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二百八十六話 到着3
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サッちゃんが鍵を持っていることに
気づいた一体の魔族が、サッちゃんに
襲いかかる。
バキッ!!
と、間一髪のところでサッちゃんは
ルドルフの手錠を外すことに成功し、
ルドルフは襲いかかってきた魔族の
顎をアッパーで粉砕した。
おまけに、三体の魔族も
倒してしまった。
普段は生意気で嫌われものの彼でも、
レベルは500超え。
そこら辺にいる魔族など敵ではなかった。
「......お礼なんて言いませんよ。」
ルドルフは外れた手錠に刺し込まれた
鍵を抜き取り、今度はサッちゃんの
手錠を外した。
「はい。急いでここを離れましょう!
ルドルフさん。」
二人は敵に見つからないように
慎重に一階へと移動したが、
ここは敵の本拠地。
二人が逃げ出したことなど
瞬く間に魔族達に広まった。
「ダッソウ?」
「はい! 地下から連行していた
二体の人間が、先程の揺れに乗じて
逃げ出したと。」
「どうされますか。マッドサイエン様。
魔王様に報告を──」
「ソンナノ、イラナイ。
オラッチガ、ツカマエル。
オマエタチモ、オラッチノ
ペットトイッショニ、コイ。」
「は!!」
コイツラハ、イマ、シュウゲキシテ
キテル、ニンゲンタチニ、
ムカワセヨウト、オモッテタケド、
マア、イイカ。
マッドサイエンは黒い液体で満たされた
大きな水槽から、その黒い液体を
抜き取る。
それによって、その水槽の中に
閉じ込められていた実験体達が
ようやく外に出てきた。
その数、93体。
それぞれ羽が生えていたり、
目がいくつもついていたり、
手足が何本もあったりと
まさに化け物だった。
しかし、それらに共通して
体の部位のどこかに必ず
人間の頭部があったのだった。
【魔王城 一階】
「どこなんですか!ここは!」
「シーッ。見つかっちゃいますよ!」
何とか一階までたどり着いた
二人だったが、一体自分達が
どこにいるのか全くわからず、
完全に迷ってしまっていた。
「イタイタ。マズハ、オマエラ、
イケ。」
その二人の真上の天井に、
手のこうにある吸盤で張り付いていた
マッドサイエンは、二体の魔族に
指示を出す。
ピタッ!!
その二体の内の一体には、
手が六本、足が二本生えており、
天井から床へと蜘蛛のように
二人の前に落ちてきた。
「!?」
ルドルフとサッちゃんは
その化け物を見て、咄嗟に後ろに
後退したが、その時二人は何かに
ぶつかってしまった。
壁?
ルドルフは最初そう思ったが、
振り返った二人の前にいたのは
「ぐぉおおおおおおおお!!!」
右手に金棒を持った、
体長三メートルの巨人だった。
気づいた一体の魔族が、サッちゃんに
襲いかかる。
バキッ!!
と、間一髪のところでサッちゃんは
ルドルフの手錠を外すことに成功し、
ルドルフは襲いかかってきた魔族の
顎をアッパーで粉砕した。
おまけに、三体の魔族も
倒してしまった。
普段は生意気で嫌われものの彼でも、
レベルは500超え。
そこら辺にいる魔族など敵ではなかった。
「......お礼なんて言いませんよ。」
ルドルフは外れた手錠に刺し込まれた
鍵を抜き取り、今度はサッちゃんの
手錠を外した。
「はい。急いでここを離れましょう!
ルドルフさん。」
二人は敵に見つからないように
慎重に一階へと移動したが、
ここは敵の本拠地。
二人が逃げ出したことなど
瞬く間に魔族達に広まった。
「ダッソウ?」
「はい! 地下から連行していた
二体の人間が、先程の揺れに乗じて
逃げ出したと。」
「どうされますか。マッドサイエン様。
魔王様に報告を──」
「ソンナノ、イラナイ。
オラッチガ、ツカマエル。
オマエタチモ、オラッチノ
ペットトイッショニ、コイ。」
「は!!」
コイツラハ、イマ、シュウゲキシテ
キテル、ニンゲンタチニ、
ムカワセヨウト、オモッテタケド、
マア、イイカ。
マッドサイエンは黒い液体で満たされた
大きな水槽から、その黒い液体を
抜き取る。
それによって、その水槽の中に
閉じ込められていた実験体達が
ようやく外に出てきた。
その数、93体。
それぞれ羽が生えていたり、
目がいくつもついていたり、
手足が何本もあったりと
まさに化け物だった。
しかし、それらに共通して
体の部位のどこかに必ず
人間の頭部があったのだった。
【魔王城 一階】
「どこなんですか!ここは!」
「シーッ。見つかっちゃいますよ!」
何とか一階までたどり着いた
二人だったが、一体自分達が
どこにいるのか全くわからず、
完全に迷ってしまっていた。
「イタイタ。マズハ、オマエラ、
イケ。」
その二人の真上の天井に、
手のこうにある吸盤で張り付いていた
マッドサイエンは、二体の魔族に
指示を出す。
ピタッ!!
その二体の内の一体には、
手が六本、足が二本生えており、
天井から床へと蜘蛛のように
二人の前に落ちてきた。
「!?」
ルドルフとサッちゃんは
その化け物を見て、咄嗟に後ろに
後退したが、その時二人は何かに
ぶつかってしまった。
壁?
ルドルフは最初そう思ったが、
振り返った二人の前にいたのは
「ぐぉおおおおおおおお!!!」
右手に金棒を持った、
体長三メートルの巨人だった。
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