19 / 351
十九話 服部隼人2
しおりを挟む
「私の物になりました。」
ラーバはそう言うとニヤニヤ笑う。
「物? どういうことだ。」
「先程の私の技をかわしたご褒美
に今からそれを見せてあげましょう。
さぁ、起きなさい、私の下僕達。」
ラーバは子供を起こすかのように、
手を叩く。
「ぅ……ぅ、ぁ……」
すると先程、ラーバの吐いた煙を
吸い込んみ倒れた仲間がゾンビの
ようにうめき声を上げながら
立ち上がる。
「生き物を操る能力か、なんかか?」
「これまたご名答。
私は私が吐く息を吸った生き物を
操ることができるのです。
そういえばさっき、あなた達以外に
三人の人間がヘルドラさんの部屋に
向かっていましたね……
今頃は、私の物となった自分達の
仲間と戦っているのではないでし
ょうか。あ~愉快、愉快。
早く私も見物に行きたいものです。」
「私だ! タチアナだ!
聞こえないのか!?」
タチアナは亡者となった自分の部下に
必死に話かける。
自分は傷を負いながらも、決して
仲間である部下に血を流させることなく。
「ハハッ、無駄だ。どんなに話しかけ
てもそいつらはお前らのことなんか忘
れてる。なぜなら、そいつらラーバ
の呪術にかかってんだからな。」
両目が見えなくなっても、タチアナ達が
自分の騎士に苦戦しているのは
わかっているようで、必死に
救おうとする彼女達をあざ笑う。
「ら、ラーバってあの……?」
アルナがそれを聞いて驚愕する。
「何故、幹部がもう一人ここに……。」
さすがのタチアナも少し、動揺し
たようで、ヘルドラはそんな彼女らの
反応を聞いてますます笑った。
「ということなので、私は
早くあちらに向かいたいのです。」
ラーバは右手を上げる。
「ですからあなたには、ここで
私の物となってもらいますよ!」
そして言い終わると同時に、
敵の下僕と化した俺の仲間に
上げた手を振り下ろして号令
をかけた。
特に仲良くなった訳では
無いがさっきまで協力していた
皆が俺に襲いかかってくる。
アサシンや戦闘タイプの職業の人間が
俺を殴ろうとしてくるが、俺はそれを
ひらりとかわし、体勢を崩した者から
順に腕を掴んで死なない程度に壁に
ぶん投げる。
「な……気は確かですか?
この人間達はあなたの仲間ですよ?」
俺の無慈悲な暴行にラーバは困惑する。
「俺は回復魔法士だ。
お前を倒してから治す。」
「回復魔法士……?
まさか……そんなわけ……。」
俺が戦闘職業でもないのに、
下僕達を次から次へと倒していく
異様な光景を前にラーバは一歩、また
一歩と後ずさる。
「やれ! 捕らえなくていい!
あの人間を粉々にしてしまいなさい!」
何か危険を感じたのか、ラーバは
咄嗟に後衛にいた射撃、弓、魔法使い
の職業者に命令する。
彼らはまるで人形のように俺に
銃や攻撃魔法を乱射してきた。
「ハハ……ハハハ!
いやはや、惜しいですね。
大人しく私の物になれば無事で
いれたものを。」
「何がだ?」
「ひっ! まさか……ありえない……」
ラーバが驚くのも
無理はない。
なんせ俺は洞窟が地震のように揺れる
程の攻撃を傷一つ受けることなく、
耐えきったのだから。
まあ、レベル999なんだから当然な
のだが、ラーバにはそれが相当こたえた
ようで先程の余裕っぷりは微塵も感じ
られなかった。
俺はそれにとどめを刺すかのようにこう
言った。
「お前がまず最初の獲物だ。」
ラーバはそう言うとニヤニヤ笑う。
「物? どういうことだ。」
「先程の私の技をかわしたご褒美
に今からそれを見せてあげましょう。
さぁ、起きなさい、私の下僕達。」
ラーバは子供を起こすかのように、
手を叩く。
「ぅ……ぅ、ぁ……」
すると先程、ラーバの吐いた煙を
吸い込んみ倒れた仲間がゾンビの
ようにうめき声を上げながら
立ち上がる。
「生き物を操る能力か、なんかか?」
「これまたご名答。
私は私が吐く息を吸った生き物を
操ることができるのです。
そういえばさっき、あなた達以外に
三人の人間がヘルドラさんの部屋に
向かっていましたね……
今頃は、私の物となった自分達の
仲間と戦っているのではないでし
ょうか。あ~愉快、愉快。
早く私も見物に行きたいものです。」
「私だ! タチアナだ!
聞こえないのか!?」
タチアナは亡者となった自分の部下に
必死に話かける。
自分は傷を負いながらも、決して
仲間である部下に血を流させることなく。
「ハハッ、無駄だ。どんなに話しかけ
てもそいつらはお前らのことなんか忘
れてる。なぜなら、そいつらラーバ
の呪術にかかってんだからな。」
両目が見えなくなっても、タチアナ達が
自分の騎士に苦戦しているのは
わかっているようで、必死に
救おうとする彼女達をあざ笑う。
「ら、ラーバってあの……?」
アルナがそれを聞いて驚愕する。
「何故、幹部がもう一人ここに……。」
さすがのタチアナも少し、動揺し
たようで、ヘルドラはそんな彼女らの
反応を聞いてますます笑った。
「ということなので、私は
早くあちらに向かいたいのです。」
ラーバは右手を上げる。
「ですからあなたには、ここで
私の物となってもらいますよ!」
そして言い終わると同時に、
敵の下僕と化した俺の仲間に
上げた手を振り下ろして号令
をかけた。
特に仲良くなった訳では
無いがさっきまで協力していた
皆が俺に襲いかかってくる。
アサシンや戦闘タイプの職業の人間が
俺を殴ろうとしてくるが、俺はそれを
ひらりとかわし、体勢を崩した者から
順に腕を掴んで死なない程度に壁に
ぶん投げる。
「な……気は確かですか?
この人間達はあなたの仲間ですよ?」
俺の無慈悲な暴行にラーバは困惑する。
「俺は回復魔法士だ。
お前を倒してから治す。」
「回復魔法士……?
まさか……そんなわけ……。」
俺が戦闘職業でもないのに、
下僕達を次から次へと倒していく
異様な光景を前にラーバは一歩、また
一歩と後ずさる。
「やれ! 捕らえなくていい!
あの人間を粉々にしてしまいなさい!」
何か危険を感じたのか、ラーバは
咄嗟に後衛にいた射撃、弓、魔法使い
の職業者に命令する。
彼らはまるで人形のように俺に
銃や攻撃魔法を乱射してきた。
「ハハ……ハハハ!
いやはや、惜しいですね。
大人しく私の物になれば無事で
いれたものを。」
「何がだ?」
「ひっ! まさか……ありえない……」
ラーバが驚くのも
無理はない。
なんせ俺は洞窟が地震のように揺れる
程の攻撃を傷一つ受けることなく、
耐えきったのだから。
まあ、レベル999なんだから当然な
のだが、ラーバにはそれが相当こたえた
ようで先程の余裕っぷりは微塵も感じ
られなかった。
俺はそれにとどめを刺すかのようにこう
言った。
「お前がまず最初の獲物だ。」
0
お気に入りに追加
112
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
ヒューマンテイム ~人間を奴隷化するスキルを使って、俺は王妃の体を手に入れる~
三浦裕
ファンタジー
【ヒューマンテイム】
人間を洗脳し、意のままに操るスキル。
非常に希少なスキルで、使い手は史上3人程度しか存在しない。
「ヒューマンテイムの力を使えば、俺はどんな人間だって意のままに操れる。あの美しい王妃に、ベッドで腰を振らせる事だって」
禁断のスキル【ヒューマンテイム】の力に目覚めた少年リュートは、その力を立身出世のために悪用する。
商人を操って富を得たり、
領主を操って権力を手にしたり、
貴族の女を操って、次々子を産ませたり。
リュートの最終目標は『王妃の胎に子種を仕込み、自らの子孫を王にする事』
王家に近づくためには、出世を重ねて国の英雄にまで上り詰める必要がある。
邪悪なスキルで王家乗っ取りを目指すリュートの、ダーク成り上がり譚!
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
転生したら赤ん坊だった 奴隷だったお母さんと何とか幸せになっていきます
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
転生したら奴隷の赤ん坊だった
お母さんと離れ離れになりそうだったけど、何とか強くなって帰ってくることができました。
全力でお母さんと幸せを手に入れます
ーーー
カムイイムカです
今製作中の話ではないのですが前に作った話を投稿いたします
少しいいことがありましたので投稿したくなってしまいました^^
最後まで行かないシリーズですのでご了承ください
23話でおしまいになります
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
俺のスキル『性行為』がセクハラ扱いで追放されたけど、実は最強の魔王対策でした
宮富タマジ
ファンタジー
アレンのスキルはたった一つ、『性行為』。職業は『愛の剣士』で、勇者パーティの中で唯一の男性だった。
聖都ラヴィリス王国から新たな魔王討伐任務を受けたパーティは、女勇者イリスを中心に数々の魔物を倒してきたが、突如アレンのスキル名が原因で不穏な空気が漂い始める。
「アレン、あなたのスキル『性行為』について、少し話したいことがあるの」
イリスが深刻な顔で切り出した。イリスはラベンダー色の髪を少し掻き上げ、他の女性メンバーに視線を向ける。彼女たちは皆、少なからず戸惑った表情を浮かべていた。
「……どうしたんだ、イリス?」
アレンのスキル『性行為』は、女性の愛の力を取り込み、戦闘中の力として変えることができるものだった。
だがその名の通り、スキル発動には女性の『愛』、それもかなりの性的な刺激が必要で、アレンのスキルをフルに発揮するためには、女性たちとの特別な愛の共有が必要だった。
そんなアレンが周りから違和感を抱かれることは、本人も薄々感じてはいた。
「あなたのスキル、なんだか、少し不快感を覚えるようになってきたのよ」
女勇者イリスが口にした言葉に、アレンの眉がぴくりと動く。
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる