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ウインティア王国編
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~アルマ・セルティ公爵令嬢視点~
今日の卒業式にはずっとお休みしていたルフラン殿下も出席されました。
壇上から生徒代表で答辞を読む姿は堂々としたもので、次期国王に相応しいお姿でごさいました。
卒業生の皆様も、在校生の皆様もルフラン殿下のお言葉に感動しておりましたわよ。
さすが、わたくしの夫となる方ですわ。
誇らしく思いましたもの。
講堂から出てきたルフラン殿下に声をお掛けしましたら、ウォルシュ嬢が現れる前と同じ鋭利な目を向けられてしまいましたわ。
妻となるわたくしを卒業パーティーでエスコートし、皆様に紹介するのではなかったのでしょうか?
いいえ、ウォルシュ嬢があんなことになってしまいましたもの、冷静な判断ができていないのかもしれません。
でも大丈夫ですわ。
わたくしが、貴方を癒しウォルシュ嬢のことなど綺麗さっぱり忘れさせてあげますわ。
貴方が本当に必要としているのは、わたくしだと早く気付いてくださいな。
ですから生徒達だけの卒業パーティーとはいえ次期国王のルフラン殿下を1人で参加させ、恥をかかせる訳にはいきません。
一月後には婚姻して王太子妃となるわたくしが、ルフラン殿下の入場に合わせるため会場の入口でお待ちしてさしあげますわ。
殿下の色を纏うわたくしと一緒に・・・入場いたしましょう。
次期国王と次期王妃!
ルフラン殿下とわたくし!
誰が見てもこれ程お似合いの2人はおりませんわ!
これで場内にいる皆様にも誰が次期王妃なのか、認識させることが出来るでしょう。
さあ早く帰って支度をしなければ。
誰よりも美しく気高い王妃になるわたくし。
はじめの一歩はルフラン殿下と共に・・・
~アラン視点~
あの日ランがエリーから離れない様子を見てレイに付き添ってもらった。
僕たちはエリーに対するランの動物の勘を信用しているからね。
エリーの存在を邪魔だと思っているのは1人や2人では無いことも分かっている。
だが、実際に行動を起こし失敗した場合を考えたら躊躇してしまうことだろう。
失敗した時点で、末路が決まったも同然なのだから・・・
影からは"セルティ嬢は大人しくしている。動く気配は今のところはない"と報告されていた。
その報告を信用しない訳では無いが、何故か嫌な予感は拭えなかった。
もし、セルティ嬢が影の存在を知っていたら?
もし、監視されることを予測していたら?
僕がセルティ嬢と同じ立場なら?
どうしても邪魔者を排除したければ、抜け道の様なものを模索してなに食わぬ顔で生活しながら、手足となる人間を動かしただろう。
キツい尋問の末、セルティ嬢がメイドを潜り込ませたのは王家のお茶会が開かれた後からだとやっと口を割った。
セルティ嬢が12歳の頃だ。
その頃から動いていたとしたら?
12歳?まだ子供だ・・・僕の考え過ぎか?
いや、僕なら12歳でも何かしら思いついただろう。
メイドの部屋からは指示を書いた手紙と一緒に3種類の毒が見つかった。
普通なら手紙など残したりしない。
実際手紙は読んだら処分しろと書かれていたが、犯行がバレた時には道連れにする為に、取っておいたそうだ。
当然だか手紙に名前などは書かれていなかった。
セルティ嬢は凄いね。感心したよ。
でもバカだよね。
誰だって人を殺すような指示を出す人間を信用する訳がないじゃないか。
メイドの弱みを握れば言いなりになると思っていたのだろうね。
メイドには体の弱い弟がおり、治療するには莫大な費用がかかる。
その治療費を出す条件だったようだ。
このメイドが最後まで守ろうとしていたのは、弟とセルティ嬢の専属侍女である妹だった・・・
残酷だよね。
狡猾だよね。
これを12歳から考え、15歳までに毒を手に入れ、時期とタイミングまで指示を出していた。
まだ、毒の入手経路は判明していない。
これは本人に直接聞けばいい。
でもその前に、僕の大事な姉に何をしたのか思い知らせてあげるよ。
絶望と共にね。
今日の卒業式にはずっとお休みしていたルフラン殿下も出席されました。
壇上から生徒代表で答辞を読む姿は堂々としたもので、次期国王に相応しいお姿でごさいました。
卒業生の皆様も、在校生の皆様もルフラン殿下のお言葉に感動しておりましたわよ。
さすが、わたくしの夫となる方ですわ。
誇らしく思いましたもの。
講堂から出てきたルフラン殿下に声をお掛けしましたら、ウォルシュ嬢が現れる前と同じ鋭利な目を向けられてしまいましたわ。
妻となるわたくしを卒業パーティーでエスコートし、皆様に紹介するのではなかったのでしょうか?
いいえ、ウォルシュ嬢があんなことになってしまいましたもの、冷静な判断ができていないのかもしれません。
でも大丈夫ですわ。
わたくしが、貴方を癒しウォルシュ嬢のことなど綺麗さっぱり忘れさせてあげますわ。
貴方が本当に必要としているのは、わたくしだと早く気付いてくださいな。
ですから生徒達だけの卒業パーティーとはいえ次期国王のルフラン殿下を1人で参加させ、恥をかかせる訳にはいきません。
一月後には婚姻して王太子妃となるわたくしが、ルフラン殿下の入場に合わせるため会場の入口でお待ちしてさしあげますわ。
殿下の色を纏うわたくしと一緒に・・・入場いたしましょう。
次期国王と次期王妃!
ルフラン殿下とわたくし!
誰が見てもこれ程お似合いの2人はおりませんわ!
これで場内にいる皆様にも誰が次期王妃なのか、認識させることが出来るでしょう。
さあ早く帰って支度をしなければ。
誰よりも美しく気高い王妃になるわたくし。
はじめの一歩はルフラン殿下と共に・・・
~アラン視点~
あの日ランがエリーから離れない様子を見てレイに付き添ってもらった。
僕たちはエリーに対するランの動物の勘を信用しているからね。
エリーの存在を邪魔だと思っているのは1人や2人では無いことも分かっている。
だが、実際に行動を起こし失敗した場合を考えたら躊躇してしまうことだろう。
失敗した時点で、末路が決まったも同然なのだから・・・
影からは"セルティ嬢は大人しくしている。動く気配は今のところはない"と報告されていた。
その報告を信用しない訳では無いが、何故か嫌な予感は拭えなかった。
もし、セルティ嬢が影の存在を知っていたら?
もし、監視されることを予測していたら?
僕がセルティ嬢と同じ立場なら?
どうしても邪魔者を排除したければ、抜け道の様なものを模索してなに食わぬ顔で生活しながら、手足となる人間を動かしただろう。
キツい尋問の末、セルティ嬢がメイドを潜り込ませたのは王家のお茶会が開かれた後からだとやっと口を割った。
セルティ嬢が12歳の頃だ。
その頃から動いていたとしたら?
12歳?まだ子供だ・・・僕の考え過ぎか?
いや、僕なら12歳でも何かしら思いついただろう。
メイドの部屋からは指示を書いた手紙と一緒に3種類の毒が見つかった。
普通なら手紙など残したりしない。
実際手紙は読んだら処分しろと書かれていたが、犯行がバレた時には道連れにする為に、取っておいたそうだ。
当然だか手紙に名前などは書かれていなかった。
セルティ嬢は凄いね。感心したよ。
でもバカだよね。
誰だって人を殺すような指示を出す人間を信用する訳がないじゃないか。
メイドの弱みを握れば言いなりになると思っていたのだろうね。
メイドには体の弱い弟がおり、治療するには莫大な費用がかかる。
その治療費を出す条件だったようだ。
このメイドが最後まで守ろうとしていたのは、弟とセルティ嬢の専属侍女である妹だった・・・
残酷だよね。
狡猾だよね。
これを12歳から考え、15歳までに毒を手に入れ、時期とタイミングまで指示を出していた。
まだ、毒の入手経路は判明していない。
これは本人に直接聞けばいい。
でもその前に、僕の大事な姉に何をしたのか思い知らせてあげるよ。
絶望と共にね。
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