転生したので好きに生きよう！

第二章ドラゴニア帝国編

ここぞのドヤ顔

「どうすれば陛下が皇后様を娶る気になるのかをお知恵を拝借したいですね。年頃の娘でしたら私めにも娘がおります」

　出た。前に聞いた話の中でもクライブさんの娘を妃にしようとしつこかったと話していたな。また、その話なんだ。クライブさんしつこいね。

「私の婚姻なんだから、お前が口を挟む事ではないよ」

「いえいえ、私だけではありませんぞ。国民全員が陛下の婚姻を今か今かと待ち望んでおりますよ」

「だとしても次代が決まっているんだから無理に私が婚姻し、子を成さなくても良いではないか。私の好きにさせてくれよ」

「そう言う訳には参りません。次代様が決まっているからと言って陛下が伴侶を迎えないのとは別問題です」

　いやいや、ジュールさんはただ好きな事して、何れは好きな人と恋愛して結婚したいと言ってるんだからそんなに急かさなくても良いと思うんだけど。それにジュールさんの人生なのだからジュールさんの遣りたいようにさせてあげれば良いと思う。竜帝だからってそこまで干渉されたくないだろう。

　目の前のカレーライスがどんどんと冷めていくのが分かるけれどジュールさんが手を出さないし、ジュールさんからの許可も出てないので私は食べない。それがマナーだよ。クライブさんみたいに我が物顔でワインを飲みながらカレーライスをパクつくのは礼儀知らずなんだよ。

　そもそも竜帝って基本一代でしょ。ジュールさんの奥さんと子供が出来たとしてもそれは次代である私には関係ないよね。ん？いや気のせいか。なんか変な考えが頭を過ったんだけど…気のせいにしておこう。

「陛下が次代様に心を砕いているのは知っております。もし、陛下の御子が男おの子なれば、次代様と番わせれば宜しい」

　ですよね～、私が一瞬過った考えですね。私まで巻き込み出したよ。でも私にもジュールさんにも選択権あると思うんだ。

 「一生添いちょげちゃいかりゃ、伴侶は自分で選りゃびたいでしゅね。ジュールしゃんも同じ考えでしゅよ」

　この人をこのままにしておくと付け上がるな。話はきっぱりと断らねば、いつまでたっても纏わりつくだろう。それは勘弁してもらいたい。

「ジュールしゃんは番をもちょめちぇましゅ。そこりゃへんのむちゅめには興味がないでしゅよ。そもそも竜帝でありゅジュールしゃんに対して気安過ぎでしゅ。弁えた方が得策でしゅよ」

　金槌でガンガンに叩いたった。ドヤ顔をしてジュールさんを見ると苦笑してる。なんでかな？と思ってクライブさんの方に顔を向けるとキョトンとしている。うん？噛み噛みで伝わらなかったのかな？

「大丈夫。全部理解できてるけどまさか子供に言われるとは思ってなかったみたいだよ」

　今まで誰も注意しなかったの？この人の横柄な態度に対してさ。あぁ、財務を担当してるって言ってたから強く言えなかったんだな。うん、理解した。

「曲がっちゃ事、間違っちゃ事をしちゃりゃ注意さりぇりゅのは当たり前でしゅ。仮にも上司に対して結婚はまだかというはちゅげんもいかがなものかちょ思うのでしゅよ」

　黙ってしまったクライブさんに対して、これでもかと言葉を続ける。