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39、結婚記念日
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ジャキエとノワ嬢はその後、裁判にかけられた。
王妃を殺害しようとした罪は重く、すぐに死罪が確定した。
だが、王に娘が誕生したことで、恩赦が実施され、減刑された彼等は遠い異国でキツく辛い労働に従事することとなった。
地獄にいた方がマシだとさえ噂される極寒の地で。
もう二度とグレナディエ王国の土を踏むことは叶わないだろう。
「ーーあら?サラはどうしたんですか?」
春の終わり頃、ぐずる娘を夜の散歩に連れ出していた子煩悩な王は、一人で妻の待つ部屋に戻って来た。
「ぐっすり眠っていたから、少しだけクレモンティーヌにお願いしてきたんだ。今日は私達の結婚記念日だからね」
結婚式を挙げた日からもう一年が経ったのか。
あっという間ではあったが、もっと多くの時間を過ごしたような気もする。
「お酒はまだ飲めないから、ジュースで乾杯するとしよう」
マイリスが、グラスに飲み物を注いでくれた。
物見やぐらの塔で、パステッドの指輪をもらった日のことを思い出す。
今日は、部屋の中で月も泉もないけれど。
二人だけでグラスをかたむけ、乾杯をした。
「……実は今日、お医者様からゴーサインをいただいたんです」
「?」
「もう十分に身体が回復したから、夜の生活を再開しても良いって……」
その言葉を聞いて、マイリスの耳が赤くなる。
結婚して一年経つというのに、こんなにも初々しい反応を示してくれるなんて。
「そ、それじゃあ、今日は」
マイリスがグラスをテーブルに置く。
それが、始まりの合図だとリルは分かった。
「あっでも!すぐに妊娠したら母体に負担がかかるので、必ず避妊はしてくださいって」
「それは、もちろんだ」
マイリスがジリジリと距離を詰めてくる。
思わず逃げ腰になってしまうリル。
「で、でも!」
「他にも何か?」
「私まだ、お腹とかぽっこりしていて……」
「大丈夫。私は君がどんな姿になっても可愛いと思う」
そう言い終わるよりも先に、マイリスはリルをお姫様抱っこし、ベッドへと連れて行った。
柔らかなベッドの上に降ろされ、唇を奪われたかと思うと、あっという間に寝衣を剥ぎ取られる。
「……やっと、触れられる」
体を必死に隠していた腕を取られ、露わになった胸にキスをされた。
鎖骨にも脇腹にも。そして柔らかなお腹を通り太腿の内側にも。
キスしない場所など一つも存在しないように。
その一つ一つに、マイリスが愛しているとつぶやく。
ただ唇が優しく身体に触れているだけなのに、リルの中から熱いモノが溢れ出てきた。
「…ふ…」
足の爪先まで丁寧にキスをしてから、マイリスがまた登ってくる。
今度は足首からふくらはぎ。豊かなお尻を通り背中へとたどり着く。
首の後ろに最後のキスをしてから、背後から大きな手がリルの膨らみを優しく包み込んだ。
「……ん!」
指先で敏感な部分を刺激されながら、もう片方の手はリルの湿った場所へと入り込んでいく。
「…ぁ!」
胸の先端と、中を同時に責められると、もう何も考えられなくなってしまう。
もっと強い快感が欲しくていつの間にか、指の動きに合わせて腰が動いてしまっていた。
「……前より、感じやすくなったみたいだ」
「…いゃ…!いわな…いで」
大きく開かされた足。
その間にマイリスの頭が入り込む。
内腿に何度もキスをして。
確信的な部分には触れずに、マイリスの温かな舌がその周りだけを丁寧に舐める。
リルはその歯痒さに、思わず腰をくねらせた。
「…も、ガマン…でき…な!」
「フフ、仕方ないな」
マイリスが嬉しそうに、一番敏感な部分に吸い付くようにキスをした。
「はあぁん!」
敏感な部分を舌で執拗に責められ、リルの中に入るマイリスの指が一本、二本と増えていく。
そして、もう片方の手はリルの胸の膨らみに伸ばされた。
気持ちの良い場所を複数同時に責められて、もう訳がわからなくなる。
快感の波が徐々に大きくなっては、引いていく。
何度も襲ってくる波にどうにか理性を保とうとするが、一番大きな波がリルの体を満たした時。
電流が流れるように、足の裏から頭のてっぺんまで快感が一気に駆け抜けた。
「……やああ!」
自分の中がドクドクと脈打つのが分かる。
初めての体験に、放心状態になっていると
マイリスがリルの中から指をゆっくりと引き抜いた。
そして、ベッド脇のチェストから避妊薬を取り出し、たっぷりと自分のモノにつける。
「……あっ、待って!まだ…」
達したばかりで、更に敏感になっているリルの中に入って来ようとするマイリスのそれを阻止しようとしたが無理だった。
「もう、待てない」
潤った膣が、何の障害もなくマイリスをすぐに受け入れる。
一番奥にたどり着き、それでもなお、更なる奥へ進みたいというように、先端をこれでもかと押し付ける。
「ん!……んん」
一度、頂点まで達したせいか、より強い快感がリルを襲う。そんなリルの中を、自由にするマイリスだったが……。
「……ダメだ。気持ち良くてもう」
久しぶりということもあり、あっという間に限界が近づいてくる。
「…は…ぁ、まだ……まだ、だめ!」
王妃を殺害しようとした罪は重く、すぐに死罪が確定した。
だが、王に娘が誕生したことで、恩赦が実施され、減刑された彼等は遠い異国でキツく辛い労働に従事することとなった。
地獄にいた方がマシだとさえ噂される極寒の地で。
もう二度とグレナディエ王国の土を踏むことは叶わないだろう。
「ーーあら?サラはどうしたんですか?」
春の終わり頃、ぐずる娘を夜の散歩に連れ出していた子煩悩な王は、一人で妻の待つ部屋に戻って来た。
「ぐっすり眠っていたから、少しだけクレモンティーヌにお願いしてきたんだ。今日は私達の結婚記念日だからね」
結婚式を挙げた日からもう一年が経ったのか。
あっという間ではあったが、もっと多くの時間を過ごしたような気もする。
「お酒はまだ飲めないから、ジュースで乾杯するとしよう」
マイリスが、グラスに飲み物を注いでくれた。
物見やぐらの塔で、パステッドの指輪をもらった日のことを思い出す。
今日は、部屋の中で月も泉もないけれど。
二人だけでグラスをかたむけ、乾杯をした。
「……実は今日、お医者様からゴーサインをいただいたんです」
「?」
「もう十分に身体が回復したから、夜の生活を再開しても良いって……」
その言葉を聞いて、マイリスの耳が赤くなる。
結婚して一年経つというのに、こんなにも初々しい反応を示してくれるなんて。
「そ、それじゃあ、今日は」
マイリスがグラスをテーブルに置く。
それが、始まりの合図だとリルは分かった。
「あっでも!すぐに妊娠したら母体に負担がかかるので、必ず避妊はしてくださいって」
「それは、もちろんだ」
マイリスがジリジリと距離を詰めてくる。
思わず逃げ腰になってしまうリル。
「で、でも!」
「他にも何か?」
「私まだ、お腹とかぽっこりしていて……」
「大丈夫。私は君がどんな姿になっても可愛いと思う」
そう言い終わるよりも先に、マイリスはリルをお姫様抱っこし、ベッドへと連れて行った。
柔らかなベッドの上に降ろされ、唇を奪われたかと思うと、あっという間に寝衣を剥ぎ取られる。
「……やっと、触れられる」
体を必死に隠していた腕を取られ、露わになった胸にキスをされた。
鎖骨にも脇腹にも。そして柔らかなお腹を通り太腿の内側にも。
キスしない場所など一つも存在しないように。
その一つ一つに、マイリスが愛しているとつぶやく。
ただ唇が優しく身体に触れているだけなのに、リルの中から熱いモノが溢れ出てきた。
「…ふ…」
足の爪先まで丁寧にキスをしてから、マイリスがまた登ってくる。
今度は足首からふくらはぎ。豊かなお尻を通り背中へとたどり着く。
首の後ろに最後のキスをしてから、背後から大きな手がリルの膨らみを優しく包み込んだ。
「……ん!」
指先で敏感な部分を刺激されながら、もう片方の手はリルの湿った場所へと入り込んでいく。
「…ぁ!」
胸の先端と、中を同時に責められると、もう何も考えられなくなってしまう。
もっと強い快感が欲しくていつの間にか、指の動きに合わせて腰が動いてしまっていた。
「……前より、感じやすくなったみたいだ」
「…いゃ…!いわな…いで」
大きく開かされた足。
その間にマイリスの頭が入り込む。
内腿に何度もキスをして。
確信的な部分には触れずに、マイリスの温かな舌がその周りだけを丁寧に舐める。
リルはその歯痒さに、思わず腰をくねらせた。
「…も、ガマン…でき…な!」
「フフ、仕方ないな」
マイリスが嬉しそうに、一番敏感な部分に吸い付くようにキスをした。
「はあぁん!」
敏感な部分を舌で執拗に責められ、リルの中に入るマイリスの指が一本、二本と増えていく。
そして、もう片方の手はリルの胸の膨らみに伸ばされた。
気持ちの良い場所を複数同時に責められて、もう訳がわからなくなる。
快感の波が徐々に大きくなっては、引いていく。
何度も襲ってくる波にどうにか理性を保とうとするが、一番大きな波がリルの体を満たした時。
電流が流れるように、足の裏から頭のてっぺんまで快感が一気に駆け抜けた。
「……やああ!」
自分の中がドクドクと脈打つのが分かる。
初めての体験に、放心状態になっていると
マイリスがリルの中から指をゆっくりと引き抜いた。
そして、ベッド脇のチェストから避妊薬を取り出し、たっぷりと自分のモノにつける。
「……あっ、待って!まだ…」
達したばかりで、更に敏感になっているリルの中に入って来ようとするマイリスのそれを阻止しようとしたが無理だった。
「もう、待てない」
潤った膣が、何の障害もなくマイリスをすぐに受け入れる。
一番奥にたどり着き、それでもなお、更なる奥へ進みたいというように、先端をこれでもかと押し付ける。
「ん!……んん」
一度、頂点まで達したせいか、より強い快感がリルを襲う。そんなリルの中を、自由にするマイリスだったが……。
「……ダメだ。気持ち良くてもう」
久しぶりということもあり、あっという間に限界が近づいてくる。
「…は…ぁ、まだ……まだ、だめ!」
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