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【4】夜の踊り子
踊る幽霊、見る亡霊
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折角風呂に入ったのに、池に落ちてずぶぬれになってしまったので幾久はもう一度シャワーを浴び、居間に戻ると山縣が正座をさせられている真っ最中だった。
そしてその隣に正座させられているのは、さっき見た『トッキー』と自己紹介した男だった。
「ああ、いっくんあがった?」
「怪我はしちょらんか?」
心配する吉田と高杉に大丈夫っす、と答えると二人はほっとした表情になった。久坂は黙ったまま、いつも通り浴衣の袖に両腕を通している。
「えーと、あの」
なんとなく山縣が追い詰められているのは判ったので、一応気をつかって幾久は山縣に声をかけた。
「ガタ先輩、久しぶりッス」
「お前、いまそれ言う?」
空気読めねーな、という山縣に対して隣のトッキーは楽しそうに幾久に声をかけた。
「オッス!うわさのいっくん!オラトッキー!」
「や、それはさっき聞いたっすよ」
幾久の言葉に、トッキーは噴出した。
「ほんとだ!全く空気読んでない!」
げらげら笑うが、この人のほうがよっぽどこの空気を読めていないとしか思えない。
高杉もだけれど、久坂も吉田も苦虫をつぶしたような顔をしている。
(ってことは先輩なのか)
なるほどなーと幾久は納得する。このいろんな意味で傍若無人な先輩たちは基本俺様だけど、一応先輩には気を使う。山縣に対しては悪い意味で別格扱いだったけれど。
「ガタ」
高杉が一言言うと、山縣はがばっと土下座する。
「本当に申し訳ありませんでしたっ!」
「いやいや、悪いのはきょーちんじゃないよ?」
「お前だあああ!」
「そう、おいらおいらー」
山縣のことを『きょーちん』なんて気軽に名前で呼んでいるところを見ると、親しい関係のようだけど。
(そういやガタ先輩を名前で呼ぶ人って、麗子さん以外にはじめてだな)
寮母の麗子さんは、寮生をみんな名前のあだ名で呼ぶので、山縣の事も名前の矜次をもじって『きょうちゃん』と呼ぶが、生徒が呼ぶのは初めて聞いた。
山縣は必死に隣に居る『トッキー』の頭を下げさせるが、男は全く反省の色を見せない上になぜか両手でピースしている。
結果、土下座させられながら両手はピースのままというわけのわからない状態になっていて幾久は呆れた。
しかし正直、こんなどうでもいい謝罪は本当にどうでもいいのだけれど先輩達の怒るに怒れない、といった空気が嫌で幾久はトッキーに尋ねた。
「てか、なんなんすか?その服」
さっきは暗闇と驚きのあまり、のっぺらぼうにしか見えなかったが良く見ると変わったジャージだった。
「あ、これ?これねー」
ちー、とジッパーを上げていく。普通はフードつきのパーカーは首元でジッパーが止まるようになっているが、そのパーカーはジッパーが完全に上まで、つまりフードの部分も全部閉じるようになっている。
フードを頭からかぶった状態でジッパーを完全に閉めてしまうと頭の形が布越しになってしまうので、暗闇だと上半身が全身タイツか、ボーリングのピンの形に見える。それになにか変わったデザインの印刷もしてある。
「それって、全部閉じたら何も見えなくないっすか?」
顔も全部覆われてしまうのだが、トッキーは首を横に振る。
「あ、これ、この部分からちょっとだけ見えるようになってんの!外からは見えにくいんだけど、内側からはばっちり!」
目の部分を内側から指で押して言う。よくみると印刷はパーカーのフードにしてあって、ジッパーを閉めるとなにかのキャラクターの顔になるようになっている。アニメかなにかのキャラクターということは、つまり間違いなく。
「ガタ先輩のお知り合いですか?」
「お知り合いって。きょーちんの親友だよおいら」
「え?だってガタ先輩、友達はオンラインにしかいないって」
「こいつはオンラインの存在だ!」
「あーもう、ガタも直ちゃんも黙って」
頭痛をおさえるようなわざとらしいポーズで吉田が止めに入る。なおちゃん、と吉田が呼んだという事は結局幼馴染とか、知り合いとかだろう。
「えーと、いっくんごめんね?悪いのはこいつらだから」
「や、先輩らもっすよ」
幾久は首を横に振った。それは山縣がちょっとかわいそうだなという気持ちもあったし、実際他の先輩達のせいもあるなと思ったからだ。
先輩らも、という言葉に吉田と高杉、久坂もだが、山縣もトッキーこと時山も驚いた顔を見せた。
「だって、あの光ってやっぱトキヤマ……先輩?だったんじゃないんすか。栄人先輩、街灯だとか嘘ついて」
「あー……うん、それはまあ」
「ってことは雪ちゃん先輩も知ってたってことっすよね?」
「まあ、うん、」
「じゃあ、先輩らも悪いんじゃないんすか。なんでわざわざ街灯がどうとかごまかしたんすか?」
吉田と高杉と久坂が顔を見合わせるが、久坂はふわあ、とあくびをひとつすると立ち上がり「寝る」と一言だけ告げた。
「わしも」
そう言ってめずらしく高杉も立ち上がり、久坂と一緒に居間を出て行ってしまう。
「あいつら、面倒だからって」
ちっと吉田が舌打ちするが、幾久は訳が判らない。
久坂と高杉の二人が席を外してさっさと寝るということは、別にたいしたことではないという事だろうけれど。
吉田はふうとため息をつくと、山縣に言った。
「ガタ。スマホかタブレット」
「イエッサー!」
がばっと敬礼しつつ立ち上がると、ばたばたと部屋に戻り、愛用のタブレットを持ってきて吉田にさっと渡した。
「直ちゃん」
それを時山に渡すと、時山はさっさとスクロールさせてあるサイトを出して見せた。幾久もよく知っている、コメントがつけられる有名な動画サイトだ。
「これの何が?」
「いいからいいから」
そうして吉田、幾久、時山は一緒に画面を覗き込んだ。
再生数はすさまじく、これが人気のある動画であることはわかったが。
にぎやかな音楽が始まると、画面の中には二人の男が現れた。一人は普通の白いマスクをして顔を殆ど隠している。もう一人はジャージを時山のようにジッパーを頭の上まで上げて立っている。
音楽に合わせて、二人の男が息のあったダンスを見せる。コメントの数がすさまじく、なにをやっているのか見えない部分もあるほどだ。
「……見えにくいっすね」
「あ、じゃあコメントオフにするね!」
時山が画面を操作すると、さっきまですさまじい勢いで流れていたコメントが消えた。
そして画面は二人の男がずっとダンスをしているのだが。
多分、高校生くらいだろうけどこの二人、異様にダンスが上手い。
プロを目指しているに違いない、というくらいだ。幾久も感心してしまう。
時折ふざけているのに、全くダンスは乱れない。ダンスを知らない幾久であっても、この二人が年齢にはそぐわない上手さということも、素人でないことも判るくらいだ。
さっき流れていたコメントも、『うめえええええ』とか『神業』とかいった内容だった。少々大げさではあってもそのくらい言われてもおかしくないと幾久も思う。
「うまいっすね」
心底感心して幾久が言うと、目の前の時山がにこにこしながら「まじで?さんきゅ!」とにこにこしているが、なぜこの人がお礼を言うのだろうと考えて、画面を見て、もう一度時山のジャージを見た。
「……まさか?」
「そのまさか」
「……偶然?」
「と、思う?」
時山はにこにこしながら、山縣を見る。山縣はとてもばつの悪そうな顔をしていた。
幾久もいくらなんでもそこまで、と思って画面を良く見て、そして再び山縣を見る。
踊る二人の男は、目の前の時山と山縣に、ものすごくよく似ている、ような気がするのだが。
「……本当に?」
『で、ガタの馬鹿は調子にのって、それからダンスを習い始めて』
この前聞いた吉田の言葉を幾久は思い出した。
「ガタ先輩、ダンス習ってるって、そういえば」
「もう習ってねーし!やめたし!」
「でもでも、これ、ガタ先輩っすよね!」
マスクをしているから本当に判らないが、一度知ってしまえば間違いなくこの体つきは山縣だ。
「ガタ先輩、こんな動けるんすね」
だらだらしている山縣しか知らない幾久は心底驚いて言うと、時山がまた笑う。
「動くって!んな動物園のどーぶつみたいに!」
「や、だって普段ガタ先輩、全ッ然動かないっすよ?」
オンラインが俺のリアルとかばっかり言ってる山縣が、まさかこんなに軽やかに踊っているなんて幾久は思いもしなかった。
「多分、オレがここに来てから昨日までのガタ先輩をまとめても、この動画の先輩のほうが絶対にたくさん動いてる」
真剣な幾久に時山は一層笑い、山縣は舌打ちし、吉田は肩をすくめ、全員分のお茶を持ってきたのだった。
そしてその隣に正座させられているのは、さっき見た『トッキー』と自己紹介した男だった。
「ああ、いっくんあがった?」
「怪我はしちょらんか?」
心配する吉田と高杉に大丈夫っす、と答えると二人はほっとした表情になった。久坂は黙ったまま、いつも通り浴衣の袖に両腕を通している。
「えーと、あの」
なんとなく山縣が追い詰められているのは判ったので、一応気をつかって幾久は山縣に声をかけた。
「ガタ先輩、久しぶりッス」
「お前、いまそれ言う?」
空気読めねーな、という山縣に対して隣のトッキーは楽しそうに幾久に声をかけた。
「オッス!うわさのいっくん!オラトッキー!」
「や、それはさっき聞いたっすよ」
幾久の言葉に、トッキーは噴出した。
「ほんとだ!全く空気読んでない!」
げらげら笑うが、この人のほうがよっぽどこの空気を読めていないとしか思えない。
高杉もだけれど、久坂も吉田も苦虫をつぶしたような顔をしている。
(ってことは先輩なのか)
なるほどなーと幾久は納得する。このいろんな意味で傍若無人な先輩たちは基本俺様だけど、一応先輩には気を使う。山縣に対しては悪い意味で別格扱いだったけれど。
「ガタ」
高杉が一言言うと、山縣はがばっと土下座する。
「本当に申し訳ありませんでしたっ!」
「いやいや、悪いのはきょーちんじゃないよ?」
「お前だあああ!」
「そう、おいらおいらー」
山縣のことを『きょーちん』なんて気軽に名前で呼んでいるところを見ると、親しい関係のようだけど。
(そういやガタ先輩を名前で呼ぶ人って、麗子さん以外にはじめてだな)
寮母の麗子さんは、寮生をみんな名前のあだ名で呼ぶので、山縣の事も名前の矜次をもじって『きょうちゃん』と呼ぶが、生徒が呼ぶのは初めて聞いた。
山縣は必死に隣に居る『トッキー』の頭を下げさせるが、男は全く反省の色を見せない上になぜか両手でピースしている。
結果、土下座させられながら両手はピースのままというわけのわからない状態になっていて幾久は呆れた。
しかし正直、こんなどうでもいい謝罪は本当にどうでもいいのだけれど先輩達の怒るに怒れない、といった空気が嫌で幾久はトッキーに尋ねた。
「てか、なんなんすか?その服」
さっきは暗闇と驚きのあまり、のっぺらぼうにしか見えなかったが良く見ると変わったジャージだった。
「あ、これ?これねー」
ちー、とジッパーを上げていく。普通はフードつきのパーカーは首元でジッパーが止まるようになっているが、そのパーカーはジッパーが完全に上まで、つまりフードの部分も全部閉じるようになっている。
フードを頭からかぶった状態でジッパーを完全に閉めてしまうと頭の形が布越しになってしまうので、暗闇だと上半身が全身タイツか、ボーリングのピンの形に見える。それになにか変わったデザインの印刷もしてある。
「それって、全部閉じたら何も見えなくないっすか?」
顔も全部覆われてしまうのだが、トッキーは首を横に振る。
「あ、これ、この部分からちょっとだけ見えるようになってんの!外からは見えにくいんだけど、内側からはばっちり!」
目の部分を内側から指で押して言う。よくみると印刷はパーカーのフードにしてあって、ジッパーを閉めるとなにかのキャラクターの顔になるようになっている。アニメかなにかのキャラクターということは、つまり間違いなく。
「ガタ先輩のお知り合いですか?」
「お知り合いって。きょーちんの親友だよおいら」
「え?だってガタ先輩、友達はオンラインにしかいないって」
「こいつはオンラインの存在だ!」
「あーもう、ガタも直ちゃんも黙って」
頭痛をおさえるようなわざとらしいポーズで吉田が止めに入る。なおちゃん、と吉田が呼んだという事は結局幼馴染とか、知り合いとかだろう。
「えーと、いっくんごめんね?悪いのはこいつらだから」
「や、先輩らもっすよ」
幾久は首を横に振った。それは山縣がちょっとかわいそうだなという気持ちもあったし、実際他の先輩達のせいもあるなと思ったからだ。
先輩らも、という言葉に吉田と高杉、久坂もだが、山縣もトッキーこと時山も驚いた顔を見せた。
「だって、あの光ってやっぱトキヤマ……先輩?だったんじゃないんすか。栄人先輩、街灯だとか嘘ついて」
「あー……うん、それはまあ」
「ってことは雪ちゃん先輩も知ってたってことっすよね?」
「まあ、うん、」
「じゃあ、先輩らも悪いんじゃないんすか。なんでわざわざ街灯がどうとかごまかしたんすか?」
吉田と高杉と久坂が顔を見合わせるが、久坂はふわあ、とあくびをひとつすると立ち上がり「寝る」と一言だけ告げた。
「わしも」
そう言ってめずらしく高杉も立ち上がり、久坂と一緒に居間を出て行ってしまう。
「あいつら、面倒だからって」
ちっと吉田が舌打ちするが、幾久は訳が判らない。
久坂と高杉の二人が席を外してさっさと寝るということは、別にたいしたことではないという事だろうけれど。
吉田はふうとため息をつくと、山縣に言った。
「ガタ。スマホかタブレット」
「イエッサー!」
がばっと敬礼しつつ立ち上がると、ばたばたと部屋に戻り、愛用のタブレットを持ってきて吉田にさっと渡した。
「直ちゃん」
それを時山に渡すと、時山はさっさとスクロールさせてあるサイトを出して見せた。幾久もよく知っている、コメントがつけられる有名な動画サイトだ。
「これの何が?」
「いいからいいから」
そうして吉田、幾久、時山は一緒に画面を覗き込んだ。
再生数はすさまじく、これが人気のある動画であることはわかったが。
にぎやかな音楽が始まると、画面の中には二人の男が現れた。一人は普通の白いマスクをして顔を殆ど隠している。もう一人はジャージを時山のようにジッパーを頭の上まで上げて立っている。
音楽に合わせて、二人の男が息のあったダンスを見せる。コメントの数がすさまじく、なにをやっているのか見えない部分もあるほどだ。
「……見えにくいっすね」
「あ、じゃあコメントオフにするね!」
時山が画面を操作すると、さっきまですさまじい勢いで流れていたコメントが消えた。
そして画面は二人の男がずっとダンスをしているのだが。
多分、高校生くらいだろうけどこの二人、異様にダンスが上手い。
プロを目指しているに違いない、というくらいだ。幾久も感心してしまう。
時折ふざけているのに、全くダンスは乱れない。ダンスを知らない幾久であっても、この二人が年齢にはそぐわない上手さということも、素人でないことも判るくらいだ。
さっき流れていたコメントも、『うめえええええ』とか『神業』とかいった内容だった。少々大げさではあってもそのくらい言われてもおかしくないと幾久も思う。
「うまいっすね」
心底感心して幾久が言うと、目の前の時山がにこにこしながら「まじで?さんきゅ!」とにこにこしているが、なぜこの人がお礼を言うのだろうと考えて、画面を見て、もう一度時山のジャージを見た。
「……まさか?」
「そのまさか」
「……偶然?」
「と、思う?」
時山はにこにこしながら、山縣を見る。山縣はとてもばつの悪そうな顔をしていた。
幾久もいくらなんでもそこまで、と思って画面を良く見て、そして再び山縣を見る。
踊る二人の男は、目の前の時山と山縣に、ものすごくよく似ている、ような気がするのだが。
「……本当に?」
『で、ガタの馬鹿は調子にのって、それからダンスを習い始めて』
この前聞いた吉田の言葉を幾久は思い出した。
「ガタ先輩、ダンス習ってるって、そういえば」
「もう習ってねーし!やめたし!」
「でもでも、これ、ガタ先輩っすよね!」
マスクをしているから本当に判らないが、一度知ってしまえば間違いなくこの体つきは山縣だ。
「ガタ先輩、こんな動けるんすね」
だらだらしている山縣しか知らない幾久は心底驚いて言うと、時山がまた笑う。
「動くって!んな動物園のどーぶつみたいに!」
「や、だって普段ガタ先輩、全ッ然動かないっすよ?」
オンラインが俺のリアルとかばっかり言ってる山縣が、まさかこんなに軽やかに踊っているなんて幾久は思いもしなかった。
「多分、オレがここに来てから昨日までのガタ先輩をまとめても、この動画の先輩のほうが絶対にたくさん動いてる」
真剣な幾久に時山は一層笑い、山縣は舌打ちし、吉田は肩をすくめ、全員分のお茶を持ってきたのだった。
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