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「デュー・・・ティタニア様。明日の放課後ならオズワルド殿下もお茶に参加出来るそうですわ」

「・・・」

「ですからティタニア様も、明日はわたくしのに時間を作って下さるでしょう?」

はははっ・・・

こんなに早くオズワルドに接触したのか・・・
昨日の今日だぞ。
で、明日ね~

「メンバーは?」

「わたくしとティタニア様とオズワルド殿下ですわ」

「女はお前一人なのか?」

「ほかの女性なんて・・・ティタニア様にはわたくしが居れば必要ないでしょう?」

凄い自信だな。
だが、コイツは俺に能力を使ったとはいえ『話をしよう』と言っただけで俺の気持ちをコイツに向けるような言葉は言っていない。

「婚約者のいる俺に、お前は必要ないが?」

「え?何を・・・!!」

やっと気が付いたようだな。

「俺の婚約者はミラだ。俺は不貞を犯するつもりはない。と、そう言ったよな?疑われる行動も絶対にしない」

「・・・」

「怪しいな?如何にも俺がお前の物のように言うのは何故だ?」

「し、失礼しました」

昨日会話をしたことで舞い上がったのか、大きな失態を犯したな。
ま、お陰で助かったとも言えるが。演技でもコイツをミラと同じ扱いをするのは俺には無理だ。
マリアは勢いよく頭を下げたが俺は笑いを堪えて不快そうな顔を態とした。

「勘違いをするなよ?お前を含めミラ以外の女に俺が惹かれるワケがない。・・・だが約束だ、明日は付き合ってやるよ」

「あ、ありがとうございます」

おうおう、明日は確実に能力を使うって顔に書いてあるぞ?
愚かすぎて溜め息が出そうになる。

前回、こんな女にミラが陥れられたのか・・・
いや、その時はエルザが侯爵家の令嬢として学院に通ってからか。
エルザが調子に乗ってミラを虐げていたのと、ミラを逃す為とはいえオズワルドの取った行動が裏目に出たのが、運悪く重なったからか・・・

「で、では明日楽しみに待っています。必ず来てくださいね」

ああ、必ず行くさ。
それでお前はだ。






「やあ、デュークも誘われていたんだね」

だな」

昨日も連絡は取ったがな。

「あれ?カトラーレ嬢はまだ来てないのかな?私は彼女に誘われたんだけど」

エルザを使ってオズワルドをこの席に着かせたのは知っている。

「あ、エルザさんは体調が急に悪くなって・・・」

「お前昨日の時点で俺とオズワルドとお前の3人だと言っていたよな?」

ほら、もう綻びが出てるだろ?
お前の頭じゃあこんなもんだ。 バレるような嘘をつくなよ。

何故俺に縋るような目を向けてくる?
『話そう』と言われただけの俺がお前の味方をするわけが無いだろ?
俺が何も言わないからか、目を忙しなく動かして言い訳を考えているようだ。

「まあまあそんな凄まなくても今日は3人でいいんじゃない?」

オズワルドの助け舟にありがとうございますと笑顔を向けるがオズワルドだって無駄な時間をこんなやり取りで使いたくないだけだろう。

「き、今日はわたくしがお茶を入れさせてもらいますね」

マリアがお茶を入れるとすぐに無表情な男が現れた。

「え?」

「失礼します」

マリアの入れたお茶に口を付ける男。
戸惑っているようだが当然だろ?
王子が口に入れる物に毒見をするのは。
次いでに言うと、オズワルドには皆から見えない場所で学院内でも護衛はついている。

「ごめんね。いつもの事だから気を悪くしないでね」

「は、はい・・・」

それにしてもこの位置おかしくないか?
小さめの丸いテーブルだが、マリアを挟んで俺とオズワルドが座っているがその距離が近い。

「素敵なブローチですね」

「ああ、コレは特殊な加工がされた王族だけが使える物なんだ」

「え~さすが王子様ですね」

媚びるようにオズワルドに話しかけながらもチラチラを俺を見上げてくるが、上目遣いのつもりなのか?
そんな獲物を狙うような目が可愛いとでも思っているのか?
オズワルドに向けられる同情の視線が痛い。

マリアもオズワルドに話を振りながら能力を使うタイミングを計っているようだ。
ダラダラと他愛もない話しが続いていた時、やっとマリアが動いた。

オズワルドの着けていたブローチの宝石が青から赤に変わったのがその合図だ。

始まるな・・・
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