17 / 67
17
しおりを挟む
今日から私も2年に上がる。
お父様とルイス兄様は反対したけれど、アレク様のハイアー侯爵家の馬車で一緒に登下校することになった。
登校時はともかく、下校時には王都の街で買い物やカフェにアレク様と2人で寄り道ができるかもしれない。
今までだってリアム兄様が同伴だったけれど友達と放課後に街に繰り出したことだってあった。
今世ではドルチアーノ殿下の婚約者候補だったこともあり家族以外の異性との接触なんて許されなかったのよね。
ドルチアーノ殿下に私の存在を無視し続けられていたにも関わらずだ。
辞退を認められたのだから、好きにしていいよね?
制服のまま放課後デートなんて、前世では彼氏がいた時は普通にやっていたことなのにな。
「ヴィクトリアお嬢様、ハイアー様がお迎えに来られました」
「はい、ではお父様、お母様、ルイス兄様、リアム兄様行って参ります」
「ヴィー、本当に気をつけてくれよ?ヴィーにもしもの事があったら、たとえ相手が友好国の王女だろうと許せそうにないからね」
「ルイス兄様大丈夫ですよ。でも、もしもの時は兄様に助けを求めることを許してくれますか?」
「もちろんいいに決まっているだろ。何もなくてもヴィーの話しなら何時でも聞きたいからね遠慮なく話して」
そう言ってルイス兄様が頭を撫でてくれる。
うちの兄様って世界一のお兄様よね?
ギュッと抱きついて「兄様大好きです」と、「行ってきます」と告げてアレク様の待つエントランスに急いだ。
うお!眩しい・・・
学院の制服を着たアレク様は、本来なら冷たく見える端正な顔を太陽のような眩しい表情に変えて私に笑顔を向けてくれる。
「おはようヴィー。制服姿のヴィーを初めて見るけどすごく似合っているな」
いやいや、それはアレク様のほうでしょ!
「おはようございます。アレク様は制服姿も素敵ですね」
本当、イケメンって何着ても似合うよね。
こんなアレク様が編入してきたら、学院も大騒ぎになるんじゃないかしら?
いや?留学するまでは普通に貴族子息として付き合いもあっただろうし、顔見知りは多いかも?
じゃあ、そこまで騒がれないのかもしれないよね?
・・・忘れていた。
車から降りるなり、注目を集めてしまった。
すっかり忘れていたけれど、あの歓迎パーティーでアレク様が私にプロポーズしたのを結構な数の参加者に目撃されていた事を・・・
でもね?
私もアレク様もフリーなんだよ?
両家の親にも許可を取って会っているからね?
2人でいてもおかしくないんだよ?
「今日は午前で終わりだろ?ヴィーの教室まで迎えに行くから俺が行くまで待っていて」
「じゃあ、掲示板に各学年のクラス分けが張り出されているからこのまま見に行きましょうか?」
ちなみに新入生の入学式は1時間ほど後から始まる。
それまでに2年生、3年生は各クラスで明日からの予定表と、教科書を渡されるぐらいで、入学式に参加したら今日は解散になるんだよね。
(面倒臭いからマーガレット王女とは別のクラスになりますように)
一応叶うかどうか分からないけど、私をこの世界に転生させてくれた神様だろう存在に心の中で拝んでおく。
成績順で上はAクラス~下はDクラスに別れている。
それは高位貴族も下位貴族も平民も関係ないのだ。
リアム兄様が『クラス替えといってもほぼ顔ぶれが変わることもないよ。せいぜい2,3人かな』て教えてくれた。
「俺は3年A組だな。ヴィーは?」
「私もA組ですね。・・・マーガレット王女の名前はA組にはありませんでしたが・・・」
「ヴィーと王女が同じクラスにならなくてよかったよ」
私よりもアレク様はご自分の心配をした方がいいのでは?
マーガレット王女はアレク様狙いでわざわざ留学までしてくるんだよ。
ん?んん?
「アレク様!私のクラスまで迎えに来られると、マーガレット王女に見つかる確率が高くなりますよ?」
「俺は別に気にしないが・・・ヴィーが王女に目を付けられるのは困るな」
いやいや、登下校を一緒にしてたら目を付けられる前に王女の目に入るでしょうよ!
実際マーガレット王女がスカーレット王女の言っていたような女性なら、アレク様を手に入れる為に何かしら私にも言いがかりを付けてくるでしょうね。
「私がアレク様の教室に迎えに行きましょうか?」
アレク様はなんだか納得してなさそうな顔をしていたけれど、しばらくはそれで様子を見ることに決まった。
校舎の入口でアレク様とは別れて教室に入るなりジュリア、アリス、マーリンが目を輝かせて私を囲んだ。
うん、聞きたいことは分かるよ。
あのパーティーで3人とも居たものね。
他のクラスメイトも気にしていない振りしているけれど耳がダンボになっているわよ。
今日は時間に余裕もないから、明日にでも詳しく話すと私が口を開く前に、1年の時も同じクラスだった子息が勢いよく教室に入ってきた。
「おい、トライガスの王女様がこの学院に留学してきたぞ。人集りで見えなかったが、すっごい美少女らしいぞ」
お父様とルイス兄様は反対したけれど、アレク様のハイアー侯爵家の馬車で一緒に登下校することになった。
登校時はともかく、下校時には王都の街で買い物やカフェにアレク様と2人で寄り道ができるかもしれない。
今までだってリアム兄様が同伴だったけれど友達と放課後に街に繰り出したことだってあった。
今世ではドルチアーノ殿下の婚約者候補だったこともあり家族以外の異性との接触なんて許されなかったのよね。
ドルチアーノ殿下に私の存在を無視し続けられていたにも関わらずだ。
辞退を認められたのだから、好きにしていいよね?
制服のまま放課後デートなんて、前世では彼氏がいた時は普通にやっていたことなのにな。
「ヴィクトリアお嬢様、ハイアー様がお迎えに来られました」
「はい、ではお父様、お母様、ルイス兄様、リアム兄様行って参ります」
「ヴィー、本当に気をつけてくれよ?ヴィーにもしもの事があったら、たとえ相手が友好国の王女だろうと許せそうにないからね」
「ルイス兄様大丈夫ですよ。でも、もしもの時は兄様に助けを求めることを許してくれますか?」
「もちろんいいに決まっているだろ。何もなくてもヴィーの話しなら何時でも聞きたいからね遠慮なく話して」
そう言ってルイス兄様が頭を撫でてくれる。
うちの兄様って世界一のお兄様よね?
ギュッと抱きついて「兄様大好きです」と、「行ってきます」と告げてアレク様の待つエントランスに急いだ。
うお!眩しい・・・
学院の制服を着たアレク様は、本来なら冷たく見える端正な顔を太陽のような眩しい表情に変えて私に笑顔を向けてくれる。
「おはようヴィー。制服姿のヴィーを初めて見るけどすごく似合っているな」
いやいや、それはアレク様のほうでしょ!
「おはようございます。アレク様は制服姿も素敵ですね」
本当、イケメンって何着ても似合うよね。
こんなアレク様が編入してきたら、学院も大騒ぎになるんじゃないかしら?
いや?留学するまでは普通に貴族子息として付き合いもあっただろうし、顔見知りは多いかも?
じゃあ、そこまで騒がれないのかもしれないよね?
・・・忘れていた。
車から降りるなり、注目を集めてしまった。
すっかり忘れていたけれど、あの歓迎パーティーでアレク様が私にプロポーズしたのを結構な数の参加者に目撃されていた事を・・・
でもね?
私もアレク様もフリーなんだよ?
両家の親にも許可を取って会っているからね?
2人でいてもおかしくないんだよ?
「今日は午前で終わりだろ?ヴィーの教室まで迎えに行くから俺が行くまで待っていて」
「じゃあ、掲示板に各学年のクラス分けが張り出されているからこのまま見に行きましょうか?」
ちなみに新入生の入学式は1時間ほど後から始まる。
それまでに2年生、3年生は各クラスで明日からの予定表と、教科書を渡されるぐらいで、入学式に参加したら今日は解散になるんだよね。
(面倒臭いからマーガレット王女とは別のクラスになりますように)
一応叶うかどうか分からないけど、私をこの世界に転生させてくれた神様だろう存在に心の中で拝んでおく。
成績順で上はAクラス~下はDクラスに別れている。
それは高位貴族も下位貴族も平民も関係ないのだ。
リアム兄様が『クラス替えといってもほぼ顔ぶれが変わることもないよ。せいぜい2,3人かな』て教えてくれた。
「俺は3年A組だな。ヴィーは?」
「私もA組ですね。・・・マーガレット王女の名前はA組にはありませんでしたが・・・」
「ヴィーと王女が同じクラスにならなくてよかったよ」
私よりもアレク様はご自分の心配をした方がいいのでは?
マーガレット王女はアレク様狙いでわざわざ留学までしてくるんだよ。
ん?んん?
「アレク様!私のクラスまで迎えに来られると、マーガレット王女に見つかる確率が高くなりますよ?」
「俺は別に気にしないが・・・ヴィーが王女に目を付けられるのは困るな」
いやいや、登下校を一緒にしてたら目を付けられる前に王女の目に入るでしょうよ!
実際マーガレット王女がスカーレット王女の言っていたような女性なら、アレク様を手に入れる為に何かしら私にも言いがかりを付けてくるでしょうね。
「私がアレク様の教室に迎えに行きましょうか?」
アレク様はなんだか納得してなさそうな顔をしていたけれど、しばらくはそれで様子を見ることに決まった。
校舎の入口でアレク様とは別れて教室に入るなりジュリア、アリス、マーリンが目を輝かせて私を囲んだ。
うん、聞きたいことは分かるよ。
あのパーティーで3人とも居たものね。
他のクラスメイトも気にしていない振りしているけれど耳がダンボになっているわよ。
今日は時間に余裕もないから、明日にでも詳しく話すと私が口を開く前に、1年の時も同じクラスだった子息が勢いよく教室に入ってきた。
「おい、トライガスの王女様がこの学院に留学してきたぞ。人集りで見えなかったが、すっごい美少女らしいぞ」
177
お気に入りに追加
8,567
あなたにおすすめの小説
いじめられ続けた挙げ句、三回も婚約破棄された悪役令嬢は微笑みながら言った「女神の顔も三度まで」と
鳳ナナ
恋愛
伯爵令嬢アムネジアはいじめられていた。
令嬢から。子息から。婚約者の王子から。
それでも彼女はただ微笑を浮かべて、一切の抵抗をしなかった。
そんなある日、三回目の婚約破棄を宣言されたアムネジアは、閉じていた目を見開いて言った。
「――女神の顔も三度まで、という言葉をご存知ですか?」
その言葉を皮切りに、ついにアムネジアは本性を現し、夜会は女達の修羅場と化した。
「ああ、気持ち悪い」
「お黙りなさい! この泥棒猫が!」
「言いましたよね? 助けてやる代わりに、友達料金を払えって」
飛び交う罵倒に乱れ飛ぶワイングラス。
謀略渦巻く宮廷の中で、咲き誇るは一輪の悪の華。
――出てくる令嬢、全員悪人。
※小説家になろう様でも掲載しております。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
私は心を捨てました 〜「お前なんかどうでもいい」と言ったあなた、どうして今更なのですか?〜
月橋りら
恋愛
私に婚約の打診をしてきたのは、ルイス・フォン・ラグリー侯爵子息。
だが、彼には幼い頃から大切に想う少女がいたーー。
「お前なんかどうでもいい」 そうあなたが言ったから。
私は心を捨てたのに。
あなたはいきなり許しを乞うてきた。
そして優しくしてくるようになった。
ーー私が想いを捨てた後で。
どうして今更なのですかーー。
*この小説はカクヨム様、エブリスタ様でも連載しております。
【完結】公女が死んだ、その後のこと
杜野秋人
恋愛
【第17回恋愛小説大賞 奨励賞受賞しました!】
「お母様……」
冷たく薄暗く、不潔で不快な地下の罪人牢で、彼女は独り、亡き母に語りかける。その掌の中には、ひと粒の小さな白い錠剤。
古ぼけた簡易寝台に座り、彼女はそのままゆっくりと、覚悟を決めたように横たわる。
「言いつけを、守ります」
最期にそう呟いて、彼女は震える手で錠剤を口に含み、そのまま飲み下した。
こうして、第二王子ボアネルジェスの婚約者でありカストリア公爵家の次期女公爵でもある公女オフィーリアは、獄中にて自ら命を断った。
そして彼女の死後、その影響はマケダニア王国の王宮内外の至るところで噴出した。
「ええい、公務が回らん!オフィーリアは何をやっている!?」
「殿下は何を仰せか!すでに公女は儚くなられたでしょうが!」
「くっ……、な、ならば蘇生させ」
「あれから何日経つとお思いで!?お気は確かか!」
「何故だ!何故この私が裁かれねばならん!」
「そうよ!お父様も私も何も悪くないわ!悪いのは全部お義姉さまよ!」
「…………申し開きがあるのなら、今ここではなく取り調べと裁判の場で存分に申すがよいわ。⸺連れて行け」
「まっ、待て!話を」
「嫌ぁ〜!」
「今さら何しに戻ってきたかね先々代様。わしらはもう、公女さま以外にお仕えする気も従う気もないんじゃがな?」
「なっ……貴様!領主たる儂の言うことが聞けんと」
「領主だったのは亡くなった女公さまとその娘の公女さまじゃ。あの方らはあんたと違って、わしら領民を第一に考えて下さった。あんたと違ってな!」
「くっ……!」
「なっ、譲位せよだと!?」
「本国の決定にございます。これ以上の混迷は連邦友邦にまで悪影響を与えかねないと。⸺潔く観念なさいませ。さあ、ご署名を」
「おのれ、謀りおったか!」
「…………父上が悪いのですよ。あの時止めてさえいれば、彼女は死なずに済んだのに」
◆人が亡くなる描写、及びベッドシーンがあるのでR15で。生々しい表現は避けています。
◆公女が亡くなってからが本番。なので最初の方、恋愛要素はほぼありません。最後はちゃんとジャンル:恋愛です。
◆ドアマットヒロインを書こうとしたはずが。どうしてこうなった?
◆作中の演出として自死のシーンがありますが、決して推奨し助長するものではありません。早まっちゃう前に然るべき窓口に一言相談を。
◆作者の作品は特に断りなき場合、基本的に同一の世界観に基づいています。が、他作品とリンクする予定は特にありません。本作単品でお楽しみ頂けます。
◆この作品は小説家になろうでも公開します。
◆24/2/17、HOTランキング女性向け1位!?1位は初ですありがとうございます!
家出した伯爵令嬢【完結済】
弓立歩
恋愛
薬学に長けた家に生まれた伯爵令嬢のカノン。病弱だった第2王子との7年の婚約の結果は何と婚約破棄だった!これまでの尽力に対して、実家も含めあまりにもつらい仕打ちにとうとうカノンは家を出る決意をする。
番外編において暴力的なシーン等もありますので一応R15が付いています
6/21完結。今後の更新は予定しておりません。また、本編は60000字と少しで柔らかい表現で出来ております
だから聖女はいなくなった
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
「聖女ラティアーナよ。君との婚約を破棄することをここに宣言する」
レオンクル王国の王太子であるキンバリーが婚約破棄を告げた相手は聖女ラティアーナである。
彼女はその婚約破棄を黙って受け入れた。さらに彼女は、新たにキンバリーと婚約したアイニスに聖女の証である首飾りを手渡すと姿を消した。
だが、ラティアーナがいなくなってから彼女のありがたみに気づいたキンバリーだが、すでにその姿はどこにもない。
キンバリーの弟であるサディアスが、兄のためにもラティアーナを探し始める。だが、彼女を探していくうちに、なぜ彼女がキンバリーとの婚約破棄を受け入れ、聖女という地位を退いたのかの理由を知る――。
※7万字程度の中編です。
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる