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早朝宿を出発し、ティアのいる公爵家本邸に到着した。

「第2王子殿下と御友人の皆様ようこそいらっしゃいました。」と並んで出迎えてくれた中にティアの姿が見えない。

どうしたのか執事に聞くと、俺達が来ることを宰相の指示で教えてないらしく、庭園でのんびり過ごしていると聞いた。

ライアンと、ダンゼルは公爵家の騎士団の鍛錬の様子を見に行くと行って練習場を案内してもらうことになり、俺はティアの居そうな場所を教えてもらった。

おい!庭園いるって広すぎるだろ!
王城以上の広さだ!
仕方なくキョロキョロしながら探していると、微かに声が聞こえる。
声の方に向かって歩くと、確かにティアの声が聞こえるが、姿が見えない。

ギョッとした。木の枝から2本の足が見えてそこからティアの歌声が聞こえる。

え?・・・え?まさかティア?
え?あの清楚なティアが?
噂で病弱と聞いていたが?
ただの噂だったのか?


近づいて下から見上げるとティアが足をブラブラさせながら海のある方向を見て楽しそうな顔をしていた。

「ティア?降りておいで」とびっくりさせないように静かに声をかけると、下にいる俺と目が合った!
久しぶりに見る紫の瞳が大きくなり、「え?なんでここにルイ様が?」と聞こえたあとはしまった!と顔に出ている。
「危ないよ?ほら降りといで」と両手を広げると、暫く躊躇っていたが上手に足を引っ掛けながら降りてきた。

もうその姿が可愛くて、笑ってしまった。
「やあ!ティアは意外とお転婆なんだね」
「ルイ様・・・お恥ずかしい所をお見せして・・」とだんだん声が小さくなる。
「これが本来のティアか~」
「誰にも言わないで下さい。」もう真っ赤っかだ。
「こんな姿学園の誰も見たことないだろうね。俺だけが知っているのか~」と口に出すとなんだか特別に思えて嬉しくなった。顔を覗き込むと目に涙を浮かべて泣きそうな顔をしている。
げ、ヤバい!
「言わない!絶対だれにも言わない!2人だけの秘密だ!」
気まずい、怒らせたか?無言が続く・・・・
「本当ですよ?」照れた顔でティアが下からにっこりと見上げてくる。
可愛い!
「も、もちろんだ!」
「さ!行こうか」自然と手を繋いだ。
白い小さいけど、柔らかい。ティアの手だ。

俺スゴい!当たり前のよう自然と手が出た!

ティアとの距離が一気に近づいた気がする。
歩きながら、宰相とレオンの許可が降りたこと、ライアンと、ダンゼルも一緒に来たことも伝える。自分だけが知らなかったことが分かるとプンプン顔になったティアも可愛い!

昼過ぎに、ティアの友人が到着してから一緒に滞在中の予定を組むことにした。
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