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閑話
閑話 報告
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とある夜、『望郷』の斥候役であり剣士でもあるクリストフは宿屋の一室で手紙を書いていた。
宿屋で借りたランプだけが彼を照らしている。
獣脂を使った粗悪なものだが、手紙を書くために手元を照らす程度なら十分だった。
「正直に書かないとマズイよなぁ……」
彼は悩んでいた。
彼の職務上、正直に報告する義務がある。
しかし、ここ数日に起こった出来事を正直に報告してしまうと、ロアとコラルド、そしてあの従魔たちに迷惑がかかることは間違いなかった。
「とりあえず……」
そう呟きながら、この一週間の『望郷』のメンバーたちの行動を書き始める。
前回の報告の直後に起こった『ディートリヒの酒乱騒動』。
それによって発生したパーティーの資金不足と、コルネリアが行ったディートリヒへの説教と折檻の内容。
ディートリヒの恋がまた不発に終わったこと。
冒険者たちからの報復と、その対処。
資金不足を補うために受けることにした護衛依頼の内容……。
「……相変わらずのトラブルメーカーだよな」
ディートリヒへの苦笑交じりの愚痴を呟きながら、そこまでは書き上げる。
しかし、そこで筆が止まった。
ロアと従魔の事を書かないわけにいかないだろう。
今回の騒動の概要は、間違いなく彼の本国にも伝わるはずだった。
書かなければ逆に怪しまれる。
『望郷』がアルドンの森から帰ってくると、街は鷲頭獅子の話題でもちきりだった。
彼らが森に行っていた間に、街にグリフォンが現れたという話だった。
その騒動の関係者として、ロアのことは各国に伝わっていくだろう。
ただの万能職……クリストフにはロアがただの万能職とは思えないが一般的な評価で……であるロアが国際的な話題になるのは普通ならあり得ないだろうが、なにせ関わっているのがグリフォンなのだ。
間違いなくそうなるだろう。
多くのグリフォンが共通の縄張りにしている城塞迷宮という場所が有る。
そこは古代遺跡の城塞にグリフォンを始めとする多数の魔獣がが住み着いて、難攻不落の迷宮になったものだった。
飛行できる魔獣が多く住んでいるため、広範囲にわたってその周囲は人間が利用できる状態ではなく、広大な土地が空白地帯になっている。
しかもそこは肥沃な土地で、人間が住みやすそうな平地も多く含まれていた。
そこからもし別の場所にグリフォンが移動を始めたとなると、魔獣たちの力関係が崩れ、比較的人間にも攻めやすい場所に変化する可能性は高い。
そうなれば城塞迷宮攻略を各国で奪い合うことになるだろう。
そして、その後には土地の奪い合いの戦争が始まるに違いなかった。
そのため、グリフォンが関わる話題は重要な情報として扱われ、グリフォンは少しでも関わりがあれば確認に各国の人間が送り込まれてくることが多かった。
「どこまで書くか悩むな」
本国までロアたちのことが伝わるからと言って、全てを正直に書く必要はないだろう。
ロアと従魔たちには恩がある。
情報は制限したいし、報告すると混乱しか生まない情報も混ざっている。
そもそも、全て正直に報告したところで、誰も信じないだろう。
体験したクリストフ自身、夢だったのではないかと思うくらいだ。
「従魔契約のことは書けないな」
『グリフォンと会話できるようになりました!』そう言って信じる者がどれだけいるだろう。
ロアのグリフォンの声は他の誰にも聞こえないのだ。
森の中で多数のゴーレムに襲われたストレスで頭が変になったと思われて終わるに違いない。
いや、この場合は、そう思われた方がまだ幸せかもしれない。
下手に信じる者が出てくる方が最悪な結果になる。
戦力としてロアごと取り込もうと考えたり、研究の為に連れ去ろうとするものが出てきたら最悪だ。
それをあのグリフォンが許すはずがない。
ロアと従魔たち自身を守るため、全力で排除しようとするだろう。
その結果、死体の山ができるだろう。
あのグリフォンは人間を殺すことなど何とも思っていない。
『望郷』のメンバーたちが救われ、教えを受けられたのもロアの関係者だったからだ。ロアがいなければ認識さえされなかっただろう。
従魔契約の情報は自分たちのためにも、他の人間の為にも秘密にするしかない。
「ミスリルゴーレムの事も……書けないな。聖水は問題外だしな」
もし聖水の事を報告して教会関係者に伝わったら……。
最悪な展開だと教会が本国ごと潰しにかかるかもしれない。
良くて、『望郷』のメンバーは殺されるだろう。
……ロアはグリおじさんに保護されて生き残るだろうが……。
とにかく、命に関わるため、死んでも隠す必要がある。
そして、聖水の作成方法を知る原因になった聖光を発しているミスリルゴーレムの事も秘密にした方がいいだろう。
聖水に繋がる手掛かりは全て秘密にした方が良い。
「結局、冒険者ギルドでした説明の通りにしか書けないのか……」
『勇者パーティー』に何があったのか分からないが逃げてきた従魔たちをロアが保護したこと、多数のシルバーゴーレムが現れて従魔の協力もあって全て倒せたこと。
彼らが冒険者ギルドへ説明した内容は、要約するとこれだけだった。
事実、ロアがやらかした事を省けば、『望郷』が知っている事はそれだけなのだから仕方がない。
「仕方がないよな。でも……」
たったこれだけの情報でもあの人は色々と気付いてしまうかもしれない。
クリストフは頭を抱える。
この報告書を受け取る人物はそういう人間だった。
一を聞いて十を知り、知った情報で他人を脅すようなタイプの人間だ。
トラブルを起こして楽しむタイプの、トラブルメーカーだった。
自主的にトラブルを起こしていくのに、周囲の人間に嫌われないどころか尊敬を集め、愛されているという不思議な人物だ。
……トラブルを起こしまくっても嫌われないところは、仮にも親子と言うことなんだろうなぁ……。
クリストフは苦笑を浮かべながらも、報告書を書き進めるのだった。
※ ※ ※
あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
旧年中にこの閑話と1章の人物紹介を書き上げて新年からは2章をスタートするつもりだったのですが、年末年始の忙しさと、別口の忙しさ、さらに風邪をひいてしまったために大幅に遅れてしまいました。
2章は日常風景から緩やかに始めていく予定です。
よろしくお願いします。
宿屋で借りたランプだけが彼を照らしている。
獣脂を使った粗悪なものだが、手紙を書くために手元を照らす程度なら十分だった。
「正直に書かないとマズイよなぁ……」
彼は悩んでいた。
彼の職務上、正直に報告する義務がある。
しかし、ここ数日に起こった出来事を正直に報告してしまうと、ロアとコラルド、そしてあの従魔たちに迷惑がかかることは間違いなかった。
「とりあえず……」
そう呟きながら、この一週間の『望郷』のメンバーたちの行動を書き始める。
前回の報告の直後に起こった『ディートリヒの酒乱騒動』。
それによって発生したパーティーの資金不足と、コルネリアが行ったディートリヒへの説教と折檻の内容。
ディートリヒの恋がまた不発に終わったこと。
冒険者たちからの報復と、その対処。
資金不足を補うために受けることにした護衛依頼の内容……。
「……相変わらずのトラブルメーカーだよな」
ディートリヒへの苦笑交じりの愚痴を呟きながら、そこまでは書き上げる。
しかし、そこで筆が止まった。
ロアと従魔の事を書かないわけにいかないだろう。
今回の騒動の概要は、間違いなく彼の本国にも伝わるはずだった。
書かなければ逆に怪しまれる。
『望郷』がアルドンの森から帰ってくると、街は鷲頭獅子の話題でもちきりだった。
彼らが森に行っていた間に、街にグリフォンが現れたという話だった。
その騒動の関係者として、ロアのことは各国に伝わっていくだろう。
ただの万能職……クリストフにはロアがただの万能職とは思えないが一般的な評価で……であるロアが国際的な話題になるのは普通ならあり得ないだろうが、なにせ関わっているのがグリフォンなのだ。
間違いなくそうなるだろう。
多くのグリフォンが共通の縄張りにしている城塞迷宮という場所が有る。
そこは古代遺跡の城塞にグリフォンを始めとする多数の魔獣がが住み着いて、難攻不落の迷宮になったものだった。
飛行できる魔獣が多く住んでいるため、広範囲にわたってその周囲は人間が利用できる状態ではなく、広大な土地が空白地帯になっている。
しかもそこは肥沃な土地で、人間が住みやすそうな平地も多く含まれていた。
そこからもし別の場所にグリフォンが移動を始めたとなると、魔獣たちの力関係が崩れ、比較的人間にも攻めやすい場所に変化する可能性は高い。
そうなれば城塞迷宮攻略を各国で奪い合うことになるだろう。
そして、その後には土地の奪い合いの戦争が始まるに違いなかった。
そのため、グリフォンが関わる話題は重要な情報として扱われ、グリフォンは少しでも関わりがあれば確認に各国の人間が送り込まれてくることが多かった。
「どこまで書くか悩むな」
本国までロアたちのことが伝わるからと言って、全てを正直に書く必要はないだろう。
ロアと従魔たちには恩がある。
情報は制限したいし、報告すると混乱しか生まない情報も混ざっている。
そもそも、全て正直に報告したところで、誰も信じないだろう。
体験したクリストフ自身、夢だったのではないかと思うくらいだ。
「従魔契約のことは書けないな」
『グリフォンと会話できるようになりました!』そう言って信じる者がどれだけいるだろう。
ロアのグリフォンの声は他の誰にも聞こえないのだ。
森の中で多数のゴーレムに襲われたストレスで頭が変になったと思われて終わるに違いない。
いや、この場合は、そう思われた方がまだ幸せかもしれない。
下手に信じる者が出てくる方が最悪な結果になる。
戦力としてロアごと取り込もうと考えたり、研究の為に連れ去ろうとするものが出てきたら最悪だ。
それをあのグリフォンが許すはずがない。
ロアと従魔たち自身を守るため、全力で排除しようとするだろう。
その結果、死体の山ができるだろう。
あのグリフォンは人間を殺すことなど何とも思っていない。
『望郷』のメンバーたちが救われ、教えを受けられたのもロアの関係者だったからだ。ロアがいなければ認識さえされなかっただろう。
従魔契約の情報は自分たちのためにも、他の人間の為にも秘密にするしかない。
「ミスリルゴーレムの事も……書けないな。聖水は問題外だしな」
もし聖水の事を報告して教会関係者に伝わったら……。
最悪な展開だと教会が本国ごと潰しにかかるかもしれない。
良くて、『望郷』のメンバーは殺されるだろう。
……ロアはグリおじさんに保護されて生き残るだろうが……。
とにかく、命に関わるため、死んでも隠す必要がある。
そして、聖水の作成方法を知る原因になった聖光を発しているミスリルゴーレムの事も秘密にした方がいいだろう。
聖水に繋がる手掛かりは全て秘密にした方が良い。
「結局、冒険者ギルドでした説明の通りにしか書けないのか……」
『勇者パーティー』に何があったのか分からないが逃げてきた従魔たちをロアが保護したこと、多数のシルバーゴーレムが現れて従魔の協力もあって全て倒せたこと。
彼らが冒険者ギルドへ説明した内容は、要約するとこれだけだった。
事実、ロアがやらかした事を省けば、『望郷』が知っている事はそれだけなのだから仕方がない。
「仕方がないよな。でも……」
たったこれだけの情報でもあの人は色々と気付いてしまうかもしれない。
クリストフは頭を抱える。
この報告書を受け取る人物はそういう人間だった。
一を聞いて十を知り、知った情報で他人を脅すようなタイプの人間だ。
トラブルを起こして楽しむタイプの、トラブルメーカーだった。
自主的にトラブルを起こしていくのに、周囲の人間に嫌われないどころか尊敬を集め、愛されているという不思議な人物だ。
……トラブルを起こしまくっても嫌われないところは、仮にも親子と言うことなんだろうなぁ……。
クリストフは苦笑を浮かべながらも、報告書を書き進めるのだった。
※ ※ ※
あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
旧年中にこの閑話と1章の人物紹介を書き上げて新年からは2章をスタートするつもりだったのですが、年末年始の忙しさと、別口の忙しさ、さらに風邪をひいてしまったために大幅に遅れてしまいました。
2章は日常風景から緩やかに始めていく予定です。
よろしくお願いします。
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