126 / 351
百二十六話 一方地上では13
しおりを挟む
「っああああ!!」
カクバは無我夢中でラーバに
突進する。
しかし
「ほーら、動きなさい。」
ラーバの命令がかかり、鬼灯と
バーゼンがカクバの前に立ちはだかる。
「っ! くそ!」
立ちはだかる二人を見た、カクバは
急ブレーキをかける。
すると、バーゼンは動きが鈍く
なったカクバに掴みかかった。
「離せ! バーゼン! おい!」
「フフ、バカですね~カクバ君。
以前も同じ行動をしていましたよ。」
バーゼンに続いて鬼灯も
カクバを拘束する。
二人の力になすすべなく身動きの
とれなくなったカクバは、にやにやと
近づいてくるラーバを今にも食い殺し
そうな目でにらみつける。
「なんで、俺だけにその操る魔法を
かけなかった。こいつらにかけれたんだ。
俺にだっていつでもかけれただろ。」
「そうですね。正直いつでもカクバ君
には私の魔法をかけれそうでしたよ。」
「じゃあ、なんで──」
「カクバ君。」
さっきまでにやにやしていたラーバが
急に真面目な顔になる。
「あなたは魔族を滅ぼしたいですか?」
「は? どういう意味だ。」
「あなたはこの三人の中で最も
魔族を嫌悪していた印象がありましたが、
違いますか?」
「......あぁ、そうだ。俺は魔族が
だいっきらいだ。親父も仲間も、
俺の大切なやつらみんな、てめぇらに
殺された。てめぇらだけはぜってぇ
この世から消してやる。」
「ハハッ、いいですね~。
そうこなくては。」
「おい、だから一体てめぇは──」
「いいですか......カクバ君。
私の言うことをよくお聞きなさい。」
「は......お、お前、な、何言って──」
「別に信じなくても構いません。
ただ、カクバ君が私達魔族を滅ぼしたい
のであれば、このことをよく覚えて
いたほうがいいですよ。」
「ざけんな!!! んなことあって
たまるかよ!!! 第一、なんで
それを俺だけに教えたんだ!」
「保険です。」
「は? どういう──」
「さ、もういいでしょう。
そろそろあなたにも私の物になって
もらいましょうか。」
そう言うとラーバは嫌がるカクバの
口を無理やりこじ開ける。
「おひっ! ひゃめろ! へなせ!」
最後の力を振り絞ってなんとか
抵抗しようとするカクバの口の中に、
ラーバは
ブハーーー
と煙を吹き込んだのだった。
「さぁ、行きましょう。お前たち。」
ラーバの命令に三人が立ち上がる。
「いい駒が手に入りましたね~。
では、私達は私の島で他の人間たちを
待ちましょうか。」
カクバは無我夢中でラーバに
突進する。
しかし
「ほーら、動きなさい。」
ラーバの命令がかかり、鬼灯と
バーゼンがカクバの前に立ちはだかる。
「っ! くそ!」
立ちはだかる二人を見た、カクバは
急ブレーキをかける。
すると、バーゼンは動きが鈍く
なったカクバに掴みかかった。
「離せ! バーゼン! おい!」
「フフ、バカですね~カクバ君。
以前も同じ行動をしていましたよ。」
バーゼンに続いて鬼灯も
カクバを拘束する。
二人の力になすすべなく身動きの
とれなくなったカクバは、にやにやと
近づいてくるラーバを今にも食い殺し
そうな目でにらみつける。
「なんで、俺だけにその操る魔法を
かけなかった。こいつらにかけれたんだ。
俺にだっていつでもかけれただろ。」
「そうですね。正直いつでもカクバ君
には私の魔法をかけれそうでしたよ。」
「じゃあ、なんで──」
「カクバ君。」
さっきまでにやにやしていたラーバが
急に真面目な顔になる。
「あなたは魔族を滅ぼしたいですか?」
「は? どういう意味だ。」
「あなたはこの三人の中で最も
魔族を嫌悪していた印象がありましたが、
違いますか?」
「......あぁ、そうだ。俺は魔族が
だいっきらいだ。親父も仲間も、
俺の大切なやつらみんな、てめぇらに
殺された。てめぇらだけはぜってぇ
この世から消してやる。」
「ハハッ、いいですね~。
そうこなくては。」
「おい、だから一体てめぇは──」
「いいですか......カクバ君。
私の言うことをよくお聞きなさい。」
「は......お、お前、な、何言って──」
「別に信じなくても構いません。
ただ、カクバ君が私達魔族を滅ぼしたい
のであれば、このことをよく覚えて
いたほうがいいですよ。」
「ざけんな!!! んなことあって
たまるかよ!!! 第一、なんで
それを俺だけに教えたんだ!」
「保険です。」
「は? どういう──」
「さ、もういいでしょう。
そろそろあなたにも私の物になって
もらいましょうか。」
そう言うとラーバは嫌がるカクバの
口を無理やりこじ開ける。
「おひっ! ひゃめろ! へなせ!」
最後の力を振り絞ってなんとか
抵抗しようとするカクバの口の中に、
ラーバは
ブハーーー
と煙を吹き込んだのだった。
「さぁ、行きましょう。お前たち。」
ラーバの命令に三人が立ち上がる。
「いい駒が手に入りましたね~。
では、私達は私の島で他の人間たちを
待ちましょうか。」
0
お気に入りに追加
110
あなたにおすすめの小説
次期当主の高貴な魔族に選ばれた新婦
日和
恋愛
平凡な高校生・愛乃は、両親から不当に扱われ、妹の美矢だけが愛されていた。大事なものを壊され、家族とのトラブルで愛乃は傷つく。絶望した愛乃は家を飛び出し、魔王の次期当主・ダルフェルトと出会う。見つけた愛乃のことを「俺の新婦」と告げたーー。
とある文官のひとりごと
きりか
BL
貧乏な弱小子爵家出身のノア・マキシム。
アシュリー王国の花形騎士団の文官として、日々頑張っているが、学生の頃からやたらと絡んでくるイケメン部隊長であるアベル・エメを大の苦手というか、天敵認定をしていた。しかし、ある日、父の借金が判明して…。
基本コメディで、少しだけシリアス?
エチシーンところか、チュッどまりで申し訳ございません(土下座)
ムーンライト様でも公開しております。
白銀の英雄と落第魔導士(仮題)
カシマカシマシ
ファンタジー
剣と魔法を極めた少年は、命をかけて魔王を討ち世界を救った。本当に守りたかった存在を失ったことを後悔し、守れなかった己を責めながら、少年は元居た世界での生涯を終える。
少年の物語は終わらなかった。
魔力を失い、愛しい妹に似た魔力と声に導かれて辿り着いたのは、少年の知る魔法が技術体系の一つとして確立された日本。
彼を使い魔として召喚したのは、周囲から落ちこぼれの誹りを受け続ける少女。
少女の苦難を知り、その優しき信念を知ったとき。少年は少女の剣になると決意する。
「今は魔力を失ったこんな身でも、世界一つ救った英雄だ。そんな俺を使い魔にしたんだから、君にはこの世界で一番の魔導士になってもらう!」
これは異世界で救世を為した英雄が、落ちこぼれ魔導士と高みを目指す学園魔導ファンタジー。
小説家になろうでも投稿しております。感想やアドバイス、一言でもいただければ幸いです。
愛された事のない男は異世界で溺愛される~嫌われからの愛され生活は想像以上に激甘でした~
宮沢ましゅまろ
BL
異世界ミスリルメイズ。
魔物とヒトの戦いが激化して、300年。
この世界では、無理矢理に召喚された異世界人が、まるで使い捨てのように駒として使われている。
30歳になる、御厨斗真(トーマ)は、22歳の頃に異世界へと召喚されたものの、異世界人が有する特殊な力がとても弱かった事。色々あり、ローレンス辺境伯の召使として他の異世界人たちと共に召し抱えられてることになったトーマは時間をかけてゆっくりと異世界に馴染んでいった。
しかし、ローレンスが寿命で亡くなったことで、長年トーマを狙っていた孫のリードから危害を加えられ、リードから逃げる事を決意。リードの妻の助けもあって、皆で逃げ出すことに成功する。
トーマの唯一の望みは「一度で良いから誰かの一番になってみたい」という事。
天涯孤独であり、過去の恋人にも騙されていただけで本当の愛を知らないトーマにとっては、その愛がたとえ一瞬の過ぎたる望みだったとしても、どうしても欲しかった。
「お前みたいな地味な男、抱けるわけがないだろう」
逃げだした先。初対面でそう言い切った美丈夫は、トーマの容姿をそう落とした。
好きになれるわけがない相手――本当ならそう思ってもおかしくないのに。
トーマはその美丈夫を愛しく思った。
どこかやさぐれた雰囲気の美丈夫の名前は、フリードリヒという。
この出会いが、誰にも愛されなかったトーマの人生を変える事になるとは、この時はまだ知らなかった。
辺境の国の王太子×内気平凡異世界人
※二章から二人の恋愛に入ります。一章最後当て馬(?)がちらりと出るあたりでちょっとムカつくかもしれませんので、気になる方は二章始まるまで待機をお勧めします。◆平日は1回更新、休日は2回更新を目指しています。
イラスト:モルト様
オレが最凶の邪神? 身に覚えがございません
ジオラマ
ファンタジー
「お帰りなさい、ご主人様」
死んだオレに話しかけてきたのは、メイドの姿をした神ゼウスだった。オレは三千年前地球に封印されていた邪神で、ゼウスのご主人様らしい。本当かよ。そんな記憶はないけれど。
そのゼウスに「この世を危機から救ってほしい」と嘆願されて、異世界に転生する。
普通の人間のオレがどうやって? と思ったが、徐々に記憶が戻って、邪神の力も解放されていく。
転生先では二人の少女・古龍バジルと転生者パセリ、さらに黒猫が仲間になった。
転生者抹殺を目的とする白装束集団、「ミカエルの使徒」と戦いを繰り返しながら、三千年前の事件の真相にたどり着いていく。
①主人公最強。典型的な俺TUEEEE.ただし、潜在能力を出し切れずピンチになることもあります。
②爽快バトルもの。ダークな物語の背景はあるものの、ライトなテーストです。
③謎解きもの。なぜ、邪神が転生したのか。一つの謎が解明するごとに新しい謎が生じる。その中で物語の核心に迫っていきます。
初恋の幼馴染兼世界を救った騎士に『恋愛対象外』だと思われている件について
皇 翼
恋愛
「フェルって本当、脳筋ゴリラだよな~。もうそこいらの男より強いじゃん?そんなんじゃ恋愛対象外認定で貰い手見つからなかったりしてな」
魔王討伐後の仲間内での祝勝会。今現在恋心を抱いている相手から言われたその言葉によって、フェリシアの心はズタズタに切り裂かれた。知っていた。この失礼で女たらしの騎士は自分のことを誰にでも基本的に『脳筋ゴリラ』や『恋愛対象外』などと言いふらして、女として見ていない事など。なにせフェリシアは彼の幼馴染だ。
しかし幼馴染だからこそそれを肯定するようなことも、テキトーに返事を返して引き下がるようなことも出来なかった。
「そんなんなら今からでも貰い手見つけてやるわよ!!」
お酒が入っていた所為だろう。気が大きくなってしまった彼女は『出来もしない』ことを片思い中の騎士・ディランに宣言してしまう。
******
・『私の片思い中の勇者が妹にプロポーズするみたいなので、諦めて逃亡したいと思います(完結済み)』のディランルート的な何かです。前々から連載希望がチラホラあったので、調子に乗って連載を始めました。
・ちゃんと単体でも読めるように執筆していくつもりです。
・でも多分、前作読んでいたほうが読みやすいかとは思います。(前作URL:https://www.alphapolis.co.jp/novel/496593841/609317899)
・前作とは別次元のお話だと思って見てやってください。(恋愛ADVゲーム的な)
・感想欄は連載終了後に開く予定です。
・ダラダラ更新します。
嫌われ者の僕
みるきぃ
BL
学園イチの嫌われ者で、イジメにあっている佐藤あおい。気が弱くてネガティブな性格な上、容姿は瓶底眼鏡で地味。しかし本当の素顔は、幼なじみで人気者の新條ゆうが知っていて誰にも見せつけないようにしていた。学園生活で、あおいの健気な優しさに皆、惹かれていき…⁈
学園イチの嫌われ者が総愛される話。
嫌われからの愛されです。ヤンデレ注意。
※他サイトで書いていたものを修正してこちらで書いてます。
悩ましき騎士団長のひとりごと
きりか
BL
アシュリー王国、最強と云われる騎士団長イザーク・ケリーが、文官リュカを伴侶として得て、幸せな日々を過ごしていた。ある日、仕事の為に、騎士団に詰めることとなったリュカ。最愛の傍に居たいがため、団長の仮眠室で、副団長アルマン・マルーンを相手に飲み比べを始め…。
ヤマもタニもない、単に、イザークがやたらとアルマンに絡んで、最後は、リュカに怒られるだけの話しです。
『悩める文官のひとりごと』の攻視点です。
ムーンライト様にも掲載しております。
よろしくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる