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ウインティア王国編
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まあ予想通りだな。
それぞれ当主が家族を紹介して祝福の言葉をくれるが、エリーに見惚れる子息の多いことよ。中にはクラスメイトもいた。
これは仕方がない。エリーは妖精で女神だからな。
だが、妻も子供もいる当主すらエリーを舐め回すかのような目で見る奴もいる。
これはダメだ。
俺がひと睨みすれば顔色を悪くして去って行くが家名と顔は覚えたからな。
そして令嬢の中には俺よりもエリーに憧れと羨望の眼差しを向ける者が多かった。
それは分かる。
エリーは綺麗で完璧な令嬢だからな。
まあ、悔しそうな顔をしている令嬢もいたが、さすがにエリーを睨むような令嬢は殆どいなかった。
すべての挨拶が終わる頃にはパーティーも中盤に入っていた。
多少の失礼な言葉や視線は華麗に受け流し、エリーは婚約者として最後まで完璧にやり遂げてくれた。
それから俺とエリーもいつものメンバーのところに加わり、皆から労いの言葉をかけられた。
「2人ともお疲れ様」
「2人のダンス素敵だったわよ。公衆の面前でキスまでするなんてね」
「「スゴい悲鳴でしたよね」」
あの騒ぎはそれでだったのか。
「それでエリーは名前と顔一致できたの?」
アランなんの事だ?
「そうね。ほとんど覚えられたと思うわ」
まさか?
「さすがね。貴族の揃うパーティーなら顔も合わせられるものね」
「ちょっと待って下さい。それはこの会場のすべての貴族の家門と名前と顔を紹介されている間に覚えたと言うことですか?」
「少し前にね貴族図鑑で家門と名前は覚えていたのよ。ただ顔まで載っていなかったからね。だけど今日で顔も覚えたわ」
「「エリー嬢って天才だったんですか?」」
コイツら揃って相変わらず失礼だな。
「だってルフィの婚約者ですもの、この国の貴族の人は覚えないとダメでしょ?」
エリー俺のために!
「もっと驚かせると、エリーは領地ごとの産業や農作物や流通経路などすべて頭に入っているわよ」
「なんか凄すぎて言葉が出ないな」
「エリー嬢が優秀なのは知っていましたが想像以上でした。エリー嬢を執拗く追い掛けて捕まえた兄上を褒めるべきでしょうか?」
「ゾルティー!俺は執拗くない!一途なだけだ!」
「ルフラン殿下は昔からエリーが大好きですもんね」
「6歳で一目惚れしてからずっとエリーだけだ」
「ルフィ?もう一発欲しいの?」
真っ赤になった顔で拳を俺に見せるのは、拳骨の準備なのか?
「い、いらない!エリーごめん」
「「ルフラン殿下はエリー嬢に弱いですね」」
お前たち笑っているが、エリーの拳骨は本当に痛いんだからな!
楽しい仲間と過ごす時間は早く過ぎる。
「そろそろ帰りましょうか」
「そうだね。明日も学園があるからね」
「明日は学園が昼からだから、お弁当はないからね。各自家で食べてきてね」
「「残念ですが分かりました」」
「エリー嬢そんなことは気にせず今日の疲れを取ってくれ」
「ありがとうガル」
まだパーティーは続くが未成年の俺たちはこの辺で終わりだ。
一応陛下と王妃には挨拶してから会場を後にした。
それぞれの家の馬車に乗り込む中、エリーは俺が送って行くと引き止めた。
皆から呆れた眼差しを向けられたが、俺は少しでもエリーと2人で過ごしたかった。
王家の馬車に乗り込み横抱きにエリーを俺の膝に乗せ抱きしめた。
エリーの肩に顔を埋めエリーの優しい香りを堪能する。
エリーの手が俺の髪をゆっくり梳く。
顔を上げると「ルフィは甘えん坊さんね」そう言うエリーと目が合うと自然とお互いの顔が近づく。
軽いキスから徐々に深くなるキスに変わる。
キスの合間に聞こえるエリーの吐息に俺の中の欲望を抑えながらも、勝手に反応してしまう。
「間もなくウォルシュ侯爵家に到着します」
御者のその声を聞いて思い出した。
熱い目で俺を見るエリーにボタンを外しながら「ここに付けてくれるかキスマー」最後まで言う前に俺の鎖骨にエリーが歯を立てた。
少しの痛みと鎖骨をガリガリと噛む刺激が気持ちいい。
そして吸い付いた後「ごめんね歯型が付いちゃった。ルフィの鎖骨を見たら食べたくなっちゃったの」ペロリと舌を出す濡れたエリーの唇がとても魅惑的で再度唇を塞ごうと手が伸びた。
その時御者の「到着しました。扉を開けてもよろしいでしょうか」の声でなんとか思いとどまれたが危なかった。
「ルフィ鏡を見て驚かないでね」と言いながらボタンを留めてくれる。
馬車から降りるエリーの手を引き、また明日とエリーの姿が邸の中に消えるまで見送った。
「報告しろ」
月明かりだけが射し込む執務室で影に報告させる。
『会場内で不審な動きをする者はおりませんでしたが、一人常識知らずの娘がいました』
「そいつも調べておけ」
『はっ』
「あの女は?」
『自室に閉じこもり物に当たり散らかしていました』
「あの女から目を離すな。少しでも動きがあれば報告しろ。小さな事でも見逃すな」
『はっ』
今日のパーティーにセルティ嬢は体調不良を理由に参加しなかったが必ず動くはずだ。
ただの貴族の令嬢が一人で動くことはできない。
誰かを巻き込むはずだ。
あの女の口車に乗せられるような愚か者が何人出てくるかだな。
「それとゾルティーの婚約者候補の家も調べておけ」
『はっ』
「行け」
その夜鏡に映る俺の鎖骨にはエリーの付けたキスマークが1つと歯型がそのままの形で鎖骨にそって何個も付いていた。
それぞれ当主が家族を紹介して祝福の言葉をくれるが、エリーに見惚れる子息の多いことよ。中にはクラスメイトもいた。
これは仕方がない。エリーは妖精で女神だからな。
だが、妻も子供もいる当主すらエリーを舐め回すかのような目で見る奴もいる。
これはダメだ。
俺がひと睨みすれば顔色を悪くして去って行くが家名と顔は覚えたからな。
そして令嬢の中には俺よりもエリーに憧れと羨望の眼差しを向ける者が多かった。
それは分かる。
エリーは綺麗で完璧な令嬢だからな。
まあ、悔しそうな顔をしている令嬢もいたが、さすがにエリーを睨むような令嬢は殆どいなかった。
すべての挨拶が終わる頃にはパーティーも中盤に入っていた。
多少の失礼な言葉や視線は華麗に受け流し、エリーは婚約者として最後まで完璧にやり遂げてくれた。
それから俺とエリーもいつものメンバーのところに加わり、皆から労いの言葉をかけられた。
「2人ともお疲れ様」
「2人のダンス素敵だったわよ。公衆の面前でキスまでするなんてね」
「「スゴい悲鳴でしたよね」」
あの騒ぎはそれでだったのか。
「それでエリーは名前と顔一致できたの?」
アランなんの事だ?
「そうね。ほとんど覚えられたと思うわ」
まさか?
「さすがね。貴族の揃うパーティーなら顔も合わせられるものね」
「ちょっと待って下さい。それはこの会場のすべての貴族の家門と名前と顔を紹介されている間に覚えたと言うことですか?」
「少し前にね貴族図鑑で家門と名前は覚えていたのよ。ただ顔まで載っていなかったからね。だけど今日で顔も覚えたわ」
「「エリー嬢って天才だったんですか?」」
コイツら揃って相変わらず失礼だな。
「だってルフィの婚約者ですもの、この国の貴族の人は覚えないとダメでしょ?」
エリー俺のために!
「もっと驚かせると、エリーは領地ごとの産業や農作物や流通経路などすべて頭に入っているわよ」
「なんか凄すぎて言葉が出ないな」
「エリー嬢が優秀なのは知っていましたが想像以上でした。エリー嬢を執拗く追い掛けて捕まえた兄上を褒めるべきでしょうか?」
「ゾルティー!俺は執拗くない!一途なだけだ!」
「ルフラン殿下は昔からエリーが大好きですもんね」
「6歳で一目惚れしてからずっとエリーだけだ」
「ルフィ?もう一発欲しいの?」
真っ赤になった顔で拳を俺に見せるのは、拳骨の準備なのか?
「い、いらない!エリーごめん」
「「ルフラン殿下はエリー嬢に弱いですね」」
お前たち笑っているが、エリーの拳骨は本当に痛いんだからな!
楽しい仲間と過ごす時間は早く過ぎる。
「そろそろ帰りましょうか」
「そうだね。明日も学園があるからね」
「明日は学園が昼からだから、お弁当はないからね。各自家で食べてきてね」
「「残念ですが分かりました」」
「エリー嬢そんなことは気にせず今日の疲れを取ってくれ」
「ありがとうガル」
まだパーティーは続くが未成年の俺たちはこの辺で終わりだ。
一応陛下と王妃には挨拶してから会場を後にした。
それぞれの家の馬車に乗り込む中、エリーは俺が送って行くと引き止めた。
皆から呆れた眼差しを向けられたが、俺は少しでもエリーと2人で過ごしたかった。
王家の馬車に乗り込み横抱きにエリーを俺の膝に乗せ抱きしめた。
エリーの肩に顔を埋めエリーの優しい香りを堪能する。
エリーの手が俺の髪をゆっくり梳く。
顔を上げると「ルフィは甘えん坊さんね」そう言うエリーと目が合うと自然とお互いの顔が近づく。
軽いキスから徐々に深くなるキスに変わる。
キスの合間に聞こえるエリーの吐息に俺の中の欲望を抑えながらも、勝手に反応してしまう。
「間もなくウォルシュ侯爵家に到着します」
御者のその声を聞いて思い出した。
熱い目で俺を見るエリーにボタンを外しながら「ここに付けてくれるかキスマー」最後まで言う前に俺の鎖骨にエリーが歯を立てた。
少しの痛みと鎖骨をガリガリと噛む刺激が気持ちいい。
そして吸い付いた後「ごめんね歯型が付いちゃった。ルフィの鎖骨を見たら食べたくなっちゃったの」ペロリと舌を出す濡れたエリーの唇がとても魅惑的で再度唇を塞ごうと手が伸びた。
その時御者の「到着しました。扉を開けてもよろしいでしょうか」の声でなんとか思いとどまれたが危なかった。
「ルフィ鏡を見て驚かないでね」と言いながらボタンを留めてくれる。
馬車から降りるエリーの手を引き、また明日とエリーの姿が邸の中に消えるまで見送った。
「報告しろ」
月明かりだけが射し込む執務室で影に報告させる。
『会場内で不審な動きをする者はおりませんでしたが、一人常識知らずの娘がいました』
「そいつも調べておけ」
『はっ』
「あの女は?」
『自室に閉じこもり物に当たり散らかしていました』
「あの女から目を離すな。少しでも動きがあれば報告しろ。小さな事でも見逃すな」
『はっ』
今日のパーティーにセルティ嬢は体調不良を理由に参加しなかったが必ず動くはずだ。
ただの貴族の令嬢が一人で動くことはできない。
誰かを巻き込むはずだ。
あの女の口車に乗せられるような愚か者が何人出てくるかだな。
「それとゾルティーの婚約者候補の家も調べておけ」
『はっ』
「行け」
その夜鏡に映る俺の鎖骨にはエリーの付けたキスマークが1つと歯型がそのままの形で鎖骨にそって何個も付いていた。
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