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二百七十六話 魔王城9
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「風流 覇王の拳!!!」
カクバは魔王に向かって
怒りを込めた拳を突き出す。
が、しかし......
パシッ!!
意図も簡単に魔王はそのパンチを
受け止めた。
だが、それでもカクバは動揺する
ことなく、右手を掴まれたままの
状態で器用に体を捻り、その
勢いで魔王の頭に蹴りを入れようと
試みる。
が、これも余裕の表情で
魔王は受け止める。
「これだけか?」
「んなわけねぇだろ!!!」
そう言ってまだ自由に動かせる
左手のひらを魔王の腹部に当て
「風流 覇王砲!!!」
そこから圧縮した空気を
一気に膨張させることで
魔王をのけぞらせた。
「へっ!!」
カクバは手応えを感じて
満足そうな表情を浮かべたが、
「!?」
まだ魔王が自分の右手を離していない
ことに気づく。
「ラヴッチ バースト!!」
するとここでその手を狙って、
バーゼンが光線を放った。
鈍い音を立てて、その光線は
魔王の腕を破壊し、カクバは
解放される。
「助かったぜ!」
「あまり無茶はするななのだよ。」
「ほう......我の右腕を破壊したか......」
「忍法 雷撃手裏剣。」
腕を一本失っても、顔色一つ変えない
魔王に対して、鬼灯は間髪入れずに
攻撃を加える。
「インフェルノ!!!」
鬼灯の投げた手裏剣が
魔王に当たる直前で、
ヨーテルも同時に止めを刺す。
「ちょっと油断しすぎなんじゃない?」
ヨーテルも手応えを感じて
安堵の表情をした。
が、ここで
「まだじゃ! 魔王は
死んでおらぬ!!」
長老が叫んだ。
「でもよ、長老。あいつ
火の海に飲まれたままだぜ。
流石に焼け死んでるだろ......」
死んでるに決まってる。
いや寧ろ、これで死んでいて
くれなければ困る。
そんな思いがカクバを含む
四人の中にはあった。
だが、現実は悲惨だった。
「死んではおらぬ。なぜなら、
奴には自己再生能力があるからじゃ!」
「ほう......」
その時、燃え盛る炎の中から
あの声がする。
「知っておったのか?
長老よ。
いや......違うな......」
その声はじりじりと五人の元に
近付いてくる。
「確か......貴様は直接観察できない
ものを水晶石で判断することが
できる占い師とやらだったな。
我の能力でも占ったか。」
「......」
「マジかよ!! 長老! 教えてくれ!
奴の能力を!」
「しばし、時間をくれ。まだ
これしかわかっておらぬ。」
そう言って息を荒くしながらも、
引き続き長老は魔王の能力を
占おうとする。
その様子からしてもう既に
相当疲れているようだった。
「ああ! わかったぜ!!」
「.......了解......」
「ふむ......まだ我のあの能力に
ついてはわかっておらんか......」
ジュー
負った火傷や失った右腕を、蒸気を
発生させながらみるみるうちに
回復させていく魔王は、
じーっと何かを考え込んでいる。
「......仕方ない。先に貴様から
排除するとしよう。
貴様のような力を持っている奴が
いては厄介だ。
それに我はまだ遊び足りぬからな。」
カクバは魔王に向かって
怒りを込めた拳を突き出す。
が、しかし......
パシッ!!
意図も簡単に魔王はそのパンチを
受け止めた。
だが、それでもカクバは動揺する
ことなく、右手を掴まれたままの
状態で器用に体を捻り、その
勢いで魔王の頭に蹴りを入れようと
試みる。
が、これも余裕の表情で
魔王は受け止める。
「これだけか?」
「んなわけねぇだろ!!!」
そう言ってまだ自由に動かせる
左手のひらを魔王の腹部に当て
「風流 覇王砲!!!」
そこから圧縮した空気を
一気に膨張させることで
魔王をのけぞらせた。
「へっ!!」
カクバは手応えを感じて
満足そうな表情を浮かべたが、
「!?」
まだ魔王が自分の右手を離していない
ことに気づく。
「ラヴッチ バースト!!」
するとここでその手を狙って、
バーゼンが光線を放った。
鈍い音を立てて、その光線は
魔王の腕を破壊し、カクバは
解放される。
「助かったぜ!」
「あまり無茶はするななのだよ。」
「ほう......我の右腕を破壊したか......」
「忍法 雷撃手裏剣。」
腕を一本失っても、顔色一つ変えない
魔王に対して、鬼灯は間髪入れずに
攻撃を加える。
「インフェルノ!!!」
鬼灯の投げた手裏剣が
魔王に当たる直前で、
ヨーテルも同時に止めを刺す。
「ちょっと油断しすぎなんじゃない?」
ヨーテルも手応えを感じて
安堵の表情をした。
が、ここで
「まだじゃ! 魔王は
死んでおらぬ!!」
長老が叫んだ。
「でもよ、長老。あいつ
火の海に飲まれたままだぜ。
流石に焼け死んでるだろ......」
死んでるに決まってる。
いや寧ろ、これで死んでいて
くれなければ困る。
そんな思いがカクバを含む
四人の中にはあった。
だが、現実は悲惨だった。
「死んではおらぬ。なぜなら、
奴には自己再生能力があるからじゃ!」
「ほう......」
その時、燃え盛る炎の中から
あの声がする。
「知っておったのか?
長老よ。
いや......違うな......」
その声はじりじりと五人の元に
近付いてくる。
「確か......貴様は直接観察できない
ものを水晶石で判断することが
できる占い師とやらだったな。
我の能力でも占ったか。」
「......」
「マジかよ!! 長老! 教えてくれ!
奴の能力を!」
「しばし、時間をくれ。まだ
これしかわかっておらぬ。」
そう言って息を荒くしながらも、
引き続き長老は魔王の能力を
占おうとする。
その様子からしてもう既に
相当疲れているようだった。
「ああ! わかったぜ!!」
「.......了解......」
「ふむ......まだ我のあの能力に
ついてはわかっておらんか......」
ジュー
負った火傷や失った右腕を、蒸気を
発生させながらみるみるうちに
回復させていく魔王は、
じーっと何かを考え込んでいる。
「......仕方ない。先に貴様から
排除するとしよう。
貴様のような力を持っている奴が
いては厄介だ。
それに我はまだ遊び足りぬからな。」
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