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十四話 任務決行
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魚人騒動の後、一夜明けた9時半頃、
俺が乗っていた船は無事目的地である
島に到着した。
「全員整列!」
一同が彼女の号令で砂浜に整列する。
「これより緊急任務を開始する。
目標は幹部の一人であるヘルドラ
の討伐。これを完了次第帰還する。
厳しい戦いになるだろうが、
前にもいったとおりこれをクリアするこ
とによって多くの人間に勇気を与える
ことができる。
皆、心してかかるように!
以上だ。」
彼女の話しが終わると、
事前に打ち合わせしておいた
陣形に並ぶ。
最前列をいくのは、敵を察知することが
できる盗賊の上級職であるアサシンが、
次に戦闘タイプの職業が並び、真ん中
には狙撃や弓を扱う者。
そして最後尾には回復職と魔法職が
並んでいた。
この軍の要であるタチアナは
最前列のアサシン達と同じ位置にいる
ようだった。
この島は魔族が統治する場所。
いつどこから襲ってくるのかわからな
い状況で、まず最初は
彼女の部下である騎士団と合流する
ようで、彼らは島の中央にある
氷の洞窟に身を潜めているらしい。
陣形を保ちながら、俺達は
その氷の洞窟に向かった。
「ここが……洞窟の入り口か……。」
氷の洞窟と呼ばれるだけあって
入り口からでも冷たい風が吹いて
くる。
「以外に寒いな。」
「くぅ~もっと暖かくしてくるんだった
ぜ。」
男たちがそんなことを言っていると
騎士の一人が静かにしろと
叱りつける。
「ここには我々の仲間の他に
討伐目標のヘルドラがいることも
確認されている。
気を抜いたら命を落とすぞ。」
タチアナはもう戦闘モードに入って
いるのか一言も喋らないので、
代わりに騎士の一人がそんなことを
言ってくる。
それを聞いた一同は固唾を飲み、
意を決して中に入っていった。
「ヘルドラ様。」
氷で覆われた洞窟の中で不気味な
姿をした生き物が何やら大きな
塊に話しかけていた。
「……? きたか、人間め。」
その大きな塊は目を覚ますと
同時に頭部に生えていた
二本の角に炎を灯もしながら
その生き物を見下す。
「ワインはどうした。偵察に向かわせた
はずだが?」
「それが……いっこうに連絡が
なく、恐らくですが……殺られたのでは
ないのかと……」
「なに? しくじったのか、
あやつめ。」
どんな獣も震え上がりそうな
目つきで異様な生き物をみる。
「そ、そこでなのですが……実は……。」
「言いづらいのでしたら、
私から言いましょう。」
すると洞窟内にもう一匹の魔族の声が
響き渡る。
「…ラーバか……なにしにきた?
まさか魔王様が命じたんじゃないだ
ろうな?」
大きさは人間程だが、嫌なオーラを放つ
小型の魔族が姿を現した。
「ご名答。」
「お前なんざいなくても、この俺、
ヘルドラで十分だ。さっさと帰れ。」
「それはできません。
魔王様はこの島が人間に奪われるので
はないのかと酷く気にしておられま
す。」
「それは魔王様がこの俺を信用して
いないとでも言いたいのか!?」
ヘルドラの叫び声で洞窟内が揺れる。
「いいえ、そうではありません。
私が来たのはあくまでも保険です。
もし、あなたに何かがあったらと、
そういうわけです。」
「けっ、いちいち感に触るやつだ。
それに今回の敵は帝国精鋭隊が
一人だけと聞いているが?」
「えぇ、そのようで、ですから
私の出番はないでしょう。
その時は
私はあなたが帝国精鋭隊の一人を
倒したと魔王様に報告しておきますよ。」
「ふん、信用ならんがまぁいい。
どちらにせよ、ここが落とされること
なんてまずありえない。なぜなら、
この俺がいるからな。」
そう言ってヘルドラは自慢げに笑う。
「あ、そうでした。ヘルドラさん
にお土産です。」
「お土産?」
「はーい、出てきなさーい。」
ラーバは洞窟の暗闇に待機している
何かを呼ぶ。
「ほう……これは……」
その姿を見てヘルドラは不敵な笑みを
浮かべたのだった。
俺が乗っていた船は無事目的地である
島に到着した。
「全員整列!」
一同が彼女の号令で砂浜に整列する。
「これより緊急任務を開始する。
目標は幹部の一人であるヘルドラ
の討伐。これを完了次第帰還する。
厳しい戦いになるだろうが、
前にもいったとおりこれをクリアするこ
とによって多くの人間に勇気を与える
ことができる。
皆、心してかかるように!
以上だ。」
彼女の話しが終わると、
事前に打ち合わせしておいた
陣形に並ぶ。
最前列をいくのは、敵を察知することが
できる盗賊の上級職であるアサシンが、
次に戦闘タイプの職業が並び、真ん中
には狙撃や弓を扱う者。
そして最後尾には回復職と魔法職が
並んでいた。
この軍の要であるタチアナは
最前列のアサシン達と同じ位置にいる
ようだった。
この島は魔族が統治する場所。
いつどこから襲ってくるのかわからな
い状況で、まず最初は
彼女の部下である騎士団と合流する
ようで、彼らは島の中央にある
氷の洞窟に身を潜めているらしい。
陣形を保ちながら、俺達は
その氷の洞窟に向かった。
「ここが……洞窟の入り口か……。」
氷の洞窟と呼ばれるだけあって
入り口からでも冷たい風が吹いて
くる。
「以外に寒いな。」
「くぅ~もっと暖かくしてくるんだった
ぜ。」
男たちがそんなことを言っていると
騎士の一人が静かにしろと
叱りつける。
「ここには我々の仲間の他に
討伐目標のヘルドラがいることも
確認されている。
気を抜いたら命を落とすぞ。」
タチアナはもう戦闘モードに入って
いるのか一言も喋らないので、
代わりに騎士の一人がそんなことを
言ってくる。
それを聞いた一同は固唾を飲み、
意を決して中に入っていった。
「ヘルドラ様。」
氷で覆われた洞窟の中で不気味な
姿をした生き物が何やら大きな
塊に話しかけていた。
「……? きたか、人間め。」
その大きな塊は目を覚ますと
同時に頭部に生えていた
二本の角に炎を灯もしながら
その生き物を見下す。
「ワインはどうした。偵察に向かわせた
はずだが?」
「それが……いっこうに連絡が
なく、恐らくですが……殺られたのでは
ないのかと……」
「なに? しくじったのか、
あやつめ。」
どんな獣も震え上がりそうな
目つきで異様な生き物をみる。
「そ、そこでなのですが……実は……。」
「言いづらいのでしたら、
私から言いましょう。」
すると洞窟内にもう一匹の魔族の声が
響き渡る。
「…ラーバか……なにしにきた?
まさか魔王様が命じたんじゃないだ
ろうな?」
大きさは人間程だが、嫌なオーラを放つ
小型の魔族が姿を現した。
「ご名答。」
「お前なんざいなくても、この俺、
ヘルドラで十分だ。さっさと帰れ。」
「それはできません。
魔王様はこの島が人間に奪われるので
はないのかと酷く気にしておられま
す。」
「それは魔王様がこの俺を信用して
いないとでも言いたいのか!?」
ヘルドラの叫び声で洞窟内が揺れる。
「いいえ、そうではありません。
私が来たのはあくまでも保険です。
もし、あなたに何かがあったらと、
そういうわけです。」
「けっ、いちいち感に触るやつだ。
それに今回の敵は帝国精鋭隊が
一人だけと聞いているが?」
「えぇ、そのようで、ですから
私の出番はないでしょう。
その時は
私はあなたが帝国精鋭隊の一人を
倒したと魔王様に報告しておきますよ。」
「ふん、信用ならんがまぁいい。
どちらにせよ、ここが落とされること
なんてまずありえない。なぜなら、
この俺がいるからな。」
そう言ってヘルドラは自慢げに笑う。
「あ、そうでした。ヘルドラさん
にお土産です。」
「お土産?」
「はーい、出てきなさーい。」
ラーバは洞窟の暗闇に待機している
何かを呼ぶ。
「ほう……これは……」
その姿を見てヘルドラは不敵な笑みを
浮かべたのだった。
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