――俺の魂取られちゃう?!
「おい、小僧?お前、まさか……復讐を遂げさせてやりたい等とは思っていないだろうな?」
少々棘すら感じさせるシーレ王子の強い声音に、切夜は思わずビクリと身をすくませ、俯いた。
そんな切夜の様子に、深々と溜め息をつくシーレ王子。
彼は、切夜や剛達を見回しながら、こう語りかける。
「復讐を遂げさせたいと感情移入をするのは勝手だが……もし、復讐が成功したら……救われないのはあの口裂け女の方なのだぞ?」
「えっ?」
シーレ王子の言葉に、切夜は思わず顔を上げる。
「復讐を遂げても救われないって、どういうこと?」
意味深過ぎるシーレ王子の台詞に、剛も直ぐに聞き返した。
と、シーレ王子は2人に向けて呆れた顔をみせる。
「なんだ、やはりこんな基本的なことも知らなかったのか。悪魔が手伝う……つまり悪魔との契約にはな?代償が必要になるんだ。そうして、代償は……魂なんだよ」
「「た、魂?!」」
シーレ王子の言葉に、声を揃えて驚く切夜と剛。
そうして、切夜はそこではっとする。
「俺、シーレ王子とマルバスと契約しちゃってるじゃん!」
――俺の魂取られちゃう?!
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
月神山の不気味な洋館
ひろみ透夏
児童書・童話
初めての夜は不気味な洋館で?!
満月の夜、級友サトミの家の裏庭上空でおこる怪現象を見せられたケンヂは、正体を確かめようと登った木の上で奇妙な物体と遭遇。足を踏み外し落下してしまう……。
話は昼間にさかのぼる。
両親が泊まりがけの旅行へ出かけた日、ケンヂは友人から『旅行中の両親が深夜に帰ってきて、あの世に連れて行く』という怪談を聞かされる。
その日の放課後、ふだん男子と会話などしない、おとなしい性格の級友サトミから、とつぜん話があると呼び出されたケンヂ。その話とは『今夜、私のうちに泊りにきて』という、とんでもない要求だった。
盲目魔女さんに拾われた双子姉妹は恩返しをするそうです。
桐山一茶
児童書・童話
雨が降り注ぐ夜の山に、捨てられてしまった双子の姉妹が居ました。
山の中には恐ろしい魔物が出るので、幼い少女の力では山の中で生きていく事なんか出来ません。
そんな中、双子姉妹の目の前に全身黒ずくめの女の人が現れました。
するとその人は優しい声で言いました。
「私は目が見えません。だから手を繋ぎましょう」
その言葉をきっかけに、3人は仲良く暮らし始めたそうなのですが――。
(この作品はほぼ毎日更新です)
箱庭の少女と永遠の夜
藍沢紗夜
児童書・童話
夜だけが、その少女の世界の全てだった。
その少女は、日が沈み空が紺碧に染まっていく頃に目を覚ます。孤独な少女はその箱庭で、草花や星月を愛で暮らしていた。歌い、祈りを捧げながら。しかし夜を愛した少女は、夜には愛されていなかった……。
すべての孤独な夜に贈る、一人の少女と夜のおはなし。
ノベルアップ+、カクヨムでも公開しています。
こちら第二編集部!
月芝
児童書・童話
かつては全国でも有数の生徒数を誇ったマンモス小学校も、
いまや少子化の波に押されて、かつての勢いはない。
生徒数も全盛期の三分の一にまで減ってしまった。
そんな小学校には、ふたつの校内新聞がある。
第一編集部が発行している「パンダ通信」
第二編集部が発行している「エリマキトカゲ通信」
片やカジュアルでおしゃれで今時のトレンドにも敏感にて、
主に女生徒たちから絶大な支持をえている。
片や手堅い紙面造りが仇となり、保護者らと一部のマニアには
熱烈に支持されているものの、もはや風前の灯……。
編集部の規模、人員、発行部数も人気も雲泥の差にて、このままでは廃刊もありうる。
この危機的状況を打破すべく、第二編集部は起死回生の企画を立ち上げた。
それは――
廃刊の危機を回避すべく、立ち上がった弱小第二編集部の面々。
これは企画を押しつけ……げふんげふん、もといまかされた女子部員たちが、
取材絡みでちょっと不思議なことを体験する物語である。
クリスマスまでに帰らなきゃ! -トナカイの冒険-
藤井咲
児童書・童話
一年中夏のハロー島でバカンス中のトナカイのルー。
すると、漁師さんが慌てた様子で駆け寄ってきます。
なんとルーの雪島は既にクリスマスが目前だったのです!
10日間で自分の島に戻らなければならないルーは、無事雪島にたどり着けるのでしょうか?
そして、クリスマスに間に合うのでしょうか?
旅の途中で様々な動物たちと出会い、ルーは世界の大きさを知ることになります。
【完結】魔法道具の預かり銀行
六畳のえる
児童書・童話
昔は魔法に憧れていた小学5学生の大峰里琴(リンコ)、栗本彰(アッキ)と。二人が輝く光を追って最近閉店した店に入ると、魔女の住む世界へと繋がっていた。驚いた拍子に、二人は世界を繋ぐドアを壊してしまう。
彼らが訪れた「カンテラ」という店は、魔法道具の預り銀行。魔女が魔法道具を預けると、それに見合ったお金を貸してくれる店だ。
その店の店主、大魔女のジュラーネと、魔法で喋れるようになっている口の悪い猫のチャンプス。里琴と彰は、ドアの修理期間の間、修理代を稼ぐために店の手伝いをすることに。
「仕事がなくなったから道具を預けてお金を借りたい」「もう仕事を辞めることにしたから、預けないで売りたい」など、様々な理由から店にやってくる魔女たち。これは、魔法のある世界で働くことになった二人の、不思議なひと夏の物語。
訳あり新聞部の部長が"陽"気すぎる
純鈍
児童書・童話
中学1年生の小森詩歩は夜の小学校(プール)で失踪した弟を探していた。弟の友人は彼が怪異に連れ去られたと言っているのだが、両親は信じてくれない。そのため自分で探すことにするのだが、頼れるのは変わった新聞部の部長、甲斐枝 宗だけだった。彼はいつも大きな顔の何かを憑れていて……。訳あり新聞部の残念なイケメン部長が笑えるくらい陽気すぎて怪異が散る。
T家のうさみ
あやさわえりこ
児童書・童話
T家の亜美と由美姉妹にはお気に入りのぬいぐるみがあります。
しかし、それにはとんでもない秘密があって……!?
児童文学・童話ですが、いろんなひとに読んでもらいたい。連載だけど完結はしてます。
あ、T家というのは、私の家がモデルなんですよ(笑)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる