三匹のナメクジ

人外倫理

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三匹のナメクジ

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 夕暮れの赤に染まる、森山中学校の校舎の門から、山田と岡崎がのっそりと顔を出した。



「なあ、岡崎? お前、進路(性別)決めた?」
「いや、まだ……。山田、お前は?」



「俺は、どっちかってぇと、やっぱ男かなぁ? ……なんかすでに『俺』とか言っちゃってるし?」
「それな。そういう決め方するなら、俺も男だな……」



「だよなー。てか進路希望とか、まじだりーし」
「わかる。……でもさ。進路とかない、ご先祖様の頃は、性器につっこみながら、つっこまれてた、らしーぜ?」
「いぃぃぃぃーっ、それも、やだよなぁ……」
「だよなぁ……」



「……ぶっちゃけ、お前、俺に生殖器、つっこめる?」
「いや、ないわー……。お前のことは、いい奴だとおもってっけど。突っ込むのは、ちょっとないわー」
「だよなー。俺もわりぃけど、お前はパス」
「だよなー。」
「「わははは……」」



 学び舎の外壁を背景にして、二人の乾いた笑いが響いた。



「……逆にさ……お前、誰になら、つっこんでみたい? 一応、男志望だろ?」
「お、おぉ。……まあ、男志望だけど。……そ、そういうお前は、どうなんだよ?」



「いや、お前が言えよー」
「おまえが言えよー」



・・・
・・・
・・・



 どっちから「つっこみたい相手を言うか?」で収拾がつかなくなった後で、山田が言った。


「じゃあ、せえの。で言おうぜ?」
「お、おぅ。お前ちゃんと言えよな?」
「言うから! な?」
「じゃあ……」



「せーの」
「「綾瀬!」」



 二人の意見はピタリと一致した。



「だよなー、やっぱり!」
「ああ。なんかあいつ、最近、妙に色っぽいよな?」
「わかる! なんか炭カル(※炭酸カルシウム→フェロモン)出てね?」
「出てる出てる! 良い匂いするし!」
「だいたい名字からして、女の子っぽくね?」
「それな!」



「僕がどうかしたの?」



 その声を聞いて山田と岡崎が振り返ると、張本人の綾瀬がそこにいた。二人はブワッとひや汗をかいた。



 綾瀬は無邪気な顔で小首をかしげて、二人を上目遣いにのぞきこんでいた。(脳内で再生するならば、俺ガ○ルの戸塚○加がこの場合、適切だろう)



「……いや、なんでもねぇし!」
 山田が言った。



「お前には関係ねぇよ!」
 岡崎が言った。



 二人とも思春期まっさかりの、中三男子の反応しかできなかった。



「嘘、だよね? 僕に生殖器入れたい……って、話、してたよね?」
「「…………」」



 二人とも何も言えず、それがそのまま肯定になった。



「中学入ってから、二人とも、冷たくなったよね? ……ぼ、僕だって、エッチなことに興味、あるんだよ? 僕も話に入れて欲しい……」



「お、お前……」



 二人にとって、綾瀬はもはや可愛すぎた。中学生になって、とても女の子らしく、化けたのだ。三人は幼なじみで、小学校までは一緒に登下校してきたのだが、中三になった今、二人は綾瀬のことを妙に意識するようになって、まともに会話することもできなくなっていた。


「あのさ、二人がもし、僕にその……挿れてみたいんだったら、三人で、試してみない?」
「た、試すって何を?」



「だから、その……わかるでしょ? みんなで、入れるのと、入れられるのを、試してみたらさ。……そしたら、どっちに適正あるか? わかるでしょ?」
「ま、まあ、確かに……」



 山田も岡崎も、あやふやな返事しか出来なかったが、異論はなかった。二人ともまだ、進路を「漠然と男かな?」くらいにしか考えていなかったのだ。綾瀬になら、つっこむのも、つっこまれるのも、むしろ望むところだった。



「き、今日は、僕の家、遅くまで誰も、いないから……」



 それを聞いた二人は、なしくずし的に、綾瀬の家へと向かった。



■□■□■□■□■□■□■□■□■□■



 三人は今、綾瀬の部屋の丸い大きなベッドに腰掛けていた。


 
 互いに意識しあい、チラリチラリと、お互いの顔をうかがいながら、誰も言葉を発することができずにいた。



・・・
・・・
・・・



 その静寂の時間に、山田が耐えきれなくなった。三人の中では切り込み隊長的なナメクジの山田が声をあげた。



「そ、それで、どうするんだ? その、誰と誰が……する?」
「それなんだけど……僕、ちょっと前から考えてたことあって……」
「お、おぅ?」
「三人で……いっぺんにできないかな? って思って……」



「さ、三人で?」
「う、うん……三人でこう、三角になって寝転がってさ。入れられながら、入れるの……」
「さ、三角になって、三人で……」



 二人に相手にされないようになってから、綾瀬は寂しさを感じていた。エッチなことに興味もあったが、それ以上に、二人と、もう一度仲良くなりたかった。「三人でしよう」という綾瀬の提案は「また三人で仲良くしたかった」のが主な理由であった。



(可愛い顔して、いきなりすごいプレイを要求してきたな……)
 山田は思った。



(綾瀬、ドエロだな……)
 岡崎は思った。



 綾瀬の思惑まではわからなかったが、二人に(今度もまた)異論はなかった。綾瀬に入れることも、入れてもらうことも、できるのならば本望だった。



 それに。山田も岡崎も口では「お前はパス」なんてことを言い合いながらも、密かにお互いのことを思って、抜いた経験を持っていた。複雑なお年頃なのだ。



 公正なるジャンケンの結果、綾瀬→山田→岡崎→綾瀬と、挿入ラインが決まった。



「じ、じゃあ……やって、みる?」
「お、おぅ」
「あ、あぁ」



 綾瀬を筆頭に、三人は、帽子を取り、頭パンツを脱ぎとった。それぞれの生殖器がむき出しになった。



 腰側のパンツも脱いで、生殖孔も、むきだしにした。



 可愛い綾瀬の生殖孔を見た、山田と岡崎の生殖器は、頭の右上あたりで、みるみる外へ飛び出し勃起した。



「うわぁ……二人とも、そんな、なるんだね……」



 そう言いながら、興奮した二人を見た、綾瀬の生殖器も、露わになって、勃起していった。


「ちょ、おま!!」
「で、でかっ!!」



「そんな、なるんだね」などと、驚いていた、綾瀬の生殖器が一番大きかった。二人の生殖器を足しても余りあるビッグサイズだった。



 綾瀬につっこまれる番になっていた山田は、恐怖と興奮がないまぜになった。



(あんなん、つっこまれたら、絶対ヤバイって! でも、綾瀬のだし、入れてもらいたい)



 元々ぬるぬるの山田の生殖孔は、さらにぬるぬるになった。



 綾瀬の生殖孔は、生殖器と反比例するように、とても小さかった。子どもの頃に見た、綾瀬の孔と、まるで違いがないように見えた。



 綾瀬につっこむ番になっていた岡崎は興奮と背徳感でいっぱいになった。



(あんなんにつっこんだら、絶対ヤバイって! でも、綾瀬のだし、入れちゃいたい)



 岡崎の生殖器はさらにビキビキと膨れ上がった。



 山田と岡崎は興奮の絶頂にあった。



(これでまた、二人と仲良く、なれるかな?)



 綾瀬は、純粋にそんなことを考えていた。



■□■□■□■□■□■□■□■□■□■



 三人はベッドに三角に寝転がった。



 綾瀬は頭の生殖器を、山田の股のあたりにある生殖孔へとあてがった。
 山田は、生殖孔に綾瀬の頭を押し当てられながら、岡崎の生殖孔へ、自分の頭の生殖器をあてがった。
 岡崎は、生殖孔に山田の頭を押し当てられながら、綾瀬の生殖孔へ、自分の頭の生殖器をあてがった。



「じゃあ、みんな、いい?」
「おぉぅ」
「あぁ」



「「「せーの」」」



ー ズブブブブブッ!!!! ー



「ひぎぃぃぃ!!! ひぃぃぃーーー!!!」
 綾瀬のふっといので、貫かれた山田は、メス声をあげて、あっというまに生殖器から潮を吹いた。



「ひぃぃぃーーー!!! あああああっ!!!」
 山田の潮噴きを生殖孔の中に、吹き出された岡崎は、中イキした後、せっまい綾瀬の中で潮を吹いた。



「んっ……んんっ……んんんっ!!!……ふわあっ!!!」
 岡崎に、生殖孔の中に、潮を吹かれた綾瀬は、そのまましばらく山田の中で、頭の生殖器を出し入れしていたが、耐えきれなくなり、射精した。



ー ドビュビュビュビュビュビューーーーーーーーーーーッ!!! ー



 大量の精子を中に出された山田は、また潮をふき、潮をふかれた岡崎もまた、綾瀬の中で潮をふき、その快楽でまた、綾瀬が射精した。



ー ドビュビュビューーーーっ!! ー



「はぁっ、はぁっはぁっ……はぁ……」
「あへー」
「もへー」



 呼吸を乱した綾瀬と、潮を噴いて白目を剥いた山田と岡崎がそこにいた。



・・・
・・・
・・・



 しばらく待って、三人は、逆ラインでも、試してみることにした。今度は、綾瀬←山田←岡崎←綾瀬の順だ。



・・・
・・・
・・・



「はぁっ、はぁっはぁっ……はぁ……」
「もへー」
「あへー」



 結果はよく似たものだった。



 やっぱりそこには息をきらしながら、射精を終えた綾瀬と、潮を噴いて、白目を剥いた山田と岡崎がいた。



 こうしてそれぞれの進路が決定した。



 潮を噴いて、白目を剥いた、山田と岡崎は「女」を選択した。



 でっかい生殖器で、二人に射精しまくった綾瀬は名目上「男」を選択した。



 綾瀬は、巨根、絶倫、可愛い、が売りのAV男優になった。



 裏で童顔を売りにした「小さい孔の女の子」のAV女優もしているらしい。



 山田と岡崎は、そのまま「綾瀬」と姓を変え、綾瀬の奥さんになった。



 世の中、何がきっかけで進路が変わるか? なんてわからない。これはただの、その一例にしか過ぎない物語だ。



 行く先がわからない、という一点において、人間も、なんらナメクジと変わらないのかもしれない。


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