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第二章ドラゴニア帝国編

一緒にお食事いかが?

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 ええ、案の定ジュールさんにこっぴどく叱られました。説教が長いのなんの。五時間よ。あ、これって永遠に続くんじゃないかな?とか思っちゃったよ。私、幼児よ?幼児に延々と説教垂れるってどうなの?後半白目向いてたわ。なんでかって?お昼寝の時間をとっくに過ぎてたからだよ!

 さすがにぐったりした私はふらふらとなりながら自室へと帰ろうとした。するとジュールさんが私を小脇に抱えた。

 これ数時間前も体験したような気がする。デジャブかな?

「お腹減ったなぁ~」

 私の疑問など知らないジュールさんはそのまま食堂へと向かう。食堂は二ヶ所あるんだけどジュールさんがいつも食事をするのは国民とかに一般解放している方に行く。お城の食堂なのに一般に解放して良いのかと疑問に思ったけど多分、風土の成せる業だと割りきった。考えるのを放棄したとも言う。

 今、向かっているのはもう一つの方みたいだ。チラリとジュールさんの表情を窺うとちょっと不機嫌そう。なんでだろ?食事は楽しいものよ?今日のご飯は何だろなって考えるの楽しいじゃん。

 広いお城なのに迷う事なく個人用の食堂へと向かう。擦れ違う衛兵さんとか官僚さんがジュールさんの表情に二度見している。普段はへらっとしている表情が多いからね。

「なんか不愉快な事考えてないよね?」

「う」

 皆エスパーかなんかなの?私の思考を読むのが、今の流行りなんだろうか?

 一応、考えてないという意思表示にかぶりを振っておく。それでも私の顔面を訝しそうに見ている。

 そうしている間に食堂に着いてしまった。ここまで来て思ったのがなんで私も一緒なのかな?一人だと淋しい?もう、淋しがり屋さんめ。って、思ったけどそれならもう一つの方の食堂に行けば良いんだよね。ジュールさんの意図が見えなくて首を傾げる。

「なんで私がニアを連れてきたのか不思議なのかな?」

 閉まったままの扉の前で静かに聞いてくるジュールさん。部屋の明かりが漏れているのか隙間から暖かなオレンジ色の光がジュールさんの横顔を照らす。

「あい」

「素直だね」

 私はいつも素直ですよ。何を言うのかな。素直の中の素直である私に何を言う。

「腹芸も覚えるべきなんだろうけど、ニアはそのままの方が良いかもね。腹の探り合いなんて面白くもない」

 で?結局理由はなんなのさ?用事がないなら部屋に帰りたいんだけど。帰っても寝るだけだけどね。

「今日の夕飯は食べたかい?まだだったら私と一緒に晩餐はどうかな?」

 あ、なんでだろ。ピーンと来たよ。ジュールさんは一緒に食べる人と二人っきりになりたくないから私を持って来たんだね。そっか~、相手はきっと一緒に食べたくない相手なんだね。そんな相手とジュールさんと私………良い迷惑だよ!巻き込むな!!
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