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ヒロインはざまぁされた
第二十八話 カーティス・バクスウェル公爵
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それは、ある夏の日のこと。
「え、国王陛下が逝去なされた!?」
コニア男爵家にもたらされたその報せに、デニス・コニア男爵の素っ頓狂な声が響いた。
その声に反応して奥からアリスが顔を出し、その後ろからアルフォンスとローズが顔を出す。
本当であれば、使者は前王太子に対して気まずい思いをしただろうが、ローズの存在感に意識のすべてを持って行かれ、そういえば王太子がいたな、と気づいたのはコニア男爵領から大分離れた街道でのことだった。
さて、そんな使者のことはさておき、国王逝去のことだ。
さすがに国王が逝去したともなれば、どんな田舎貴族だろうと葬儀に出席する。しかし、ここで問題になるは元王太子のアルフォンスである。
気遣うような視線が向かうなか、アルフォンスが口を開く。
「ああ、私のことは気になさらないでください。それに、王都への立ち入りは禁じられているので、許しがなければ関所で止められます。葬儀は基本的に家長とその夫人が出席していれば問題ありませんので、私はアリスと留守番をしてます」
「う、うむ」
あまりにも普段通りの穏やかな顔で言われ、逆にデニスが動揺する。
そんな二人のやりとりを見つつ、アリスがローズにこっそり尋ねる。
「ローズ様、もしかして、国王陛下がお亡くなりになったのって・・・・・・」
「十中八九、妖精の報復でしょう」
妖精に手を出したんだから、当然でしょうと呆れたように言うローズに、デスヨネ、とアリスは頷く。
「アルフォンス様は――」
「清々してるみたいね」
爽やかなきらめくオーラを振りまくアルフォンスは、父親を亡くしたとは思えないほどにツヤツヤしている。
既に親に対する情など欠片もなく、あるのは己の命を十何年も狙ってきた最も厄介な人間への嫌悪と憎悪。その人物が消えてくれたのだから、そういう反応にもなるだろう。
それはそれとして、急な報せに屋敷の中は慌ただしくなる。
国王の急逝は国を揺るがせるが、現在この国にはアリスを含めて二人の大精霊の契約者が居る。国外からの侵略などはないだろうが、しばらく国は落ち着かないだろう。
「ベアトリス様はどうしてるかしら・・・・・・」
アリスは最愛の人のかつての婚約者に意識を向ける。
彼女はシリルに好意を抱いていたとアルフォンスから聞いたが、二人が婚約を結んだという話は聞かない。
国王が亡くなったのなら、王太子となったシリルの伴侶となる女性の選定は急務だろう。きっと、近くシリルの婚約発表がなされるに違いない。
はたして、その相手はベアトリスになるのだろうか?
「ヒロインをざまぁした悪役令嬢は、ヒーローと幸せになるのがお約束だけど、どうなるんだろう?」
そう呟いて、アリスは王都の方角に視線を向けたのだった。
***
ルビアス王国の首都、グローデンに弔いの鐘の音が響く。
主要施設の軒先には黒い旗が掲げられ、街ゆく人々は胸に黒いチーフをさしたり、首に黒いスカーフを巻いている。
大聖堂では国王の葬儀が執り行われており、公爵令嬢であるベアトリスも葬儀に参加していた。
そのベアトリスの隣にいるのは、ベアトリスより十歳年上の兄、クライヴ・バクスウェルと、その妻であるエリンだ。
ベアトリスは付添としての参列だが、兄夫妻は公爵夫妻としてこの場にいた。
そう。ベアトリスの義父であるバクスウェル公爵は、兄にその座から追い落とされたのだ。
ベアトリスが思い出すのは、国王の解呪が出来ず、屋敷に戻った数日後のことだった。
国王の自業自得な結果とはいえ、ベアトリスは愛する人の父親を救えなかった。そのことが、胸に重いものが積もる。
落ち込むベアトリスに、義父のカーティス・バクスウェル公爵は、気にすることはないとベアトリスの肩を抱き、手の甲を撫でた。
それが妙に気に障り、カーティスは慰めてくれているのにと分かっていながら、ベアトリスはその手を振り払って部屋に閉じこもった。
そうして鬱々と日々を過ごしていたある日、ベアトリスはカーティスに呼ばれ、重い腰を上げて彼の執務室へ来ていた。
「お義父様、何かご用ですか?」
「うむ。そなたの婚約のことなのだが――」
カーティスの要件は、ベアトリスの新たな婚約のことだった。
幼なじみの二人のことからベアトリスへの婚約の申し込みは減り、今回の国王の解呪が出来なかったことも影響して縁談相手の格も落ちたそうだ。そして、もちろんシリルからの申し込みもない。
やはりそうか、と落ち込むベアトリスに、カーティスが仕方のないことだと慰める。
「お前はここにずっと居ればいい」
「いえ、そんなわけにはまいりません」
ベアトリスも一応、貴族の令嬢なのだ。そういうわけにはいかないのは分かっていた。シリルのことは諦めたくないが、どこにも嫁がず、未婚のオールドミスにはなりたくなかった。
「私も公爵家の娘です。家のためにも――」
「ここに居ればいいと言ってる」
ベアトリスの言葉を遮り、強い口調でカーティスが言う。
その時、ベアトリスは義父の様子がいつもと違うことに気づいた。
「お義父様・・・・・・?」
「・・・・・・ベアトリス」
不思議そうな顔をするベアトリスに、カーティスは執務机の椅子から立ち上がり、ベアトリスの傍まで近づいてきた。そして、手を伸ばし、その手がベアトリスの頬に触れようとして――
「触るな」
白い手が、カーティスの手を掴んだ。
「ルーカス様!?」
ルーカスが突然現れ、二人の間に割って入った。
驚くベアトリスを、まるで庇うような仕草で、後ろに追いやる。
「私の契約者に触るな」
ルーカスに睨みつけられ、カーティスは一瞬ひるむも、すぐに余裕を取り戻して告げる。
「ルーカス様、ベアトリスは私の可愛い娘ですよ? 貴方様が警戒なされるようなことを私がするはずないではありませんか」
だからその手を離してほしい、と言うが、ルーカスは眉間のしわを濃くして益々強くその腕を握る。
「信じられぬ」
「・・・・・・そうですか」
それは残念だ。
そうカーティスが呟いた、次の瞬間。
「それでは、お分かりいただくまで!」
「なにっ!?」
カーティスがつけていた指輪が妖しく輝く。そして、それはいくつもの闇色の手へと形を変え、ルーカスを捕らえた。
そこからは、一瞬だった。
ルーカスに巻き付くようにしてその身を隠し、指輪に引きずり込んでしまったのだ。
「ルーカス様!?」
ベアトリスは悲鳴を上げた。
まさかの事態だった。ルーカスがカーティスの指輪に封印されてしまったのだ。
「お義父様! 何をなさいますの!?」
責めるベアトリスに、カーティスは――どろりと甘く微笑んだ。
「これで、邪魔者はいなくなった」
カーティスは、笑顔だ。
いつも見ている、笑顔だ。――本当に?
カーティスの目には愛がある。けれど、今まで見たことのない色をしている。
どろりとして、からみつくような、恐ろしくて・・・・・・悍ましい色をしている。
ベアトリスは身を固くした。
こんな様子の義父を、見たことがなかった。
恐ろしくて叫びたいのに、それをすると恐ろしいことが起きそうで、喉から息が微かに漏れるだけで、音にならない。
カーティスの手がベアトリスに伸びる。
それは、ベアトリスの頬に触れた。
ぞっとした。
汚いものが触れたと思った。
どうして義父を汚いと思ったのだろう。
頭の一部が冷静な疑問を投げかけてきたが、本能が自分にとってそれは汚いものだからだと答えた。
一気に血の気が引く。
本能が、助けを呼べと命令を下す。
凍り付いていた喉が、息を吸い込む。
悲鳴を上げるため、口を開き――
「そこまでです、義父上!」
突然、執務室の扉が乱暴に開かれた。
雪崩れ込むように、一人の青年と、騎士達が執務室に入ってくる。そして、勢いのままにベアトリスとカーティスの間に割って入った。
黒髪に紫色の瞳を持つ、ベアトリスによく似たその人は――
「お兄様!」
彼そこがバクスウェル家次期当主、クライヴ・バクスウェルだった。
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「アルフォンス様は――」
「清々してるみたいね」
爽やかなきらめくオーラを振りまくアルフォンスは、父親を亡くしたとは思えないほどにツヤツヤしている。
既に親に対する情など欠片もなく、あるのは己の命を十何年も狙ってきた最も厄介な人間への嫌悪と憎悪。その人物が消えてくれたのだから、そういう反応にもなるだろう。
それはそれとして、急な報せに屋敷の中は慌ただしくなる。
国王の急逝は国を揺るがせるが、現在この国にはアリスを含めて二人の大精霊の契約者が居る。国外からの侵略などはないだろうが、しばらく国は落ち着かないだろう。
「ベアトリス様はどうしてるかしら・・・・・・」
アリスは最愛の人のかつての婚約者に意識を向ける。
彼女はシリルに好意を抱いていたとアルフォンスから聞いたが、二人が婚約を結んだという話は聞かない。
国王が亡くなったのなら、王太子となったシリルの伴侶となる女性の選定は急務だろう。きっと、近くシリルの婚約発表がなされるに違いない。
はたして、その相手はベアトリスになるのだろうか?
「ヒロインをざまぁした悪役令嬢は、ヒーローと幸せになるのがお約束だけど、どうなるんだろう?」
そう呟いて、アリスは王都の方角に視線を向けたのだった。
***
ルビアス王国の首都、グローデンに弔いの鐘の音が響く。
主要施設の軒先には黒い旗が掲げられ、街ゆく人々は胸に黒いチーフをさしたり、首に黒いスカーフを巻いている。
大聖堂では国王の葬儀が執り行われており、公爵令嬢であるベアトリスも葬儀に参加していた。
そのベアトリスの隣にいるのは、ベアトリスより十歳年上の兄、クライヴ・バクスウェルと、その妻であるエリンだ。
ベアトリスは付添としての参列だが、兄夫妻は公爵夫妻としてこの場にいた。
そう。ベアトリスの義父であるバクスウェル公爵は、兄にその座から追い落とされたのだ。
ベアトリスが思い出すのは、国王の解呪が出来ず、屋敷に戻った数日後のことだった。
国王の自業自得な結果とはいえ、ベアトリスは愛する人の父親を救えなかった。そのことが、胸に重いものが積もる。
落ち込むベアトリスに、義父のカーティス・バクスウェル公爵は、気にすることはないとベアトリスの肩を抱き、手の甲を撫でた。
それが妙に気に障り、カーティスは慰めてくれているのにと分かっていながら、ベアトリスはその手を振り払って部屋に閉じこもった。
そうして鬱々と日々を過ごしていたある日、ベアトリスはカーティスに呼ばれ、重い腰を上げて彼の執務室へ来ていた。
「お義父様、何かご用ですか?」
「うむ。そなたの婚約のことなのだが――」
カーティスの要件は、ベアトリスの新たな婚約のことだった。
幼なじみの二人のことからベアトリスへの婚約の申し込みは減り、今回の国王の解呪が出来なかったことも影響して縁談相手の格も落ちたそうだ。そして、もちろんシリルからの申し込みもない。
やはりそうか、と落ち込むベアトリスに、カーティスが仕方のないことだと慰める。
「お前はここにずっと居ればいい」
「いえ、そんなわけにはまいりません」
ベアトリスも一応、貴族の令嬢なのだ。そういうわけにはいかないのは分かっていた。シリルのことは諦めたくないが、どこにも嫁がず、未婚のオールドミスにはなりたくなかった。
「私も公爵家の娘です。家のためにも――」
「ここに居ればいいと言ってる」
ベアトリスの言葉を遮り、強い口調でカーティスが言う。
その時、ベアトリスは義父の様子がいつもと違うことに気づいた。
「お義父様・・・・・・?」
「・・・・・・ベアトリス」
不思議そうな顔をするベアトリスに、カーティスは執務机の椅子から立ち上がり、ベアトリスの傍まで近づいてきた。そして、手を伸ばし、その手がベアトリスの頬に触れようとして――
「触るな」
白い手が、カーティスの手を掴んだ。
「ルーカス様!?」
ルーカスが突然現れ、二人の間に割って入った。
驚くベアトリスを、まるで庇うような仕草で、後ろに追いやる。
「私の契約者に触るな」
ルーカスに睨みつけられ、カーティスは一瞬ひるむも、すぐに余裕を取り戻して告げる。
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だからその手を離してほしい、と言うが、ルーカスは眉間のしわを濃くして益々強くその腕を握る。
「信じられぬ」
「・・・・・・そうですか」
それは残念だ。
そうカーティスが呟いた、次の瞬間。
「それでは、お分かりいただくまで!」
「なにっ!?」
カーティスがつけていた指輪が妖しく輝く。そして、それはいくつもの闇色の手へと形を変え、ルーカスを捕らえた。
そこからは、一瞬だった。
ルーカスに巻き付くようにしてその身を隠し、指輪に引きずり込んでしまったのだ。
「ルーカス様!?」
ベアトリスは悲鳴を上げた。
まさかの事態だった。ルーカスがカーティスの指輪に封印されてしまったのだ。
「お義父様! 何をなさいますの!?」
責めるベアトリスに、カーティスは――どろりと甘く微笑んだ。
「これで、邪魔者はいなくなった」
カーティスは、笑顔だ。
いつも見ている、笑顔だ。――本当に?
カーティスの目には愛がある。けれど、今まで見たことのない色をしている。
どろりとして、からみつくような、恐ろしくて・・・・・・悍ましい色をしている。
ベアトリスは身を固くした。
こんな様子の義父を、見たことがなかった。
恐ろしくて叫びたいのに、それをすると恐ろしいことが起きそうで、喉から息が微かに漏れるだけで、音にならない。
カーティスの手がベアトリスに伸びる。
それは、ベアトリスの頬に触れた。
ぞっとした。
汚いものが触れたと思った。
どうして義父を汚いと思ったのだろう。
頭の一部が冷静な疑問を投げかけてきたが、本能が自分にとってそれは汚いものだからだと答えた。
一気に血の気が引く。
本能が、助けを呼べと命令を下す。
凍り付いていた喉が、息を吸い込む。
悲鳴を上げるため、口を開き――
「そこまでです、義父上!」
突然、執務室の扉が乱暴に開かれた。
雪崩れ込むように、一人の青年と、騎士達が執務室に入ってくる。そして、勢いのままにベアトリスとカーティスの間に割って入った。
黒髪に紫色の瞳を持つ、ベアトリスによく似たその人は――
「お兄様!」
彼そこがバクスウェル家次期当主、クライヴ・バクスウェルだった。
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