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三百十六話 決断2
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いつの間にか俺の背後に移動していた
魔王は、俺に向かって得体の知れない
黒い風のような物を飛ばしてきた。
俺はそれをかわして、もう一度
魔王の懐に入る。
魔王は俺の動きを目で捉えられない
ようで、無防備ににやけている。
果たしてその余裕は一体どこから
くるのか。
この魔王は何を企んでいるのか。
そんな考えが頭を過るも、とりあえず
俺は再び魔王を粉砕した。
今度は骨も残らない程に、完全に消滅
させた。
「ほ、ほう......驚いたな。
そうか......貴様がラーバの言って
いた──」
だが、そいつは再び俺の
目の前に現れた。
若干、顔をひきつらせて何かを
言っているが、俺は迷わず再び魔王を
破壊した。
「フハハハッ!! 無駄だ。
我は死なぬ。」
何だ......こいつの能力は......
何で死なないんだ?
幻覚? いや、俺が今さらそんな
手に引っかかるわけがない。
俺の目の前にいるのは間違いなく
本物だ。
じゃあ何だ? どうやってこいつは
生き返った?
俺は今までの経験を駆使して
魔王を討伐する方法を考える。
「我の倒し方でも考えているのか?」
すると、魔王は不敵に笑ってそう
言ってくる。
「貴様は確かに強い。
我の力など足下にも及ばぬ程にな。
だが、貴様が我をどれほど倒そうと
無駄よ。我は死なぬからな。」
「......」
厄介だな......もしかしたら今回の魔王は
不死身の体を持っているのかも
しれない。
だとしたら、今の俺にこいつを倒すのは
無理だ。
一度、ギルドに戻って職業を
魔法使いに変更してくるか......
魔法使いなら封印系の魔法を
使えるかもしれない。
以前も別の異世界で不死身の
魔王を封印してクリア条件を満たせた
からな。
もしもこの世界にまだ封印系の魔法が
無いのなら......俺が一から開発する
しかないか......
だが、もう一つ可能性がある。
それは魔王はいわゆる魂という物を
何個も持っている可能性。
これなら、その魂分こいつを
殺し続ければいい。
しかし、これほどの余裕を俺に
見せているのだから、その可能性は
薄いだろう。
けれど、このままこの場を離れる
前に試してみる価値はある。
そう思って俺が再び魔王の元に
接近しようとしたその時。
「!?」
後ろから誰かに抱きつかれた。
ばっと後ろを振り向くと俺に抱きついて
いたのはタチアナだった。
タチアナの体は信じられない程に
震えている。
まあ、そりゃ怖かったよな......
不死身の敵を前にしてこれだけ
仲間が倒されたんだ。
タチアナだってこんな敵を前にした
怖くなるに決まってる。
「タチアナ、ごめんな。
遅れて。でも、もう大丈──」
「殺してくれ!」
「......は?」
「今すぐこの私を殺してくれ!!
隼人!!」
魔王は、俺に向かって得体の知れない
黒い風のような物を飛ばしてきた。
俺はそれをかわして、もう一度
魔王の懐に入る。
魔王は俺の動きを目で捉えられない
ようで、無防備ににやけている。
果たしてその余裕は一体どこから
くるのか。
この魔王は何を企んでいるのか。
そんな考えが頭を過るも、とりあえず
俺は再び魔王を粉砕した。
今度は骨も残らない程に、完全に消滅
させた。
「ほ、ほう......驚いたな。
そうか......貴様がラーバの言って
いた──」
だが、そいつは再び俺の
目の前に現れた。
若干、顔をひきつらせて何かを
言っているが、俺は迷わず再び魔王を
破壊した。
「フハハハッ!! 無駄だ。
我は死なぬ。」
何だ......こいつの能力は......
何で死なないんだ?
幻覚? いや、俺が今さらそんな
手に引っかかるわけがない。
俺の目の前にいるのは間違いなく
本物だ。
じゃあ何だ? どうやってこいつは
生き返った?
俺は今までの経験を駆使して
魔王を討伐する方法を考える。
「我の倒し方でも考えているのか?」
すると、魔王は不敵に笑ってそう
言ってくる。
「貴様は確かに強い。
我の力など足下にも及ばぬ程にな。
だが、貴様が我をどれほど倒そうと
無駄よ。我は死なぬからな。」
「......」
厄介だな......もしかしたら今回の魔王は
不死身の体を持っているのかも
しれない。
だとしたら、今の俺にこいつを倒すのは
無理だ。
一度、ギルドに戻って職業を
魔法使いに変更してくるか......
魔法使いなら封印系の魔法を
使えるかもしれない。
以前も別の異世界で不死身の
魔王を封印してクリア条件を満たせた
からな。
もしもこの世界にまだ封印系の魔法が
無いのなら......俺が一から開発する
しかないか......
だが、もう一つ可能性がある。
それは魔王はいわゆる魂という物を
何個も持っている可能性。
これなら、その魂分こいつを
殺し続ければいい。
しかし、これほどの余裕を俺に
見せているのだから、その可能性は
薄いだろう。
けれど、このままこの場を離れる
前に試してみる価値はある。
そう思って俺が再び魔王の元に
接近しようとしたその時。
「!?」
後ろから誰かに抱きつかれた。
ばっと後ろを振り向くと俺に抱きついて
いたのはタチアナだった。
タチアナの体は信じられない程に
震えている。
まあ、そりゃ怖かったよな......
不死身の敵を前にしてこれだけ
仲間が倒されたんだ。
タチアナだってこんな敵を前にした
怖くなるに決まってる。
「タチアナ、ごめんな。
遅れて。でも、もう大丈──」
「殺してくれ!」
「......は?」
「今すぐこの私を殺してくれ!!
隼人!!」
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