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百二十二話 一方地上では9

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唯一煙を吸っていない鬼灯だけが
カクバの上に乗っかっている
どろどろ人間をにらみつける。


「忍法 火炎風」


鬼灯はカクバが火傷を負わない程度の
忍術をどろどろ人間に放つ。



ジュワッ


しかし、これもどろどろ人間に吸収
されてしまった。


「......っ......」


忍術を口にしたことで、少し辺りの煙を
吸い込んでしまった鬼灯に眠気が襲って
くる。


「......!」


鬼灯はこのまま寝てしまうなら
せめて、と小刀を懐から取り出して
どろどろ人間に突進する。


ボチャッ!


鬼灯は、液体のからだで覆われている
どろどろ人間の頭部に斬りか
かったが、あと少しというところで、
鬼灯の刃はどろどろ人間のゼリー状の
液体のなかで動きが止まる。


「......この......糞......」


鬼灯はその言葉だけを言い捨てて、
悔しそうにその場にたおれこむ。


「......エォオォ......」


すると
三人が倒れ眠りに落ち、静かになった
森のなかで、カクバの上に
乗っているどろどろ人間は、自分の
ゼリー状の液体を更に溶かして、
カクバを覆っておく。


それによって、どろどろ人間の
頭部を守っていた液体が少なくなった。


ガサ......ガサ......


弱点であろう頭部を露にしている
どろどろ人間は、上の木々が
なにやらガサガサいってるのにも
気がつかず、謎の作業に没頭する。


そして、ようやくどろどろの液体が
カクバの全身を覆い、どろどろ人間が
何かをしようとしたそのときだった。


「ェオオオオオオオオオオッ!!!!!」





露になったどろどろ人間の頭に
一本の小刀が突き刺さる。


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