31 / 46
第31話 クズの末路②(エランダ視点)
しおりを挟む
なのに、ラクスが帰って来た。
糾弾される。
なによ……。遅いのよ。あなたはいつだって。
すでに計画は変えて動いている。
もう遅い。
彼にとっては理不尽な怒りでしょうね。
でも、私にとっては理不尽な状況よ。
お互い様。
私は彼を追い出した。
そしたらシファが急に動き出し、ミシェールが目覚め、お父様が出てくる。
みんな敵よ。
全員スタンピードで死ねばいい。
私は消えるわ。
そう考えて、爆発の合間に逃げた。
そして街を出て、郊外に作られたリオフェンダールの砦に入ったが、そこにいたの……クズたちが。
「エランダ!?」
「エランダちゃんか、スタンピードはどうなった?」
そう、ここにいたのはカジノの支配人であるアレサンドロと、私の婚約者であるジキルだ。
あと、クレアもいたが……ぐったりしている。裸だ。
最低ね、こいつら。こんなときに。
気まずげに間に立って私の視界を遮ろうとするジキルと、気にも留めていないアレサンドロ。
こんなのが婚約者で、婚約者候補というのが泣けるわね。
「スタンピードは、中層のモンスターは倒して、下層のモンスターが出てきたところで避難したわ」
そしてここに及んでこんな嘘をついている私も最低ね。ただの保身……。
「中層のモンスターを倒しただと?オークキングとエルダーウルフがいたのに?」
「何が出てきたか見ていないのか?僕のカジノは?」
そしてこいつらの口から出てきたのも、自らの失態に関することだけ。
誰も街を心配していない。
シファ……ラクス。
あなたたちだったらこんなことはしないわね。
力があるあなたたちなら。
力のない私では、誰かに取り入るしかない。誰かを利用するしかない。何かあっても誤魔化すしかないのよ。
「ミシェールが復帰して中層のボスは倒したわ。その後ギルドごとダンジョンの入り口を埋めたけど、最後に見えたのはあの一帯が全て吹き飛ぶところよ」
「なっ……」
「やはり資産を抱えて出てきて正解だったな。それでは僕はこれで失礼するよ」
そう言いながら出て行くクズ。
遠めに見えた巨大な翼のあるトカゲのようなモンスター。
伝承に聞くドラゴン。
「待ってくれアレサンドロさん。俺も連れて行ってくれると」
「来たければ勝手にくればいいが、エランダちゃん。君はダメだぞ?もし連れてなんか言ったら、僕が言い訳できなくなるからね」
捨て台詞も最低だ。
どうせならこのクズを襲ってほしい。
糾弾される。
なによ……。遅いのよ。あなたはいつだって。
すでに計画は変えて動いている。
もう遅い。
彼にとっては理不尽な怒りでしょうね。
でも、私にとっては理不尽な状況よ。
お互い様。
私は彼を追い出した。
そしたらシファが急に動き出し、ミシェールが目覚め、お父様が出てくる。
みんな敵よ。
全員スタンピードで死ねばいい。
私は消えるわ。
そう考えて、爆発の合間に逃げた。
そして街を出て、郊外に作られたリオフェンダールの砦に入ったが、そこにいたの……クズたちが。
「エランダ!?」
「エランダちゃんか、スタンピードはどうなった?」
そう、ここにいたのはカジノの支配人であるアレサンドロと、私の婚約者であるジキルだ。
あと、クレアもいたが……ぐったりしている。裸だ。
最低ね、こいつら。こんなときに。
気まずげに間に立って私の視界を遮ろうとするジキルと、気にも留めていないアレサンドロ。
こんなのが婚約者で、婚約者候補というのが泣けるわね。
「スタンピードは、中層のモンスターは倒して、下層のモンスターが出てきたところで避難したわ」
そしてここに及んでこんな嘘をついている私も最低ね。ただの保身……。
「中層のモンスターを倒しただと?オークキングとエルダーウルフがいたのに?」
「何が出てきたか見ていないのか?僕のカジノは?」
そしてこいつらの口から出てきたのも、自らの失態に関することだけ。
誰も街を心配していない。
シファ……ラクス。
あなたたちだったらこんなことはしないわね。
力があるあなたたちなら。
力のない私では、誰かに取り入るしかない。誰かを利用するしかない。何かあっても誤魔化すしかないのよ。
「ミシェールが復帰して中層のボスは倒したわ。その後ギルドごとダンジョンの入り口を埋めたけど、最後に見えたのはあの一帯が全て吹き飛ぶところよ」
「なっ……」
「やはり資産を抱えて出てきて正解だったな。それでは僕はこれで失礼するよ」
そう言いながら出て行くクズ。
遠めに見えた巨大な翼のあるトカゲのようなモンスター。
伝承に聞くドラゴン。
「待ってくれアレサンドロさん。俺も連れて行ってくれると」
「来たければ勝手にくればいいが、エランダちゃん。君はダメだぞ?もし連れてなんか言ったら、僕が言い訳できなくなるからね」
捨て台詞も最低だ。
どうせならこのクズを襲ってほしい。
52
お気に入りに追加
129
あなたにおすすめの小説
幼馴染の彼女と妹が寝取られて、死刑になる話
島風
ファンタジー
幼馴染が俺を裏切った。そして、妹も......固い絆で結ばれていた筈の俺はほんの僅かの間に邪魔な存在になったらしい。だから、奴隷として売られた。幸い、命があったが、彼女達と俺では身分が違うらしい。
俺は二人を忘れて生きる事にした。そして細々と新しい生活を始める。だが、二人を寝とった勇者エリアスと裏切り者の幼馴染と妹は俺の前に再び現れた。
戦争から帰ってきたら、俺の婚約者が別の奴と結婚するってよ。
隣のカキ
ファンタジー
国家存亡の危機を救った英雄レイベルト。彼は幼馴染のエイミーと婚約していた。
婚約者を想い、幾つもの死線をくぐり抜けた英雄は戦後、結婚の約束を果たす為に生まれ故郷の街へと戻る。
しかし、戦争で負った傷も癒え切らぬままに故郷へと戻った彼は、信じられない光景を目の当たりにするのだった……
彼女の浮気相手からNTRビデオレターが送られてきたから全力で反撃しますが、今さら許してくれと言われてももう遅い
うぱー
恋愛
彼女の浮気相手からハメ撮りを送られてきたことにより、浮気されていた事実を知る。
浮気相手はサークルの女性にモテまくりの先輩だった。
裏切られていた悲しみと憎しみを糧に社会的制裁を徹底的に加えて復讐することを誓う。
■一行あらすじ
浮気相手と彼女を地獄に落とすために頑張る話です(●´艸`)ィヒヒ
妻を寝取ったパーティーメンバーに刺殺された俺はもう死にたくない。〜二度目の俺。最悪から最高の人生へ〜
橋本 悠
ファンタジー
両親の死、いじめ、NTRなどありとあらゆる`最悪`を経験し、終いにはパーティーメンバーに刺殺された俺は、異世界転生に成功した……と思いきや。
もしかして……また俺かよ!!
人生の最悪を賭けた二周目の俺が始まる……ってもうあんな最悪見たくない!!!
さいっっっっこうの人生送ってやるよ!!
──────
こちらの作品はカクヨム様でも連載させていただいております。
先取り更新はカクヨム様でございます。是非こちらもよろしくお願いします!
【完結】鏡の中の君へ ~彼女が死んだら他の男の子供を妊娠していた~
むれい南極
恋愛
恋人の加賀美朱里が交通事故で死亡した。通夜にて朱里の父親から、娘が妊娠していたと告げられる。その妊娠に覚えのなかった主人公の市原梓馬は、自分の恋人を妊娠させた男を探し始めた。
勇者に闇討ちされ婚約者を寝取られた俺がざまあするまで。
飴色玉葱
ファンタジー
王都にて結成された魔王討伐隊はその任を全うした。
隊を率いたのは勇者として名を挙げたキサラギ、英雄として誉れ高いジークバルト、さらにその二人を支えるようにその婚約者や凄腕の魔法使いが名を連ねた。
だがあろうことに勇者キサラギはジークバルトを闇討ちし行方知れずとなってしまう。
そして、恐るものがいなくなった勇者はその本性を現す……。
幼馴染み達が寝取られたが,別にどうでもいい。
みっちゃん
ファンタジー
私達は勇者様と結婚するわ!
そう言われたのが1年後に再会した幼馴染みと義姉と義妹だった。
「.....そうか,じゃあ婚約破棄は俺から両親達にいってくるよ。」
そう言って俺は彼女達と別れた。
しかし彼女達は知らない自分達が魅了にかかっていることを、主人公がそれに気づいていることも,そして,最初っから主人公は自分達をあまり好いていないことも。
勇者に大切な人達を寝取られた結果、邪神が目覚めて人類が滅亡しました。
レオナール D
ファンタジー
大切な姉と妹、幼なじみが勇者の従者に選ばれた。その時から悪い予感はしていたのだ。
田舎の村に生まれ育った主人公には大切な女性達がいた。いつまでも一緒に暮らしていくのだと思っていた彼女らは、神託によって勇者の従者に選ばれて魔王討伐のために旅立っていった。
旅立っていった彼女達の無事を祈り続ける主人公だったが……魔王を倒して帰ってきた彼女達はすっかり変わっており、勇者に抱きついて媚びた笑みを浮かべていた。
青年が大切な人を勇者に奪われたとき、世界の破滅が幕を開く。
恐怖と狂気の怪物は絶望の底から生まれ落ちたのだった……!?
※カクヨムにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる