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ふぅ~
緊張しているせいか起きてからため息ばかり出る。
今は学園に向かっている馬車の中。
一緒に登校する!と言ってくれたテレーゼとルイーゼの他に、当然のように私の隣にカイが座っている。
カイも今日から登校する。
「俺が一緒に居るから肩の力を抜け」
「そうですよ!」
「メイジェーン様を悪く言う人なんていませんからね」
私とコリーナが仲のいい友人だと知っている人は多い。
友人だと思っていた人に騙され、攫われ、暴力を受けていた。
⋯⋯貴族ならほとんどの人が知っている。
馬鹿だと、愚かだと、嘲笑っている人もいるだろう。
だから今こそ我が家の家訓だ。
『どんな時も、どんな状況でも気高く美しく己を誇れる自分であれ!』
私は悪くない。
そうよ!堂々としていればいい。
「みんなありがとう」
笑顔でお礼を言えば3人も笑顔で返してくれる。
うん、大丈夫。私はひとりじゃない。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
結局、冬季休暇明けから学園に行くことに決めた。
その休んでいる間にコリーナとザイフォンの裁判の判決が出た。
コリーナは問答無用で処刑。
ザイフォンもウチの護衛と御者の2人を殺害した罪で処刑。
コリーナの実家のラムダ子爵家は爵位を返上し平民になったと聞いた。
何よりも残念だったのは、ザイフォンの罪に関係のない彼のお父様とお兄様が爵位を返上して自ら命を絶ったことだ。
立派な方たちだったのに⋯⋯
コリーナとザイフォンの処刑は密かに行われたと聞いた。
エルザの方もコリーナに踊らされたことが判明したが、男爵令嬢が公爵令嬢に冤罪を着せた罪だけでなく、今までのことを含めて男子禁制の修道院に送られることが決まった。
この修道院から生涯出られることはないそうだ。
リュート殿下が留学から帰ってきても二度と会えないってことだ。
⋯⋯あれ?
エルザってヒロインだよね?
攻略対象者の誰とも結ばれていない⋯⋯
てか、リュート殿下以外の攻略対象者はヒロインに惹かれていなかった。
しかもヒロインは修道院送り。
これってバッドエンドってやつなのでは?
⋯⋯じゃあ悪役令嬢の私は?
リュート殿下とヒロインのエルザを応援することに決めて、物語が始まってすぐに婚約解消に向けて動き、我が身可愛さにさっさと一抜けさせてもらった。
うん、コレについては後悔もしていないし正解だったと思っている。
今さらリュート殿下との再婚約は有り得ないし考えられない。
そっか~
婚約解消した時点で物語から解放されたって思っていたけれど、なんか肩が軽くなったて言うか、自由になれたって言うか、本当に気持ちが楽になった。
やっぱりエルザの存在は精神的にキツかったのだと思う。
それぐらい悪役令嬢の断罪の先にあるものは酷かったからね。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
助け出されてから、学園にも通わずほとんどの時間を私と過ごしていたカイをチラリと見た。
⋯⋯すぐに目が合った。
ん?なんだ?と首を傾げるカイが可愛く見える。
いや、元々カイは無表情で無愛想だけれど、顔は良いんだよ。
私と一緒にいる時はよく笑顔を見せてくれる。
その度に私の胸がドキドキするし、キュンキュンする。
助け出されてから動けるようになってから、鏡を見た時には心臓が止まるかと思うぐらいショックを受けた。
アザだらけなのは想像していたし、腕や足も骨と皮に近いものだったから、かなり痩せた姿も想像していた。
けれど想像以上に酷かった。
目は窪み、頬は痩せこけ、自分で言うのも何だがシミ一つなかった白い肌は黄色や茶色、赤や青の斑になっていた。
はっきり一言で言えば気持ち悪い顔だった。
鏡を見て悲鳴を上げそうになった私に『大丈夫だ。今のメイも変わらず綺麗だ。すぐに元の可愛いメイに戻るよ。俺はどんなメイも好きだよ』と言ってくれた。
私もカイが好きだ。
でもね。今は応えることが出来ない。
せめて元の私に戻るまで待ってて。
少しでも綺麗な状態で気持ちを伝えたい。
そんな乙女心を分かってほしい。
でだ、万全の状態で自分の気持ちを伝えましたよ!言えましたよ!照れくさくて恥ずかしかったけれども!言っちゃいましたよ!
『わ、私もカイが⋯⋯好き』
はい⋯⋯抑えられなかった気持ちを2人きりでもない、場所も考えず家族、使用人、テレーゼ、ルイーゼもいる晩餐の席でね!
ええ!お父様は動きを止め、お母様は喜び、お兄様は⋯⋯うん、笑顔だったよ?たぶん⋯⋯
テレーゼとルイーゼは使用人たちと抱き合っていたわね。
そしてカイはぼーっとして自分の頬を摘んでいた。
正気に戻ったカイの行動は早かった。
その日のうちに⋯⋯夜だと言うのにモナー公爵夫妻を呼び寄せたのだ。
緊張しているせいか起きてからため息ばかり出る。
今は学園に向かっている馬車の中。
一緒に登校する!と言ってくれたテレーゼとルイーゼの他に、当然のように私の隣にカイが座っている。
カイも今日から登校する。
「俺が一緒に居るから肩の力を抜け」
「そうですよ!」
「メイジェーン様を悪く言う人なんていませんからね」
私とコリーナが仲のいい友人だと知っている人は多い。
友人だと思っていた人に騙され、攫われ、暴力を受けていた。
⋯⋯貴族ならほとんどの人が知っている。
馬鹿だと、愚かだと、嘲笑っている人もいるだろう。
だから今こそ我が家の家訓だ。
『どんな時も、どんな状況でも気高く美しく己を誇れる自分であれ!』
私は悪くない。
そうよ!堂々としていればいい。
「みんなありがとう」
笑顔でお礼を言えば3人も笑顔で返してくれる。
うん、大丈夫。私はひとりじゃない。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
結局、冬季休暇明けから学園に行くことに決めた。
その休んでいる間にコリーナとザイフォンの裁判の判決が出た。
コリーナは問答無用で処刑。
ザイフォンもウチの護衛と御者の2人を殺害した罪で処刑。
コリーナの実家のラムダ子爵家は爵位を返上し平民になったと聞いた。
何よりも残念だったのは、ザイフォンの罪に関係のない彼のお父様とお兄様が爵位を返上して自ら命を絶ったことだ。
立派な方たちだったのに⋯⋯
コリーナとザイフォンの処刑は密かに行われたと聞いた。
エルザの方もコリーナに踊らされたことが判明したが、男爵令嬢が公爵令嬢に冤罪を着せた罪だけでなく、今までのことを含めて男子禁制の修道院に送られることが決まった。
この修道院から生涯出られることはないそうだ。
リュート殿下が留学から帰ってきても二度と会えないってことだ。
⋯⋯あれ?
エルザってヒロインだよね?
攻略対象者の誰とも結ばれていない⋯⋯
てか、リュート殿下以外の攻略対象者はヒロインに惹かれていなかった。
しかもヒロインは修道院送り。
これってバッドエンドってやつなのでは?
⋯⋯じゃあ悪役令嬢の私は?
リュート殿下とヒロインのエルザを応援することに決めて、物語が始まってすぐに婚約解消に向けて動き、我が身可愛さにさっさと一抜けさせてもらった。
うん、コレについては後悔もしていないし正解だったと思っている。
今さらリュート殿下との再婚約は有り得ないし考えられない。
そっか~
婚約解消した時点で物語から解放されたって思っていたけれど、なんか肩が軽くなったて言うか、自由になれたって言うか、本当に気持ちが楽になった。
やっぱりエルザの存在は精神的にキツかったのだと思う。
それぐらい悪役令嬢の断罪の先にあるものは酷かったからね。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
助け出されてから、学園にも通わずほとんどの時間を私と過ごしていたカイをチラリと見た。
⋯⋯すぐに目が合った。
ん?なんだ?と首を傾げるカイが可愛く見える。
いや、元々カイは無表情で無愛想だけれど、顔は良いんだよ。
私と一緒にいる時はよく笑顔を見せてくれる。
その度に私の胸がドキドキするし、キュンキュンする。
助け出されてから動けるようになってから、鏡を見た時には心臓が止まるかと思うぐらいショックを受けた。
アザだらけなのは想像していたし、腕や足も骨と皮に近いものだったから、かなり痩せた姿も想像していた。
けれど想像以上に酷かった。
目は窪み、頬は痩せこけ、自分で言うのも何だがシミ一つなかった白い肌は黄色や茶色、赤や青の斑になっていた。
はっきり一言で言えば気持ち悪い顔だった。
鏡を見て悲鳴を上げそうになった私に『大丈夫だ。今のメイも変わらず綺麗だ。すぐに元の可愛いメイに戻るよ。俺はどんなメイも好きだよ』と言ってくれた。
私もカイが好きだ。
でもね。今は応えることが出来ない。
せめて元の私に戻るまで待ってて。
少しでも綺麗な状態で気持ちを伝えたい。
そんな乙女心を分かってほしい。
でだ、万全の状態で自分の気持ちを伝えましたよ!言えましたよ!照れくさくて恥ずかしかったけれども!言っちゃいましたよ!
『わ、私もカイが⋯⋯好き』
はい⋯⋯抑えられなかった気持ちを2人きりでもない、場所も考えず家族、使用人、テレーゼ、ルイーゼもいる晩餐の席でね!
ええ!お父様は動きを止め、お母様は喜び、お兄様は⋯⋯うん、笑顔だったよ?たぶん⋯⋯
テレーゼとルイーゼは使用人たちと抱き合っていたわね。
そしてカイはぼーっとして自分の頬を摘んでいた。
正気に戻ったカイの行動は早かった。
その日のうちに⋯⋯夜だと言うのにモナー公爵夫妻を呼び寄せたのだ。
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・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
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