150 / 351
百五十話 三日月島15
しおりを挟む
魚人達の陣地が業火に包まれる。
炎は逃げ惑う魚人達を捕まえ、
みるみるうちに燃やし尽くしていく。
敵地からある程度離れている船の上からも
その魚人の悲鳴が聞こえてきた。
「こ、これが......ナンバーツーの力
ですか......」
ルドルフはその脅威に呆気にとられる。
「ざっと、こんなものね。」
ヨーテルは敵地を半壊させ、陸地に
いた魚人のほとんどが炎を恐れて、
海に逃げ込んでいったのを見届けると
満足そうな顔をして言った。
その言葉に船内が沸く。
窮地から一転し、難を逃れたという
解放感から皆が歓喜を上げていた。
「素晴らしいです。ヨーテルさん。
流石で──」
「そんなことより、さっさっと長老を
見つけて、こんな島からおさらばよ。
わかったら早く準備しなさい。」
「は、はい。」
もはや完全にこの船の長の権限は、
ルドルフからヨーテルに移っていた。
「それにしてもどこに行ったのかしら.....
長老ってば......」
ヨーテルはそう言いながら自分のほうきに
またがる。
「長老が逃げるはずも無いし、何か
きっと理由があるんだわ......」
ヨーテルは浮遊魔法をほうきにかけると
ふわふわ空を飛びながら、
三日月島を見渡す。
「妙ね......たったあれだけの攻撃で
魔族達がああも易々とやられるなんて......」
ヨーテルは島をある程度見渡すと、
次に魚人が潜っていった海に
目をやる。
「特に異変はないわね......」
そう呟き、ヨーテルが船に
戻ろうとしたその時。
ヨーテルは船が揺れているのに
気がついた。
いや、違う。船が揺れているのではない。
船ではなく、海が揺れていたのだ。
三日月島近辺の海全体が
地震が起きているかのように、
揺れている。
船内ではもうすでにパニック状態
だった。
ヨーテルはそれを見ると、急いで
船に戻ろうとする。
「これは......」
ヨーテルは船に着地しようとした瞬間、
空の上であるものを見た。
「影?」
ヨーテルの目には船が浮かぶ
海面に、とてつもなく巨大な
影が映っていた。
炎は逃げ惑う魚人達を捕まえ、
みるみるうちに燃やし尽くしていく。
敵地からある程度離れている船の上からも
その魚人の悲鳴が聞こえてきた。
「こ、これが......ナンバーツーの力
ですか......」
ルドルフはその脅威に呆気にとられる。
「ざっと、こんなものね。」
ヨーテルは敵地を半壊させ、陸地に
いた魚人のほとんどが炎を恐れて、
海に逃げ込んでいったのを見届けると
満足そうな顔をして言った。
その言葉に船内が沸く。
窮地から一転し、難を逃れたという
解放感から皆が歓喜を上げていた。
「素晴らしいです。ヨーテルさん。
流石で──」
「そんなことより、さっさっと長老を
見つけて、こんな島からおさらばよ。
わかったら早く準備しなさい。」
「は、はい。」
もはや完全にこの船の長の権限は、
ルドルフからヨーテルに移っていた。
「それにしてもどこに行ったのかしら.....
長老ってば......」
ヨーテルはそう言いながら自分のほうきに
またがる。
「長老が逃げるはずも無いし、何か
きっと理由があるんだわ......」
ヨーテルは浮遊魔法をほうきにかけると
ふわふわ空を飛びながら、
三日月島を見渡す。
「妙ね......たったあれだけの攻撃で
魔族達がああも易々とやられるなんて......」
ヨーテルは島をある程度見渡すと、
次に魚人が潜っていった海に
目をやる。
「特に異変はないわね......」
そう呟き、ヨーテルが船に
戻ろうとしたその時。
ヨーテルは船が揺れているのに
気がついた。
いや、違う。船が揺れているのではない。
船ではなく、海が揺れていたのだ。
三日月島近辺の海全体が
地震が起きているかのように、
揺れている。
船内ではもうすでにパニック状態
だった。
ヨーテルはそれを見ると、急いで
船に戻ろうとする。
「これは......」
ヨーテルは船に着地しようとした瞬間、
空の上であるものを見た。
「影?」
ヨーテルの目には船が浮かぶ
海面に、とてつもなく巨大な
影が映っていた。
0
お気に入りに追加
112
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
ヒューマンテイム ~人間を奴隷化するスキルを使って、俺は王妃の体を手に入れる~
三浦裕
ファンタジー
【ヒューマンテイム】
人間を洗脳し、意のままに操るスキル。
非常に希少なスキルで、使い手は史上3人程度しか存在しない。
「ヒューマンテイムの力を使えば、俺はどんな人間だって意のままに操れる。あの美しい王妃に、ベッドで腰を振らせる事だって」
禁断のスキル【ヒューマンテイム】の力に目覚めた少年リュートは、その力を立身出世のために悪用する。
商人を操って富を得たり、
領主を操って権力を手にしたり、
貴族の女を操って、次々子を産ませたり。
リュートの最終目標は『王妃の胎に子種を仕込み、自らの子孫を王にする事』
王家に近づくためには、出世を重ねて国の英雄にまで上り詰める必要がある。
邪悪なスキルで王家乗っ取りを目指すリュートの、ダーク成り上がり譚!
幼馴染の彼女と妹が寝取られて、死刑になる話
島風
ファンタジー
幼馴染が俺を裏切った。そして、妹も......固い絆で結ばれていた筈の俺はほんの僅かの間に邪魔な存在になったらしい。だから、奴隷として売られた。幸い、命があったが、彼女達と俺では身分が違うらしい。
俺は二人を忘れて生きる事にした。そして細々と新しい生活を始める。だが、二人を寝とった勇者エリアスと裏切り者の幼馴染と妹は俺の前に再び現れた。
転生したら赤ん坊だった 奴隷だったお母さんと何とか幸せになっていきます
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
転生したら奴隷の赤ん坊だった
お母さんと離れ離れになりそうだったけど、何とか強くなって帰ってくることができました。
全力でお母さんと幸せを手に入れます
ーーー
カムイイムカです
今製作中の話ではないのですが前に作った話を投稿いたします
少しいいことがありましたので投稿したくなってしまいました^^
最後まで行かないシリーズですのでご了承ください
23話でおしまいになります
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
俺のスキル『性行為』がセクハラ扱いで追放されたけど、実は最強の魔王対策でした
宮富タマジ
ファンタジー
アレンのスキルはたった一つ、『性行為』。職業は『愛の剣士』で、勇者パーティの中で唯一の男性だった。
聖都ラヴィリス王国から新たな魔王討伐任務を受けたパーティは、女勇者イリスを中心に数々の魔物を倒してきたが、突如アレンのスキル名が原因で不穏な空気が漂い始める。
「アレン、あなたのスキル『性行為』について、少し話したいことがあるの」
イリスが深刻な顔で切り出した。イリスはラベンダー色の髪を少し掻き上げ、他の女性メンバーに視線を向ける。彼女たちは皆、少なからず戸惑った表情を浮かべていた。
「……どうしたんだ、イリス?」
アレンのスキル『性行為』は、女性の愛の力を取り込み、戦闘中の力として変えることができるものだった。
だがその名の通り、スキル発動には女性の『愛』、それもかなりの性的な刺激が必要で、アレンのスキルをフルに発揮するためには、女性たちとの特別な愛の共有が必要だった。
そんなアレンが周りから違和感を抱かれることは、本人も薄々感じてはいた。
「あなたのスキル、なんだか、少し不快感を覚えるようになってきたのよ」
女勇者イリスが口にした言葉に、アレンの眉がぴくりと動く。
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる