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二百七十四話 魔王城7

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「てめぇが魔王か!!!」


「そう声を荒らげるでない。人よ。」


ガチャ、ガチャと魔王は装飾品の
金属音を立てながら、ゆっくりと
玉座から階段を降りてくる。


「我が玉座の前であるぞ。
無礼な真似はするな。」


「んだと!?」


「待つのだよ! そう身勝手な行動は
よせ! 死ぬぞ!」


「わってるよ!バーゼン!」


今にも突っ走ってしまいそうな
カクバを、バーゼンが制する。
その様子が滑稽に見えて、
魔王は馬鹿にしたように笑った。


「......お主が魔王で間違いないの
じゃな?」


「ほう......貴様だけ他の人間と
雰囲気が違うな。
......そうか、貴様が長老か。
貴様のうわさはよく耳にしたぞ。
人間の中で並外れた力を持つ者が
いるとな。」


「質問に答えるんじゃ。」


「フハハハッ!! そうであったな。
我が魔王で間違いないぞ。」


「なら、お主と
戦う前に聞いておきたいんじゃが、
捕らわれた二人を探す必要はないとは
どういうことじゃ?」


「? わからぬか?」


「......」


その魔王の不敵な笑みを見て、
長老やその場にいた者全てが
悟った。


「ふざけ──」


そうなれば、当然として怒りが
頂点に達したカクバが一番
最初に吠えるが、突如として
城が揺れ始める。


「何この揺れ!?」


「崩れるんじゃないか!?」


ゴゴゴゴゴッ!


と、不穏な地響きが職業者達の
不安を掻き立てていく。


「おい! てめぇ何したんだ!」


「安心せよ。これは選別だ。」


「は? 選別?」


「我に戦いを挑むことのできる
真の強者を決める選別だ。」


どういう意味だと皆が困惑している中、
その様子を楽しむように魔王は
不気味に笑う。


「つまり、この場にいられる真の
強者を我が今、ここで決める。」


魔王は右手を上げ何かを
ぶつぶつ唱えたかと思えば、
カクバ達が立っていた
地面に突如として魔法使い陣が
現れた。


「か、体が......」


「テイル!! だ、大丈夫か!?
おい......し、しっかり......し......
あ、あれ......? 視界が......くら......」


すると、テイルを筆頭に
次々と仲間が意識を失っていく。


「何が起こってるのよ......」


だが、ヨーテルを含む
隊長達は何も異常を感じない。
眠気も無ければ、先ほど見たいに
重力で縛られてる感覚も
なかった。
けれども、他の職業者達は
次々と倒れていく。


「......タチアナ様......」


そして、最後にそう言い残して
アルナが意識を失った。


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