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~ほとんどカトリーナの話しになります~
来てあげましたよ!
時間通りに!ソルト伯爵家に!
でも、通されたのはカトリーナ様のお部屋・・・
お茶会じゃなかったの?
いつもの侍女はお茶の用意が終わったら部屋から退室して行ってしまった。
だから部屋には私とカトリーナ様だけ。
「わざわざお呼びして悪かったわね」
と言いながら足を組むカトリーナ様。
この口調と態度に違和感が・・・
年下だよね?
私の方がお姉さんだし公爵令嬢だよ?
「時間がもったいないから単刀直入に聞かせてもらうわ。貴女、転生者とか、異世界転生って言葉分かる?」
ちょ、ちょっと待った~!
なぜその言葉をカトリーナ様が?
「て、転生者ですか?」
「ま、それはあとから聞かせてもらうよ」
知らないフリをしておこう。
面倒ごとに巻き込まれたくないもの。
「そ、それよりカトリーナ様の口調が・・・」
まるで年上の人と話しているみたい。
「ああそれはね、わたくしには前世の記憶があるのよ。40歳で死ぬまでは医者をしていた記憶がね」
「よ、40歳!」
マジか!
しかも医者ですと!!
「そ、それでなぜ私に?」
「ハッキリ言うわ。ここはね前世で読んだ小説に類似した世界なのよ」
「はあ?小説?類似?」
「そう、国の名も、登場人物の名前も一致するわ」
乙女ゲームの世界かと疑ったこともあったけれど小説だったか!
「最初から話すわ。わたくしが前世の記憶を思い出したのは5歳の時。たまたま図書室で医師だった祖父の手記を見つけた時よ」
フムフム
「ただその時は前世を思い出しても小説とは結びつかなかったわ」
「そして、わたくしにも貴族教育が始まって、この国の名を知った時も国王の名前を知った時も聞いた事があるような不思議な感じがしただけだった」
「・・・でもね、王太子、アンドリュー殿下の名前を聞いて一気に頭の中に物語の内容が駆け巡ったわ」
「この小説は大して売れなかったし、結末も登場人物の誰にとっても悲惨なものだった。・・・だから、結末を変えられるならば変えたいと思ったんだ・・・。そして、わたくしが7歳の時にジョシュア殿下の婚約者候補だった読書好きの姉が王宮の図書室に行く度について行くことにした。わたくしの話しを真剣に聞いて、信じてくれる人がいないかを探していたんだ」
「そこに、本当にたまたまアンドリュー殿下が来たの。縋り着いたね。もう必死だったよ・・・」
「だってアンドリュー殿下は結婚して子にも恵まれ、さらに王太子妃のお腹には第二子も授かって幸せの絶頂で・・・愛する王太子妃とお腹の子、それと第一子まで亡くすことになる人だからね」
「おかしな幼児が紛れ込んで騒いでいると思ったんだろうね。だけどアンドリュー殿下は面倒くさそうではあったけど話しを聞いてくれたよ」
「そこで全部話したよ。前世のこと、この先の未来のこと、知っている限り全て話した。最初は黙って聞いていただけのアンドリュー殿下だったけどね、第一子の名前を言ったら信じてくれたよ。密かに未来の自分の子供の名前を考えていた名だったそうだ」
「その当時アンドリュー殿下もまだ16歳の子供だったけど動いてくれた。国王にも話しを通してくれたんだ」
「今から5年後、この国に疫病が流行る・・・そこへ、トライガス王国が戦争を仕掛けてくるんだとね」
「そして国と国民を守るため戦ったが・・・結果は分かるだろう?既に疫病で疲弊していた国だ・・・敗戦国の末路なんて悲惨だよ」
「だが、それで終わらなかった。カサンドリア王国と戦ってトライガス王国も無傷ではすまなかった。戦争で疲弊したトライガス王国に今度はダイアモア王国が戦争を仕掛けたんだよ」
「その原因がマーガレットだ。トライガス王国でも、カサンドリア王国でも問題を起こしてね、居場所がなくなったマーガレットは次はダイアモア王国に渡り国王の妾になるんだ。マーガレットは追い出されたことを恨んでいたんだろうね。国王を唆したんだ。そこからこの大陸は次々に戦火が広がって行ったんだ・・・」
「・・・」
「約3年前、アンドリュー殿下がトライガス王国に訪問する際、わたくしも同行させてもらったよ。唯一トライガスで戦争を起こそうとしていた国王を止めようとしていたバレリオ王太子に協力を仰ぐためにね。バレリオ王太子はすぐに信じてくれたよ。トライガス国王は既に戦の計画を進めていたからね」
「わたくしは2人が話し合っている間にトライガスの王城にある図書室で過去の書籍を読み漁ったね。祖父の手記に残されていた資料を元にわたくしが予想していた疫病の病名を確定するためにね」
「前世の知識で薬は作れる。それで疫病は完治すると確信して、今度はわたくしの知識でその薬を作った」
「そこで疫病問題は解決したが、トライガス国王とマーガレットの問題が残っていた。バレリオ王太子もずっと動いてくれたんだけどね、国王の考えを変えることも、マーガレットを更生させることもダメだった。・・・だからマーガレットの留学を許したんだよ。この国でマーガレットを処分するためにね」
「あとは分かるね。国王に責任を負わせ退位という名の幽閉。マーガレットからは自由を奪った。その為に犠牲になった者たちは冷たいようだけど自業自得だね」
「それで、あんたも転生者だろ?ヴィクトリア?」
来てあげましたよ!
時間通りに!ソルト伯爵家に!
でも、通されたのはカトリーナ様のお部屋・・・
お茶会じゃなかったの?
いつもの侍女はお茶の用意が終わったら部屋から退室して行ってしまった。
だから部屋には私とカトリーナ様だけ。
「わざわざお呼びして悪かったわね」
と言いながら足を組むカトリーナ様。
この口調と態度に違和感が・・・
年下だよね?
私の方がお姉さんだし公爵令嬢だよ?
「時間がもったいないから単刀直入に聞かせてもらうわ。貴女、転生者とか、異世界転生って言葉分かる?」
ちょ、ちょっと待った~!
なぜその言葉をカトリーナ様が?
「て、転生者ですか?」
「ま、それはあとから聞かせてもらうよ」
知らないフリをしておこう。
面倒ごとに巻き込まれたくないもの。
「そ、それよりカトリーナ様の口調が・・・」
まるで年上の人と話しているみたい。
「ああそれはね、わたくしには前世の記憶があるのよ。40歳で死ぬまでは医者をしていた記憶がね」
「よ、40歳!」
マジか!
しかも医者ですと!!
「そ、それでなぜ私に?」
「ハッキリ言うわ。ここはね前世で読んだ小説に類似した世界なのよ」
「はあ?小説?類似?」
「そう、国の名も、登場人物の名前も一致するわ」
乙女ゲームの世界かと疑ったこともあったけれど小説だったか!
「最初から話すわ。わたくしが前世の記憶を思い出したのは5歳の時。たまたま図書室で医師だった祖父の手記を見つけた時よ」
フムフム
「ただその時は前世を思い出しても小説とは結びつかなかったわ」
「そして、わたくしにも貴族教育が始まって、この国の名を知った時も国王の名前を知った時も聞いた事があるような不思議な感じがしただけだった」
「・・・でもね、王太子、アンドリュー殿下の名前を聞いて一気に頭の中に物語の内容が駆け巡ったわ」
「この小説は大して売れなかったし、結末も登場人物の誰にとっても悲惨なものだった。・・・だから、結末を変えられるならば変えたいと思ったんだ・・・。そして、わたくしが7歳の時にジョシュア殿下の婚約者候補だった読書好きの姉が王宮の図書室に行く度について行くことにした。わたくしの話しを真剣に聞いて、信じてくれる人がいないかを探していたんだ」
「そこに、本当にたまたまアンドリュー殿下が来たの。縋り着いたね。もう必死だったよ・・・」
「だってアンドリュー殿下は結婚して子にも恵まれ、さらに王太子妃のお腹には第二子も授かって幸せの絶頂で・・・愛する王太子妃とお腹の子、それと第一子まで亡くすことになる人だからね」
「おかしな幼児が紛れ込んで騒いでいると思ったんだろうね。だけどアンドリュー殿下は面倒くさそうではあったけど話しを聞いてくれたよ」
「そこで全部話したよ。前世のこと、この先の未来のこと、知っている限り全て話した。最初は黙って聞いていただけのアンドリュー殿下だったけどね、第一子の名前を言ったら信じてくれたよ。密かに未来の自分の子供の名前を考えていた名だったそうだ」
「その当時アンドリュー殿下もまだ16歳の子供だったけど動いてくれた。国王にも話しを通してくれたんだ」
「今から5年後、この国に疫病が流行る・・・そこへ、トライガス王国が戦争を仕掛けてくるんだとね」
「そして国と国民を守るため戦ったが・・・結果は分かるだろう?既に疫病で疲弊していた国だ・・・敗戦国の末路なんて悲惨だよ」
「だが、それで終わらなかった。カサンドリア王国と戦ってトライガス王国も無傷ではすまなかった。戦争で疲弊したトライガス王国に今度はダイアモア王国が戦争を仕掛けたんだよ」
「その原因がマーガレットだ。トライガス王国でも、カサンドリア王国でも問題を起こしてね、居場所がなくなったマーガレットは次はダイアモア王国に渡り国王の妾になるんだ。マーガレットは追い出されたことを恨んでいたんだろうね。国王を唆したんだ。そこからこの大陸は次々に戦火が広がって行ったんだ・・・」
「・・・」
「約3年前、アンドリュー殿下がトライガス王国に訪問する際、わたくしも同行させてもらったよ。唯一トライガスで戦争を起こそうとしていた国王を止めようとしていたバレリオ王太子に協力を仰ぐためにね。バレリオ王太子はすぐに信じてくれたよ。トライガス国王は既に戦の計画を進めていたからね」
「わたくしは2人が話し合っている間にトライガスの王城にある図書室で過去の書籍を読み漁ったね。祖父の手記に残されていた資料を元にわたくしが予想していた疫病の病名を確定するためにね」
「前世の知識で薬は作れる。それで疫病は完治すると確信して、今度はわたくしの知識でその薬を作った」
「そこで疫病問題は解決したが、トライガス国王とマーガレットの問題が残っていた。バレリオ王太子もずっと動いてくれたんだけどね、国王の考えを変えることも、マーガレットを更生させることもダメだった。・・・だからマーガレットの留学を許したんだよ。この国でマーガレットを処分するためにね」
「あとは分かるね。国王に責任を負わせ退位という名の幽閉。マーガレットからは自由を奪った。その為に犠牲になった者たちは冷たいようだけど自業自得だね」
「それで、あんたも転生者だろ?ヴィクトリア?」
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