235 / 246
四章 新しい仲間たちの始まり
皇帝と、妖精
しおりを挟む
アダド帝国の皇帝の居城には、重苦しい空気が満ちていた。
城の一室、皇帝自らが罪人となった貴族などに裁きを下すための広間。
そんな謁見の間と法廷を兼ねた場所にこの城の主要人物たちが集まっていた。
一番高い場所には、皇帝。軍事国家の主らしく、軍服を身に纏っている。
ただ、意匠は普通の軍服と同じだが、印象は大きく違っていた。
皇族を示す深みのある黄色がふんだんに使われ、肩にかかる毛皮のマントすら同じ色に染め抜かれている。
王冠代わりに頭に頂く帽子を始めとして全身至る所に宝飾品が飾られていて、重さで潰れないのか心配になるほどだ。
過剰なほどの装飾に見えるが、さすがは皇帝。威厳のある姿に似合っており、宝飾品すら引き立て役に徹している。
だが、その威厳にも、若干の陰りが見えるのは、今の事態の深刻さを示しているのだろう。
皇帝の周りには、アダドの重鎮たちが控えている。
彼らは整然と並んでいるものの、そこには多くの抜けがあり、整然と並んでいるからこそ人数が足りていないことが目立っていた。
「まったく、この地揺れは何なのだ!」
重苦しい空気に耐え切れなかったのか、一人の男が叫びを上げた。
彼は、この国の第二皇子。
今発生している理解できない事態に、彼は苛立っていた。
地揺れ。
この国では滅多になく、起こってもすぐに収まるはずだ。
それなのにもう、数時間は揺れ続けている。
地揺れの影響は少ない。
細かな揺れであり、建物などに被害を与えるほどではないからだ。
だが、異常事態は異常事態。
長く続けば様々な問題も起こって来るだろう。
皇帝の傍らに控えている重鎮たちに多くの抜けが発生しているのも、この地揺れの対処のために関係各所に散らばって行ったためだ。
ここに残っているのは、早急な動きを必要としない部署の者か、今この場で起こっていることを見届ける必要があると仕事を後回しにしている者たちだった。
「……妖精の怒りだ……」
第二皇子の言葉に答えたのは、皇帝だ。
この広間の中で唯一椅子に座っている皇帝は、片肘を手すりに乗せて頭を抱えていた。
帽子からこぼれた白い物が混ざった髪が影を落とし、彼の表情を隠している。
「そんな迷信など!」
「迷信ではない。では貴様はなぜ、地揺れが始まったのか説明できるのか?妖精に守られ、妖精から剣を与えられた、第三皇子とネレウスの騎士を傷付けようとしたと途端に始まったのだぞ?」
「……」
偶然だ!と第二皇子は叫びたかった。
だが、あまりにも時機が合い過ぎていた。
第二皇子は、そっと視線を広間の中央に向ける。
そこにいるのは、自分そっくりな薄汚れた男がいた。
床に跪き、女騎士と身を寄せ合っている。不安におびえながら、長年連れ添った夫婦のように互いを支え合っている。親密そうな姿に、第二皇子は苛立ちが隠しきず自らの髭だらけの顎を強く抑えつける。
その男は第二皇子の不詳の弟。第三皇子である。
第二皇子自らが策を講じて殺した……はずが生き残ってノコノコとアダドの帝都にまで舞い戻って来た忌まわしい存在だ。
皇帝は、第三皇子たちを処刑しようとしていた。
今更第三皇子が戻ってきたところで、揉め事の種にしかならない。ハッキリ言って、国家運営の邪魔だ。
適当な罪をでっち上げ、罪人として始末しようとした。
だが、第三皇子と女騎士の身は妖精によって守られ、女騎士は妖精から剣まで受け取っていた。
地揺れが始まったのは、その直後の事だった。
そのため皇帝は地揺れを妖精の怒りの表れとして、処刑を中断した。
アダドは建国から妖精に支えられてきた国である。
それは今まで秘密にされてきていたが、長年受け継がれてきた事実だった。
本当に第三皇子と女騎士が妖精と縁を結んだ存在だったら、殺すどころか縁を切ることすら出来ない。妖精との縁を、自らの手で失う選択はできない。
むしろ重鎮に迎えて手厚く保護する必要があるだろう。
しかし、それも不可能だ。
第三皇子はすでに死亡した人間として扱われている。暴走して先のネレウスとの海戦を仕掛けた犯罪者として処理してしまった。今更生きていましたなどと言いだせるはずがない。国を揺るがす大きな火種となる。
下手に手を出せば、妖精の怒りを買うかもしれないし、だからといって生きていたと公表して保護するにも問題がある。実に困った状況になってしまっていた。
皇帝たちはどう対処して良いか判断できず、何らかの対処法が見つかるまでこの場に留まるしかなかったのだ。
…………実のところ。
全ては偶然に過ぎなかった。
しかも、第三皇子と女騎士は妖精とは縁もゆかりもない。まったくの無関係だ。
剣を与えたのも守っていたのも、妖精ではない。グリおじさんの指示で監視と保護をしていた魔道石像のヴァルだ。それをイヴが勝手に妖精の仕業だと勘違いしてしまった。
地揺れが始まった時機が重なったのも、正真正銘の偶然。何者の意図も入っていない。
ダースとイヴは、偶然によって勘違いされ、偶然によって命を救われた。
その事にアダドの皇帝や重鎮どころか、ダースとイヴ本人たちすら気付くことが無いのは、本当に幸運と言えるだろう。嘘すらついていないのだから。
「では、どうすれば、その怒りとやらが収まるというのですか?」
苛立ちから、第二皇子は声を張り上げた。握り締める手に、力が入ってギリリと音を立てる。
「……わからぬ」
皇帝は静かに首を振る。
周囲の重鎮たちも、そっと第二皇子から目を逸らした。
「この者どもを開放すればいいのですか?」
「わからぬ」
「なにか、生贄でも必要なのですか!?」
「わからぬ」
「わからぬことばかりでは、何もできないではないですか!!何か手段は無いのか!!」
煮え切らない態度に、第二皇子の口調は荒くなっていく。もはや、皇帝に対しての態度ではない。
だが、それを責める者もいない。なにせ、何もできないことに苛立っているのは周囲の者たちも同じだったのだから。
この八方ふさがりの状況から抜け出す手段が見つかるなら、第二皇子が荒ぶるくらい許される範疇だと考えていた。
「………手段はあった」
「それは!」
皇帝の弱々しい呟きを聞き、第二皇子の顔に喜色が浮かんだ。
「それは、失われた。失わせたのは、貴様だ。第二皇子」
「…………うぐっ」
少し間を開け、第二皇子は皇帝の言葉の意味を理解して大きく息を呑んだ。
第二皇子が失わせた手段。それは、妖精の協力者との繋がりだ。
城の地下で顔を合わせていた、妖精の協力者とされるカラカラと言う名の不気味な男。その存在が妖精と連絡を取る唯一の手段だったのである。
だがその手段も失われた。
ある日突然、城の地下にあった扉が亡くなり、カラカラの姿も消えていた。
第二皇子は自分に非があったとは思っていないが、状況からすれば、カラカラが姿を消した原因は第二皇子にあるとしか思えない。
なにせ、姿を消す直前までカラカラに会っていたのは第二皇子だったのだから。
第二皇子は自分の発言から皇帝の一言を引き出してしまい、自分の首を絞めてしまった。
「それは……その……」
もしかしたら、今回の出来事は自分の行動に端を発しているかもしれないのだ。
いや、事実は違っていたとしても、先ほどの皇帝の発言を聞いた者たちはそう思い込んでしまったことだろう。このままでは、第二皇子の責任問題にまで発展してしまう。
皇帝にこれ以上余計な事を言わせないためにも、第二皇子は口を噤むしかなかった。
沈黙が続く。
誰も発言しない。
ただ、小さな地揺れによって建物が細かな音を立てているのだけが聞こえてくる。
しばらく、無言の時間が過ぎだ。
「おい、変じゃないか?」
その声を上げたのは、誰だったのかは分からない。声の主を特定することはできなかった。
「あ……」
「これは?」
次々に声が上がり、さざ波の様に広がっていったからだ。もう、誰が最初に声を上げたかなどと、気にしている場合ではなくなっていた。
全員の目が、一点に集中する。
それは、皇帝の目の前。第三皇子たちとの間の、人のいない空間だ。
そこに、白い砂のような物が上らか舞い落ち、詰み上がり始めていた。
最初は地揺れによって、天井の埃でも落ちてきているのかと思っていた。だが、白い砂は床の一部を白く埋め尽くしていく。
徐々に勢いを増していく白い砂。
ゆっくりと舞い落ちていたのが、明確に一筋の流れとなった。砂時計の砂のように、サラサラと流れて行く。
その時になって、人々はその白い砂の流れがゆっくりと動いていることに気付いた。
「これは……文字?」
声を上げたのは皇帝だ。彼の目も前だからこそ、書かれていた物を正確に読み取れたのだろう。
何も無いはずの天井から流れ落ちてきている白い砂は、その流れで床に文字を書いていた。
「……我は……妖精王……なり?」
震える声で、皇帝は白い砂で描かれた文字を読み取る。
「妖精王?それは……あっ!」
その時、広間全体に無数の光が瞬き、何者かが姿を現す。
掌に乗る小さな人型。常に全身に光を帯び、淡く輝いている。
そして、その背には虫のような翅。
それは、誰もが伝え聞いたことのある、典型的な妖精の姿をしていた。
城の一室、皇帝自らが罪人となった貴族などに裁きを下すための広間。
そんな謁見の間と法廷を兼ねた場所にこの城の主要人物たちが集まっていた。
一番高い場所には、皇帝。軍事国家の主らしく、軍服を身に纏っている。
ただ、意匠は普通の軍服と同じだが、印象は大きく違っていた。
皇族を示す深みのある黄色がふんだんに使われ、肩にかかる毛皮のマントすら同じ色に染め抜かれている。
王冠代わりに頭に頂く帽子を始めとして全身至る所に宝飾品が飾られていて、重さで潰れないのか心配になるほどだ。
過剰なほどの装飾に見えるが、さすがは皇帝。威厳のある姿に似合っており、宝飾品すら引き立て役に徹している。
だが、その威厳にも、若干の陰りが見えるのは、今の事態の深刻さを示しているのだろう。
皇帝の周りには、アダドの重鎮たちが控えている。
彼らは整然と並んでいるものの、そこには多くの抜けがあり、整然と並んでいるからこそ人数が足りていないことが目立っていた。
「まったく、この地揺れは何なのだ!」
重苦しい空気に耐え切れなかったのか、一人の男が叫びを上げた。
彼は、この国の第二皇子。
今発生している理解できない事態に、彼は苛立っていた。
地揺れ。
この国では滅多になく、起こってもすぐに収まるはずだ。
それなのにもう、数時間は揺れ続けている。
地揺れの影響は少ない。
細かな揺れであり、建物などに被害を与えるほどではないからだ。
だが、異常事態は異常事態。
長く続けば様々な問題も起こって来るだろう。
皇帝の傍らに控えている重鎮たちに多くの抜けが発生しているのも、この地揺れの対処のために関係各所に散らばって行ったためだ。
ここに残っているのは、早急な動きを必要としない部署の者か、今この場で起こっていることを見届ける必要があると仕事を後回しにしている者たちだった。
「……妖精の怒りだ……」
第二皇子の言葉に答えたのは、皇帝だ。
この広間の中で唯一椅子に座っている皇帝は、片肘を手すりに乗せて頭を抱えていた。
帽子からこぼれた白い物が混ざった髪が影を落とし、彼の表情を隠している。
「そんな迷信など!」
「迷信ではない。では貴様はなぜ、地揺れが始まったのか説明できるのか?妖精に守られ、妖精から剣を与えられた、第三皇子とネレウスの騎士を傷付けようとしたと途端に始まったのだぞ?」
「……」
偶然だ!と第二皇子は叫びたかった。
だが、あまりにも時機が合い過ぎていた。
第二皇子は、そっと視線を広間の中央に向ける。
そこにいるのは、自分そっくりな薄汚れた男がいた。
床に跪き、女騎士と身を寄せ合っている。不安におびえながら、長年連れ添った夫婦のように互いを支え合っている。親密そうな姿に、第二皇子は苛立ちが隠しきず自らの髭だらけの顎を強く抑えつける。
その男は第二皇子の不詳の弟。第三皇子である。
第二皇子自らが策を講じて殺した……はずが生き残ってノコノコとアダドの帝都にまで舞い戻って来た忌まわしい存在だ。
皇帝は、第三皇子たちを処刑しようとしていた。
今更第三皇子が戻ってきたところで、揉め事の種にしかならない。ハッキリ言って、国家運営の邪魔だ。
適当な罪をでっち上げ、罪人として始末しようとした。
だが、第三皇子と女騎士の身は妖精によって守られ、女騎士は妖精から剣まで受け取っていた。
地揺れが始まったのは、その直後の事だった。
そのため皇帝は地揺れを妖精の怒りの表れとして、処刑を中断した。
アダドは建国から妖精に支えられてきた国である。
それは今まで秘密にされてきていたが、長年受け継がれてきた事実だった。
本当に第三皇子と女騎士が妖精と縁を結んだ存在だったら、殺すどころか縁を切ることすら出来ない。妖精との縁を、自らの手で失う選択はできない。
むしろ重鎮に迎えて手厚く保護する必要があるだろう。
しかし、それも不可能だ。
第三皇子はすでに死亡した人間として扱われている。暴走して先のネレウスとの海戦を仕掛けた犯罪者として処理してしまった。今更生きていましたなどと言いだせるはずがない。国を揺るがす大きな火種となる。
下手に手を出せば、妖精の怒りを買うかもしれないし、だからといって生きていたと公表して保護するにも問題がある。実に困った状況になってしまっていた。
皇帝たちはどう対処して良いか判断できず、何らかの対処法が見つかるまでこの場に留まるしかなかったのだ。
…………実のところ。
全ては偶然に過ぎなかった。
しかも、第三皇子と女騎士は妖精とは縁もゆかりもない。まったくの無関係だ。
剣を与えたのも守っていたのも、妖精ではない。グリおじさんの指示で監視と保護をしていた魔道石像のヴァルだ。それをイヴが勝手に妖精の仕業だと勘違いしてしまった。
地揺れが始まった時機が重なったのも、正真正銘の偶然。何者の意図も入っていない。
ダースとイヴは、偶然によって勘違いされ、偶然によって命を救われた。
その事にアダドの皇帝や重鎮どころか、ダースとイヴ本人たちすら気付くことが無いのは、本当に幸運と言えるだろう。嘘すらついていないのだから。
「では、どうすれば、その怒りとやらが収まるというのですか?」
苛立ちから、第二皇子は声を張り上げた。握り締める手に、力が入ってギリリと音を立てる。
「……わからぬ」
皇帝は静かに首を振る。
周囲の重鎮たちも、そっと第二皇子から目を逸らした。
「この者どもを開放すればいいのですか?」
「わからぬ」
「なにか、生贄でも必要なのですか!?」
「わからぬ」
「わからぬことばかりでは、何もできないではないですか!!何か手段は無いのか!!」
煮え切らない態度に、第二皇子の口調は荒くなっていく。もはや、皇帝に対しての態度ではない。
だが、それを責める者もいない。なにせ、何もできないことに苛立っているのは周囲の者たちも同じだったのだから。
この八方ふさがりの状況から抜け出す手段が見つかるなら、第二皇子が荒ぶるくらい許される範疇だと考えていた。
「………手段はあった」
「それは!」
皇帝の弱々しい呟きを聞き、第二皇子の顔に喜色が浮かんだ。
「それは、失われた。失わせたのは、貴様だ。第二皇子」
「…………うぐっ」
少し間を開け、第二皇子は皇帝の言葉の意味を理解して大きく息を呑んだ。
第二皇子が失わせた手段。それは、妖精の協力者との繋がりだ。
城の地下で顔を合わせていた、妖精の協力者とされるカラカラと言う名の不気味な男。その存在が妖精と連絡を取る唯一の手段だったのである。
だがその手段も失われた。
ある日突然、城の地下にあった扉が亡くなり、カラカラの姿も消えていた。
第二皇子は自分に非があったとは思っていないが、状況からすれば、カラカラが姿を消した原因は第二皇子にあるとしか思えない。
なにせ、姿を消す直前までカラカラに会っていたのは第二皇子だったのだから。
第二皇子は自分の発言から皇帝の一言を引き出してしまい、自分の首を絞めてしまった。
「それは……その……」
もしかしたら、今回の出来事は自分の行動に端を発しているかもしれないのだ。
いや、事実は違っていたとしても、先ほどの皇帝の発言を聞いた者たちはそう思い込んでしまったことだろう。このままでは、第二皇子の責任問題にまで発展してしまう。
皇帝にこれ以上余計な事を言わせないためにも、第二皇子は口を噤むしかなかった。
沈黙が続く。
誰も発言しない。
ただ、小さな地揺れによって建物が細かな音を立てているのだけが聞こえてくる。
しばらく、無言の時間が過ぎだ。
「おい、変じゃないか?」
その声を上げたのは、誰だったのかは分からない。声の主を特定することはできなかった。
「あ……」
「これは?」
次々に声が上がり、さざ波の様に広がっていったからだ。もう、誰が最初に声を上げたかなどと、気にしている場合ではなくなっていた。
全員の目が、一点に集中する。
それは、皇帝の目の前。第三皇子たちとの間の、人のいない空間だ。
そこに、白い砂のような物が上らか舞い落ち、詰み上がり始めていた。
最初は地揺れによって、天井の埃でも落ちてきているのかと思っていた。だが、白い砂は床の一部を白く埋め尽くしていく。
徐々に勢いを増していく白い砂。
ゆっくりと舞い落ちていたのが、明確に一筋の流れとなった。砂時計の砂のように、サラサラと流れて行く。
その時になって、人々はその白い砂の流れがゆっくりと動いていることに気付いた。
「これは……文字?」
声を上げたのは皇帝だ。彼の目も前だからこそ、書かれていた物を正確に読み取れたのだろう。
何も無いはずの天井から流れ落ちてきている白い砂は、その流れで床に文字を書いていた。
「……我は……妖精王……なり?」
震える声で、皇帝は白い砂で描かれた文字を読み取る。
「妖精王?それは……あっ!」
その時、広間全体に無数の光が瞬き、何者かが姿を現す。
掌に乗る小さな人型。常に全身に光を帯び、淡く輝いている。
そして、その背には虫のような翅。
それは、誰もが伝え聞いたことのある、典型的な妖精の姿をしていた。
773
お気に入りに追加
32,127
あなたにおすすめの小説
【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
またね。次ね。今度ね。聞き飽きました。お断りです。
朝山みどり
ファンタジー
ミシガン伯爵家のリリーは、いつも後回しにされていた。転んで怪我をしても、熱を出しても誰もなにもしてくれない。わたしは家族じゃないんだとリリーは思っていた。
婚約者こそいるけど、相手も自分と同じ境遇の侯爵家の二男。だから、リリーは彼と家族を作りたいと願っていた。
だけど、彼は妹のアナベルとの結婚を望み、婚約は解消された。
リリーは失望に負けずに自身の才能を武器に道を切り開いて行った。
「なろう」「カクヨム」に投稿しています。
帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす
黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。
4年前に書いたものをリライトして載せてみます。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
5歳で前世の記憶が混入してきた --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--
ばふぉりん
ファンタジー
「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は
「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」
この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。
剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。
そんな中、この五歳児が得たスキルは
□□□□
もはや文字ですら無かった
~~~~~~~~~~~~~~~~~
本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。
本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。