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3人の姿が見えなくなって振り向くと、そっくりな姉妹がキラキラした眼差しを私に向けていた⋯⋯なんで?

話を聞くとこの2人は双子で私と同じ学年だそうだ。
名前はリスナー子爵家の、テレーゼ嬢とルイーゼ嬢。薄い黄緑色の髪と黄色い瞳の色まで同じの双子ちゃんだ。
私ともコリーナ嬢ともクラスが違う。

この学園は1学年3クラスあり、1年生は家格や学力は関係なくクラス分けされている。
2年生からは学力で分けられるのだ。

「「助けて下さりありがとうございました」」

さすが双子声も揃っている。

「詳しいことをお聞きしたいところですが、食堂にコリーナ嬢を待たせていますの。放課後にでもお時間を取っていただくことはできるかしら?」

「「もちろんです!」」

放課後に図書館にある個室自習室で待ち合わせることを約束して私は食堂に向かった。
もちろんこのことは他言無用と伝えている。

まあ盗み聞きした限り双子にコリーナ嬢に怪我を負わせようと強要したのは間違いないだろう。
⋯⋯今回はたまたま事前に阻止することが出来たけれど、同じような考えを持つ者は他にもいると考えた方がよさそうね。




「メイジェーン様、今日は遅かったですね」

ああ、今日もコリーナ嬢に癒される~
大丈夫よ。私が貴女の笑顔は必ず守ってみせるから!

「ごめんなさい。少し立ち話をしていましたの」

上手く誤魔化せたと思う。
さっきことは頭の隅に置いてコリーナ嬢との楽しいランチタイムを過ごすことにした。





「呼び出してごめんなさい」

「いえ!光栄です!」

「イスト様はわたし達の憧れですから!」

いや、そんなキラキラした目で憧れって⋯⋯面と向かって言われると照れるわね。えへっ

⋯⋯て、照れてる場合ではないわね。

気を取り直して双子姉妹に経緯を聞いた。

コリーナ嬢は私と居ることで目立つようになったそうだ。そこへ休暇中に我が家(イスト公爵家)に招待され歓迎されていたことが噂になった。
私から言わせれば友達をに呼んで何が悪いの?なんだけれど、どうも世間ではイスト公爵に招かれることが一種のステータスなんだとか⋯⋯お母様はお茶会など開くことがあるけれど、基本お兄様が知り合いを呼んだとかは聞いたことがないし、私に至っては初めて招待したのがコリーナ嬢だ。

これだけでも羨む者がいるところへ、『レオクリフ様』とお兄様の名を呼ぶことを許されたものだから、妬みや嫉妬がコリーナ嬢に向けられたらしい。

「イスト様(お兄様)はとても遠目で拝むのが丁度いいんです!」

「そうです!イスト様(お兄様)と目を合わせてしまうと心が奪われると言われています!」

2人とも拳を作って力説している⋯⋯げ、元気な双子ね。
まあ、私もお兄様はフェロモンビームを出しているんじゃないかと疑っているぐらいだもの。

「そ、そうなのね」

「コリーナ嬢はわたし達と同じ下位貴族ですからね。そんな令嬢が公爵家の方々に大切にされていると噂になれば面白くない方々も出てくるワケですよ!」

「それで子爵家や男爵家の令嬢にを出すのが高位貴族の方々なのです!」

「内容は先程イスト様が聞かれた怪我をさせろ!ですとか意地悪やイタズラをしろ!ってやつなのです!」

「「誰が聞くものですか!ね!」」

なるほど⋯⋯内容は確かに理不尽なものだけれど、この2人⋯家を潰すとまで脅されたのにキッパリと断っていた。

「それにわたし達は商売人の娘です。信用を失うようなことは出来ません」

いい子たちだ。それに面白い。

「お2人とも教えて下さりありがとうございました。これからは私のことはメイジェーンと呼んでほしいの」

お兄様と被るのは紛らわしいし、彼女たちとは仲良くなりたいと思うもの。

「「え?!」」 

驚いた顔も面白いわね。

「お友達になってくれると嬉しいわ」

「「い、いいのですか?本当にいいのですか?」」

「ええ、もちろんよ」

「ありがとうございます!わたしの事はテレーゼとお呼びください」

「わたしの事はルイーゼと!もちろん敬称はいりません」

私も敬称はいらないし、なんなら『メイ』って愛称で呼んでもらってもいいぐらいなんだけれど、それをするとこの子達まで標的になってしまうかもしれない。

「これからよろしくね。テレーゼ、ルイーゼ」

「「はい!メイジェーン様!」」

今日のお礼と、明日のランチタイムにコリーナ嬢を紹介すると言って2人とは別れた。



まずは帰ったら相談ね。
コリーナ嬢が怪我をするような事態になる事だけは回避しないといけない。

それにコリーナ嬢に早くテレーゼとルイーゼを紹介したい。
きっと2人ともコリーナ嬢と仲良くなれるはずだ。



そんなことを想像しながらのんびり歩いている途中で、お兄様を待たせていることを思い出し馬車止めまで急いだ。




そんな私を陰から見ていた者がいたことに気付かないまま⋯⋯
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