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しおりを挟む愚かでありがとう。
まさか私たち家族だけでなくジンとサラまで揃っているところに仕掛けてくるなんてね。本当に愚かとしか言いようがない。
しかも、見るからにゴロツキ?チンピラ?そんな男たちを従えていたところを見ると、フィオナが心が壊れた原因⋯⋯両親とアル兄様、エル姉様が目の前で殺された前回と同じ行動をしようとしていたのね。
それと⋯⋯我が家の見習い執事。
陰で『魔王』と呼ばれるお父様が殺されたなんておかしいと思っていたのよ。
まさか、見習い執事の淹れたお茶に毒が仕込まれていたなんてね。
ここにサラが居てくれて助かったわ。
サラは常時鑑定魔法を発動させているからね。
2年前から雇っている見習い執事は仕事も丁寧だし、真面目な青年だった。
そんな彼がお茶に毒をいれるなんて⋯⋯いつ彼女と知り合って何でそんなことをしたのか、これから聞き取りをするだろうけれど⋯⋯それはお父様にお任せして⋯⋯
それよりもまずは彼女だ。
取り押さえられて床に顔を押し付けられてもまだ、私を睨んでくるオルセロー嬢をワザと蔑むような目で見下ろしてやる。
今度はアンタが怯える番よ。
~クスター・オルセロー男爵令嬢視点~
計画は万全だ。
学園で誰にも相手にされなくても街に繰り出せば、次々とあたしに声を掛けてくる男たち。
見るからに上品な貴族の男性は残念だけれど今はお呼びではない。
今回あたしが探しているのは⋯⋯「よう。暇なんだろ?俺たちが遊んでやろうか?」「楽しいことしようぜ」そう、こんな男たち。
彼らを利用するために気持ち悪いのを我慢して相手をしてあげた。
密室に6人の男とあたし。
何度も気を失うほどの快楽を与えられた。
でも、目的を達成するために意識のある間は彼らを煽て続けた。
一日目で部屋はむせ返るような体臭と体液の匂いで充満していた。それが3日間続いた。
あたしは微かに洗脳魔法が使える。普段それを使用しても掛かる成功率はかなり低い。
でも、この状況と煽て続けて気が大きくなっていた男たちは見事に洗脳されてくれた。
『フォーライト公爵家を一緒に襲撃して欲しいの』
『フォーライト公爵家の美人姉妹を好きにできるわよ。もちろん彼女たちは男を知らない綺麗な身体よ』
他にもお金持ちになれるだとか、いろいろ言ってその気にさせた。
そしてもう1人、フォーライト公爵家の見習い執事。
子爵家の四男だとかで、自分は兄弟の中で誰よりも優秀なのに家督継げないことが不満だと飲み屋で愚痴をこぼしていたところを誘ってその気にさせた。
『あたしが高位貴族に嫁いだら貴方の子を跡継ぎにさせるわ』
『夫が不幸な事故に合えば、貴方を迎え入れてあげる。そして貴方が当主になるのよ』
簡単だった。
そして決行した。
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